探し物
いつの頃からかは覚えてないが
ずっと探し物をしてきた。そんな氣がする。
何を探しているのかさえ分からないまま
探していることさえ時に忘れ
ずっと何かを探してきた。
それは「ここではないどこか」にあると思い込み
遠くばかりを探してきた。
あてもなく、直感だけを頼りにさまよい続けた。
そうやって辿り着いたインドの山の上で、方向転換が起こった。
特に劇的な何かが起こったわけではなかった。
ただ、立ち止まってみただけのことだった。
探し回るのをやめ、何かをやろうとすることもやめ
ただ静かにそこに座り、何にもしないことをしてみたのだった。
下の写真が、そのインドの山の上でお世話になった宿に出会った瞬間だ。
改装中の客のいない宿。
僕はそこに荷物を引き上げ、しばらくお世話になった。
彼らは僕をそっとしておいてくれた。
目の前に広がる山と空とそこに流れ行く雲。
ただそれを眺めながら、時を忘れ、世間を忘れ、何にもしなかった。
氣が向けば散歩をしたり、ストレッチをしたり、滝に打たれたり。
そこにあるもので楽しんだ。
でも、何にもする必要はない上でのことだった。
今思えば、そこが旅の折り返し地点、ターニングポイント。
そこから日本へと戻り、日常へと戻り
慣れ親しんだ場所での旅が始まった。
それがまた長く、険しくも愉快な旅だった。
最近、あのインドの山の上でのことをよく思い出す。
日本、それも実家という一番身近な場所にいるのに
あのインドの山の上で感じたことを感じ、あの時が蘇ってくる。。
外を見渡せば、ビルの向こうに、なんとも言えない夕日と雲。
どうやら、またターニングポイントにやってきたようだ。
探していたものがなんだったのかは、わかった。
そして、それがどこにあるのかもわかった。
幸せは、目の前にある。
さて、また新たな旅の始まりだ。
お金のために何かをするのではなく、好きなことをしたことでお金を頂戴できると幸せです。僕という人間の存在に対して、サポートをしていただけたら、それほど嬉しいことはありません。よろしくどうぞ!