1.4 適切成長論
経済成長を目標とすること自体を批判しないのであれば、何を批判するのか。
まず、経済成長の目標が漠然としており、全体として過剰で、適切な水準ではないのではないかという批判である。この批判については本論考の本筋に関わることではないのであるが、言及しておきたい。
前提として、適切成長という考え方について説明する。これは、国ごとに適切な経済成長の度合いがあるのだとする考え方である。国によって、資源の有無や人口構造等、様々な条件が異なっているなか、どの程度の成長がふさわしいのかという議