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【コラム】見せかけの幸せが崩壊した時代。人は本当の幸せを求めている。

本日は、「見せかけの幸せが崩壊した時代。人は本当の幸せを求めている」というテーマでお話をさせていただきます。

本当の幸せ、それは心からの幸せと言っても構いません。今、人は本当の幸せを求め、より良く生きていこうと動き始めているように感じます。


▷人生最大の目的とは何か?

人生最大の目的とは何でしょうか?

それは、幸せになることだと考えます。自分を深く見つめざるを得ない状況になると、いつもより自分を深く見つめることがあります。仕事でトラブルをした時、人間関係でうまくいかない時、重い病気にかかってしまった時などです。

自分を深く見つめていくと気付くことがあります。それは、


・人は何より幸せを願っている。

・幸せになりたいと願わない人はいない。


ということです。

それは自死をされた人もそうです。幸せを願い、幸せを感じられない現状に虚しさを感じ、絶望し、絶ちたくもないいのちを絶つわけです。

意識して生きていないと、幸せが何かとは気付きにくいものです。しかし、自分を深く見つめていくような場面に出くわすと、自分は何のために生きているのだろうかと考えさせられ、その答えが見えてきます。

言えることは、人は幸せになるために生まれてきたのだということです。人は、幸せになるために生きているのだということです。


・人生最大の目的は、幸せになることである。

・人は、幸せになるために生まれてきた。幸せになるために生きている。


いのちに関わる病気になった人もそうです。人としてのいのちの有限性を認識させられる時、、自分にとって本当に大切なものは何かに気付かされていきます。

▷人生の進むべき判断基準

自分が今幸せであるか、人生が正しい方に進んでいるか、その時の一つの判断基準は、虚しさを感じるかどうかで考えるといいと思います。人は本来的に、幸せになりたいと願い生きています。幸せでない時や、幸せにはならないような方向に進んでいる時には、人は虚しさを感じます。今、あなたはどのように感じているでしょうか。


・虚しさを感じるかどうかが、自分の人生が正しい方向に進んでいるかの一つの判断基準となる。

▷人は、幸せを誤認してしまう

人は、幸せになるために生きています。そうした事実は、自分の内を深く見つめる機会がないと、中々気付きにくいものです。なぜ気付きにくいかという理由の一つは、我々は多くの煩悩を持っているからです。煩悩によって、何が大切なものかが分からなくなったり、幸せを誤認、錯誤してしまうことがあります。

煩悩とは、心身を煩わせるものですが、欲望、欲求というと分かりやすいかと思います。あれが欲しい、これが欲しい、これは手離したくないなどの感情です。


・人は、煩悩によって、大切なものや幸せを誤認してしまう。

・何が大切かが分からなくなることもある。


例えば、お金を人生の目的として生きてしまったり、地位や名誉に固執したり、人と比較して一喜一憂したりなどです。

お金は衣食住の手段であり、できることを増やすものではあるものの、生きる目的ではありません。地位や名誉は、自尊心を満たしますが、固執すると孤立します。人との比較は、人を下に見て喜んだり、人を上に見て悩み憎んだりするもので、他者に基準を置いている限り、一喜一憂してしまい、心からの幸せは得られません。

これらが自分の人生の大事なものだと追い続け、晩年になって、そこには自分を満たすものはなかったという数多くの方のご意見を伺ってきました。


▷見せかけの幸せ、本当の幸せ

とはいえ、お金なども大事じゃないかという意見もあるかと思います。ここでのポイントは、お金や地位など、そのものが大事かどうかということよりも、これらをどのように使うか、どのような思いのもとに使うかが重要だということです。

自分が良ければよいという思いのもと、お金や地位、名誉などを得て、執着するならば、幸せにはなれないことは、歴史が示しています。他者のためにも、お金や地位を活用していくならば、それは喜ばれ、自らの喜びともなります。

重要なのは、他者のためにおこなうことが、自分のためともなり、自分のためにおこなうことが他者のためともなるような方向性です。そして、自分だけが良ければ良いという考え方ではなく、他者とも幸せを目指していくような思いです。それによって、人は見せかけの幸せから、本当の幸せへと転換していくのです。


・他者のためにおこなうことが、自分のためともなり、自分のためにおこなうことが他者のためともなるような方向性が重要。

・自分だけが良ければ良いという考え方ではなく、他者と幸せを目指していくような思いが重要。

・そうして、人は見せかけの幸せから、本当の幸せへと転換していく。


とはいえ、煩悩を中々切り離せないのも我々であり、あれを手にしたい、これを欲しいと追い求めるのも人であるということは、人間の紛れもない事実です。

煩悩をもった自分であるという現実を受け止めつつ、心からの幸せを感じ、より良い生き方をしていくには、煩悩が課題となっていることを認識することは、人生においてとても重要なことです。

▷人生の優先順位を間違えてはいけない

人は、心からの幸せを本来的に求めていて、そうなっていない時に、虚しさを感じます。虚しさを感じるような時は、今おこなっていることや、身を置いている場所や立場が、本当に自分を満たすものではないこと、自分が正しい方向に進んでいないことを示しています。

ですが、我々は中々、その虚しさのサインに気付かなかったり、気付かないふりをしたり、日々のタスクの中にやりがいを感じようと努力して虚しさを埋めようとしたり、自分の人生はこんなものだとあきらめ、虚しさを感じながらも自分を納得させたり、それぞれに自分に折り合いをつけながら生きています。

まず、人生の最優先課題は、人生最大の目的である幸せになることです。その幸せとは、心からの幸せを感じ、虚しさが解消されていくことです。日々のタスクも大切ですが、まず何よりも、幸せになることこそが、人生の最大の目的であり、最優先事項として捉えて、そのための行動、言動を日常から意識してみると良いと思います。


・人生最大の目的、最優先事項は、幸せになることである。

・幸せとは、心からの幸せを感じ、虚しさが解消されていくこと。

・幸せになるための行動や言動を、日常から意識してみる。

▷本当の幸せを求め始める時代

我々は、幸せとは何かということや、幸せが人生最大の目的であるということを学ぶ機会はほとんどありません。どう生存していくか、どう稼いでいくか、そのことを最大の目的と思い、思わされ、そのために生きていきます。

補足しておくと、どう生存していくか、どう稼いでいくか、それも重要なことです。明日をどう食べていくか、生きていくか、これは切実な求めです。衣食住を整えることは、とても重要なことです。

衣食住を整えることと、それだけでは幸せになれないということは、二項対立ではありません。明日食べるものに困っている、経済的に困窮している、住む場所がないという方にとって、衣食住を整えることはまず重要です。

そして、今回はその延長線上の話で、衣食住を整え、やりたいことをやっていくことは重要なことでありつつ、しかし、それだけでは充足しない、虚しさが解消されない、幸せにはなれないという問題があるということについて考えています。

そして、そのことに人類として改めて気付きなおし、本当の幸せを求める時代に入っているのだと思います。


・衣食住を整え、やりたいことをやっていくことはまず重要。

・しかし、衣食住を整え、やりたいことをやっていくだけでは、本当の幸せは感じられない。

・そのことに、人類として気付きなおし、本当の幸せを求める時代に入っている。


本当に心が満たされ、喜びを感じる、幸せを感じる、そのような生き方とはどんな生き方だろうか。多くの人が、そのことを自分ごととして、切に求め始めているのだと思います。そう、その方向でいいのです。


▷つながって生かされていることへの目覚め

人生の優先順位を間違えてはいけません。まず、目指すべきは、幸せになることです。心からの幸せを感じ、虚しさが解消されていくことです。

その幸せとは、自分が良ければ良いという閉じた生き方では実現されません。自分のためが他者のためともなり、他者のためが自分のためともなる生き方の中で感じられるものです。

そして、必ずしも何か行動を起こし、達成していくことで幸せを感じるのではありません。全てのものがつながり、生かされているという事実に目覚めさせられていく中で、本当の幸せを感じていくのです。そして、穏やかさや心の安らかさ、非常に深い喜びや感動、感謝を感じるようになるのです。


・幸せは、自分が良ければ良いという閉じた生き方では実現されない。

・幸せとは、自分のためが他者のためともなり、他者のためが自分のためともなる生き方の中で感じられるもの。

・幸せとは、必ずしも何か行動を起こし、達成していくことで感じるものではない。

・全てのものがつながり、生かされているという事実に目覚めさせられていく中で、本当の幸せを感じていく。


人生の優先順位を間違えてはいけません。解決すべきは、幸せになることです。その幸せとは、心からの幸せを感じ、虚しさが解消されていくことです。そしてそれは、自分の利益を追求するばかりでは達成されません。

これまで求めてきたものは、見せかけの幸せだった。そのことに、人類として気付きなおしているように思います。そして、本当の幸せを求め始めているのです。


最後まで、お読みいただき、ありがとうございます。

合掌


浄土真宗本願寺派 教證山信行寺

神崎修生

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