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新型コロナウイルスから見えてきた、共働、支え合いの重要性

皆さん、こんにちは。僧侶の神崎修生です。

今回は、「新型コロナウイルスから見えてきた、共働、支え合いの重要性」というテーマで、ここ数回にわたってお話をしてきた内容をまとめてみたいと思います。

▼動画・音声でご覧になりたい方はこちら

https://youtu.be/DOJvGG3o97A

さて、今回の新型コロナウイルスで見えてきたことは、色々あるかと思います。

・医療機関、介護・育児機関、公共機関などの、いのちを支えていた機関の機能が麻痺する可能性があること。
・特定の製品などが品薄になり、手に入らなくなる可能性があること。
・好調だった業界や企業でも、一つの出来事で不況になり、成り立たなくなる可能性があること。
・人とモノが一極集中する都市型モデルの緊急時の難しさ。


これまで、まだどこか大丈夫だと思っていたものが、一つのことでもろく崩れてしまう可能性があることを、多くの方が実感したのではないかと思います。

上記のような課題に具体的な対策をほどこす課題解決のアクションも重要であり、また、自分(たち)だけでは解決できないような課題に対して、共働したり、支え合うことが重要であるということを、数回の記事で確認をしてきました。


今後も、感染症の流行や、食料不足、地震、気候変動、環境破壊などの影響が起こり続けることが予想される中で、短期的にも、中長期的にも、自分たち生活を自分たちで維持していかなければならないということ、そして、共働し、互いに支え合っていくことの大切さが、分かりやすく見えてきたように思います。


自分(たち)の衣食住を整えるということは、勿論まず大事なことですが、利己(自分が良ければよい)という考え方では、地球や社会や地域がもたないといった大きなレベルの話だけでなく、仕事や家族や自分の生活が成り立たないことが見えてきて、自利利他(自分のためが他者のためとなり、他者のためが自分のためとなる)という考え方やあり方が重要になってくると考えます。


緊急時だけでなく、平時から共働する、支え合うという文化と具体的な関係性を育んでおく必要があるかと思います。震災の多い日本は、共働や支え合いの文化は、かなり育まれている部分もあるかと思いますが、平時から、利他(自利利他)の輪(互いが共働し、支え合うつながり)をつくったり、既存のグループに利他(自利利他)の考え方を浸透していくことが重要になるとのお話をしてきました。


国や行政、企業など、それぞれの立場や規模感に応じた取り組みもしつつ、いち生活者としては、ローカル(地域、職場、近所、友人知人、家族)での支え合いも、とても大切だと考えます。

緊急時では特に、心理的・物理的に近いところのローカルな支え合いが重要になるでしょう。インターネットでつながっている現代では、物理的には離れていても、心理的に近い友人知人の存在なども大切かと思います。

新型コロナウイルスを、全世界で同時に経験している今、このようなことが自分ごととして感じられるタイミングにあります。

これからの時代、仏教でいう自他の抜苦与楽(自らと他者の痛みや苦しみが和らぎ、より良く生きていくこと)という生き方やあり方、自利利他(自らのためが他者のためとなり、他者のためが自らのためとなる)の考え方が重要になること、そして、それにもとづいて、課題解決のアクションや、共働や支え合いを促す利他の輪をつくることが重要になるというお話を、数回にわたりしてきました。


仏教を2500年間紡がれてきた人類の智慧と捉え、仏教を、このような課題解決のアクションや、利他の輪をつくっていくために活用していこうとする際に、必要になるのが、仏教の仏教の汎用化(はんようか)だと考えています。

汎用化とは、特定の用途や対象に特化せず、ある程度何にでも使える状態に機能を拡張することですが、特定の対象や用途に限定されてしまっている今の日本の仏教を、もっと広く活用できるように汎用化していくことが必要になるかと思います。


仏教が縁遠く、身近にないのであれば、課題解決の際に、仏教の考え方や価値観を活用しようとか、人との関係性構築の際に、自利利他の考え方を活用しようなどとは思わないからです。


今回は、「新型コロナウイルスから見えてきた、共働、支え合いの重要性」というテーマで、これまで数回にわたってお話してきたことをまとめてお話させていただきました。

次回は、仏教の汎用化について考えてみたいと思います。


最後まで、お読みいただき、ありがとうございます。

合掌


浄土真宗本願寺派 教證山信行寺

神崎修生


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