2024年8月に読んだ本(10冊)
8月は過去最高の10冊の本を完読できた。
読んだ本は1月から数えて62冊になった。
年間の目標完読冊数は52冊を7月末時点で達成したため、来月(9月)はかなり読むペースを落とそうと思う。
その代わり、ひとつひとつの本をじっくり深く読み込もうと考えている。
さて、どうなるか。
1〜7月に読んだ本はこちら👇
それでは、8月に読んだ本たちをどうぞ。
(10冊も読んだことを すこし後悔した。)
※今月分も変わらず、「読みはじめたキッカケ」「ひとこと感想」「Bestパンチライン」の“いつもの”フォーマットで完読本を紹介していきます。
ユニクロ
読みはじめたキッカケ
3月に読んだ『山の上のパン屋に人が集まるわけ』の著者 平田はる香さんが熱心に読んでいたのをInstagram上で確認していた。
8月頭に、ふとKindleの「ためし読み」機能で「プロローグ 人が消えた商店街」を 数ページ読んでしまったが最後。その筆致に圧倒され、気づいたら深夜の自宅のソファの上でKindle版の本書を購入していた。
そのままの勢いで2章あたりまで読んだと思う。
後日、書店で紙の本を見た時、そのあまりの分厚さに驚いてしまった。
ひとこと感想
今年読んだ本の中で最も“ビジネスマッチョ”な本だった。にも関わらず、“非ビジネスマッチョ”な自分が今年最もハマったのがこの本だ。
読み終わった直後に、note上でこんな投稿をしてしまうほどに。
『ユニクロ』は、ビジネス本としても面白いのはもちろん、物語としてのスリリングさが圧倒的だ。
作中に「どこにでもいる(ある)」という表現が6回も出てくるのだが、「ふつう」の成年・お店が、ある瞬間から覚悟を決め、一代で世界的企業になっていく様と、その脇を固める人たちの熱量がすべてのページから伝わってくる。
(自分はKindleで読んだが)あの分厚い約500ページの紙の本の最初から最後まで、その熱量が落ちることなく続いていく。ほんとうに面白かった。
ここまでハマったのは、ユニクロ史が濃厚だということに加えて、自分自身消費者として同時代を生き、ユニクロの成長を目の当たりにしてきた影響が大きいと思う。
小学生の時に、住んでいた地域の郊外に「ユニクロ」がオープンし、両親と出かけた記憶をうっすら覚えている。
大学生の頃にイギリスへ短期留学をした際、ロンドンのユニクロでTシャツを購入したことを覚えている。
小学生の時にはじめてユニクロの存在を知ってから今日に至るまで、生活の中でユニクロというお店が当たり前にある生活をし続けてきたからこそ、その裏側である“中の人”たちの奮闘っぷりに驚き、胸が熱くなった。
ちなみに、自分は2018年2月からユニクロ(およびGU)で買い物をしていない。
この頃に、『トゥルー・コスト』や『ユニクロ潜入一年』を読んで、ファストファッションの店舗で服を購入することをやめたからだ。
(今回の本で、ユニクロは正確には「ファストファッション」ブランドではないことを知ることになった)
「ラナ・プラザ事件」に端を発した疑惑や、ブラックな労働環境に関する一連の騒動についても、当時の担当者らのエピソードを交えながら企業として解決に向かうプロセスや姿勢を知ることができた。 そのため、つい先日実に約6年半ぶりにユニクロで買い物をしたのだ。(仕事用に白いポロシャツを購入)
思いつくままに書いてしまっている“ひとこと感想”が止まらないので、記事の終わりの『今月のベスト本』にて、この続きを書いていきたい。
Bestパンチライン
葬儀会社が農業を始めたら、サステナブルな 新しいビジネスモデルができた
読みはじめたキッカケ
『山の上のパン屋に人が集まるわけ』を読み終えた直後に、Amazon上のおすすめに出てきて、ずっと読みたいと思っていたのがこの本だ。
ただ数ヶ月間 他の本に浮気をし続け、ようやく『ユニクロ』の次に読みはじめることができた。
ひとこと感想
決算書の勉強がしたいと強く思わせてくれる本。
そして、想像以上に多くの事業を手掛けていることに驚かされる。
(事業の数は本の表紙に写っている従業員数と同じである)
直前に読んだ『ユニクロ』とは事業規模も取り組んでいる内容も異なるが、経営者の決意・意思の強さと行動力や先見性に共通するものを感じた。
筆者の戸波さんはSNSやメディア等で目立った動きはなく、事業に真摯に向き合い続けていることを感じ取ることができる。
穴太ホールディングス・戸波亮さんは、まさに“ローカル×グリーン“で持続可能なビジネスモデルを体現している企業・経営者だ。
祖母から葬儀屋を継ぐことになり、決算書・会計の勉強をして徹底的な「内製化」に取り組んだ結果、仕出弁当を中心とした食品加工会社や生花店、農業とそこで穫れたお米のお店など、事業は多岐に渡る。特筆すべきは米作りから出る大量の廃棄物を商品化したり、ホールディングス内の別事業に活用したりしているところ。
「事業に必要だから」と言ってすぐに農機を買わないという姿勢・意思決定が、決算書・数字をしっかり見て経営されていることを物語っていると感じさせる一節だ。
Bestパンチライン
ようこそ! あかちゃん せかいじゅうの家族のはじまりのおはなし
読みはじめたキッカケ
経営に関する書籍を立て続けに読んだ後、すこし休憩したいと思っていた。
そんな中で、昨年から人体や妊娠・出産に強い関心を抱いている長女(5歳)が喜びそうな絵本を探している中で見つけたのがこの本だ。
ひとこと感想
さすが海外の絵本。性行為のことを説明するページや想像以上にリアルな(さまざまな)家族のカタチについての解説など、どれも具体的。
いのちの不思議と多様性について大人も学べる素晴らしい絵本だった。
Bestパンチライン
ひゃくえむ。
読みはじめたキッカケ
今年中に魚豊さんの代表作『チ。―地球の運動について―』を読もうと思っていたのだが、その前の作品『ひゃくえむ。』も相当な名作だと風のウワサで聞いたので、巻数も少ないこちらを読んでみることにした。
ちょうどパリオリンピック開催中で、陸上競技をよくテレビで見ていたことも少なからず選書に影響していると思う。
ひとこと感想
100m走を駆け抜けるように、1巻から5巻までを一気に読んだ。(3巻は途中から別の2作品が掲載されているので、実質4.5巻と言ってもいい)
この漫画は登場人物の中に、必ず自分と重なるキャラクターが出てくる作品だと思う。
陸上漫画でありながら、ひたすら自分と対話していく主人公たちの葛藤を見守りながら「挫折」との向き合い方を学ばせてくれる本だと思う。
Bestパンチライン
バナナの魅力を100文字で伝えてください 誰でも身につく36の伝わる法則
読みはじめたキッカケ
昨年、書店で見かけて購入したまま積読になっていた一冊。仕事をしていく中で、ネーミングや短い文章・言葉で魅力を伝えることについて考える場面が多いため、その参考になればと読みはじめた。
ひとこと感想
想像以上にテクニックの話が満載かつ、さすが「伝え方の本」だけあって、完結で誰にでも読みやすく書かれてある、ありがたい本だった。
仕事の一環で以前読んだ『「空腹」こそ最強のクスリ』のタイトルを考えたのも、この『バナナの魅力を…』の著者 柿内尚文さんだったことを知って驚いた。
今後も仕事でネーミングや文章を考える際に、何度も読み返していく本だと思う。
Bestパンチライン
深夜高速バスに100回ぐらい乗ってわかったこと
読みはじめたキッカケ
2020年11月に購入して、途中まで読んでいた一冊。
著者のスズキナオさんも寄稿している、『デイリーポータルZ』の記事のようなことを自分自身も生活の中でよくやる(やった後でInstagramのストーリーズなどに投稿する)ので、絶対おもしろいだろうなぁと思って購入した。
とにかく自分は体験談が好きなのだ。今月最初に読んだ『ユニクロ』も広い意味では体験談と言える。
(※『ユニクロ』は柳生正社長本人が書いた本ではないので、その点は「体験談」とは大きく異なります)
ひとこと感想
自分も「生活の中にたのしみを見つけ出して面白がる」ことが得意な方だと自覚しているので、スズキナオさんのさまざまな体験談や視点におおいに共感できた。
日々の生活や暮らしに、自らちょっとした刺激を加えようとする意識こそが、幸せな時間や人生の充実をもたらすということを、各エピソードから教えられている気がした。
本の中に収録されていて、ネット記事でも読める 特に好きなエピソードを3つ貼ります。
Bestパンチライン
夜と霧
読みはじめたキッカケ
2020年8月に購入して積読になっていた一冊。
むずかしく、怖い話だと勝手なイメージを持っていたので、長い間手が伸びなかった。しかし、この本はあくまでも精神科医としての体験記で、残忍な描写はほとんどないと知り、読んでみようと思い立った。
加えて、今月から「名著」と呼ばれる作品を毎月1冊は読んでいこうという意識が強くなってきたことも、この本を読みはじめた大きな理由と言える。
読みはじめてすぐ、歴史的背景をより理解してから読む必要があると気付き、いくつかのYoutube動画で予習をした。(下記の動画の前半(歴史部分のみ)だけを観たりした)
ひとこと感想
今更ながら、今回手に取って読んでみてよかったと感じた。
「いかなる状況でも 未来に目的を持ち続けなければ次第に精神は壊れていくということ」
このことは今後生きていくうえで、特に年老いてからの生活において 強く意識していきたいと思った。
今後、病気や事故や思わぬアクシデント、老いなどさまざまな理由で「何のために生きるのか」という状況に自分や家族や友人が直面する機会は増えていくだろう。
その時に、この「未来に目的を持ち続ける」ようにするために、できる限りのことをやっていきたいと思わされた。
大きく話は変わるが、旧版・新版それぞれの訳者のあとがきの内容も素晴らしく、フランクル氏への敬意と、訳者それぞれの想いの強さが伝わってきた。
この訳者あとがきのおかげで、本編がさらに引き立ったと感じる。
Bestパンチライン
年収300万円で心の大富豪
読みはじめたキッカケ
2005年〜2009年にかけて、大阪に4年間住んでいたことがある自分にとっては、『サバンナ』のふたりの現在の活躍ぶりに嬉しい驚きを感じている。
特に高橋茂雄は、Eテレのコッシーの声をはじめ、とにかく多くの番組に出演されていて“めちゃくちゃ稼いでいる”ことが容易に想像できるのだ。
一方、相方の八木真澄さんはここ数年、たまにマッチョ芸人として きんに君の横でちょこっと出ているのを見かける程度だった。
ただ、偶然見たYoutube動画の内容が面白すぎて、一気に興味を持った。
そんな“サバンナ八木”が書いた本があると知り、レビューの評価もよかったので購入した。
ひとこと感想
自ら考えて行動し続けている人はかっこいい。
ご自身の考え方・価値観が明確に定まっているという印象を、各ページからひしひしと感じた。そう思わせる筆致。そして、芸人らしく笑わせてくれる一文が要所要所に挟まれているから楽しめる。ほんの数時間で読めてしまうところも、この本の魅力だと思う。
特に好きだったTIPSはこちら
「上司にムカついたら会社の株を買う」
「妬むのではなく公園で感謝する」
「人生はどう下るか」
「ビッグマック指数」
「勉強はコスパがいい」
(※全部で75個のTIPSを紹介してくれる本です)
Bestパンチライン
スマホ脳
読みはじめたキッカケ
2021年9月に購入した一冊。
思いつきで、8月23日からスマホ上のSNSアプリをすべて削除して生活を変えた。(DMが来ていないかを1日に2回程度PCから確認する程度)Youtubeの視聴やShopifyでのPodcast拝聴もほぼやめている。
その流れで、次に読む本はこの積読本しかないと思い、『スマホ脳』を(ようやく)読みはじめた。
ひとこと感想
この本を読み終わってから、おそらく生まれてはじめて 寝室にスマホを持ち込まずに就寝した。仕事中はできるだけ自分から遠いところにスマホを置いている。
8月23日から今日まで、スマホ上のSNSアプリは削除したままだし、夜中にYoutube等の動画を見ることもなくなった。
それが続くかは別として、思わずこういったアクションをしてみたくなる本だと思う。
運動と睡眠を意識しつつ、日中に最高のパフォーマンスが出せるよう、引き続きスマホと距離をとりながら生活していきたい。
Bestパンチライン
幸せについて
読みはじめたキッカケ
1年ほど前に妻が購入した本。我が家のトイレに設置している数冊の読書コーナーに置いていたが、8月末に ふとこの本を手に取って読んでみたことがキッカケで完読した。
ひとこと感想
一気読みするような本ではないことは百も承知で読み進めたが、谷川俊太郎さんの人生観のようなものを、読み進めるうちに(ほんのすこしだが)感じとることができた。(ような感覚になった)
本の中で10代の時に書いた詩がひとつ紹介されるのだが、そのページを写真に撮って、この記事に貼って紹介したいぐらい瑞々しい感性とエネルギーでつくられた素晴らしいと思える作品だった。
その直後に80代の時に書いた詩も紹介される。
詩を70年以上も書き続ける人生とはどういうものかと、野暮ながら想像してみたりした。
Bestパンチライン
今月のベスト本
『夜と霧』『スマホ脳』『葬儀会社が農業を始めたら、サステナブルな 新しいビジネスモデルができた』『幸せについて』など、名著揃いの今月のベスト本だが、『ユニクロ』を選んだ。
ユニクロとは何かに常に向き合い、それを忘れた時は綺麗に失敗し、それに向き合いきれた時は成功していた。
「ゴールを決めること、そして現実の延長線上にゴールを置かないこと。」という考え方も、(これまで散々聞いてきたような言葉だが)柳生さんの、ユニクロの変わり方を知った後にこの言葉を聞くと、その重要性にハッとさせられる。
読み終わった直後、自分が最初に感じた感想は、「自分が75歳まで野心を持ち続けたまま現役で働いていられるか」ということだった。
75歳であんなにエネルギッシュに「こと」に向かえるのか。75歳の柳生さんの気概に、37歳の自分の気概は勝てているか。
そんなことを考えさせられた。
75歳まで自分自身を鼓舞できる「ゴール」を設定できるかが、今後の人生を左右する。
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