ASDなのに風俗嬢してみた
はじめに
他の方のnoteを読んだところ、自分の体験を共有されている方が多いと学びました。
したがって、自分の体験から同じ障害を持った人に役立ちそうな事を共有したいと思います。
結論から申し上げると、ASD(旧称、高機能自閉症、アスペルガー症候群)の方に風俗業は向いていないと思います。
この記事では、ASD、発達障害のある女性と風俗業についての一般的な傾向と、私の体験、学んだ事について、浅い知識で恐縮ですが、ざっくり記述します。
一般的な傾向
・そもそも性風俗に従事する障害者は多い
以下のコラムにある通り、障害のある方が就労に苦労した結果、性風俗業に従事するケースは多いです。
『なぜ障害者女性が性産業に流れていくのか』
https://shohgaisha.com/column/grown_up_detail?id=2743
「発達障害、就職率3割」とする調査結果もあります。
特に昔は性風俗業のなり手が少なかったため、障害があっても比較的簡単に仕事を貰えました。
障害者施設のグループホームなどの付近に、風俗スカウトマン(女性を風俗店に紹介し、仲介料を得る人)が声を掛けようとウロついているという話はよく聞きます。
病気で長時間労働ができない、職場の人とのコミュニケーションができないなどの理由から、出勤が自由で個人プレーである性風俗業を自ら選ぶ方もいます。
・ASDに特有の傾向
ASDなど発達障害の女性は、お店に安く使われてしまう傾向があります。
ASDの方で、明らかに不当な目に遭っていても気づかず、耐え続けてしまった経験がある方は多いと思います。
また、発達障害の専門医が性風俗業について言及している記事がありました。
これは共感できます。ASDのためか人の顔の美醜に疎いので、一般の女性の言うような「イケメンとしかやりたくない」という感覚がありません。
お客様がちやほやしてくれるのは、その場限りであり、自分の興奮を盛り上げるために「この子は可愛い」と自己暗示を掛けているだけなのですが、ASDなので気付きません。
私の体験
以下は私個人の経験になります。私はASD、ADHDであり、コンサータとアリピプラゾール(少量)を服用しています。
・面接に落ちる
いきなりですが、障害について正直に話したところ面接に落ちてしまいました。
性風俗業といえど昼職(水商売・夜職に対して、一般の仕事のこと)の面接と同じです。私はあなたのビジネスの役に立てますとアピールする場なのです。
・本指名が取れず、店にいづらい
別のお店の面接を受け、半ば温情で、励まされながら箱ヘルに入店しました。
クソ真面目なのでアンケートは悪くなく、普通の女の子と違うのでレビューも書いて頂けるのですが、リピートするお客様がなかなかできません。
https://momojob.net/blog/post-29590/
https://www.youtube.com/watch?v=ocfiRCR62kY
上記リンクから分かる通り、リピート(本指名)するお客様がいるかどうかは、女の子がよい接客をしているか、女の子がお店に貢献しているかを測る重要な指標です。
お店はヘブンなどの風俗メディアにお金を払いながら女の子を宣伝します。お客様を呼べない女の子はお店の負担になります。
・本指名を取るために自分を安売りする
あまりにも本指名が取れないので、限界までコスパを良くしようと激安店の箱ヘルに移籍しました。
これは他の女の子の迷惑になるので辞めてほしいのですが、基本サービスにないサービスをやり始めました(過剰サービスと言います)。これは風俗嬢としてかなり恥ずかしい行為です。
また、写メ日記の他にTwitterを更新し、お店にお客様を呼ぶ工夫をしました。
徐々に業務内容に慣れてきて、明るくてお客様が大好きな女の子を演じられるようになりました。
上記の結果なのか、お店が特別指名料を付けてくれて、スタッフさんが店頭で私をオススメしてくださるようになり、お客様を取れるようになりました。
・本指名が全員、ASDか、ASDを放っとけない人
コスパが良いのでお試しで入る方はいますが、コスパが良いという理由で指名する人は少ないです。
結局本指名になってくださるお客様は、気の合うASDまたはADHDの方か、精神障害の女性を世話してきた経験のある方でした。
カウンセリングの本を読んでいると頻繁に出てきますが、問題のある人に心を移し、恋人にしてしまう傾向のある人というのが存在します。
多くは家庭環境等で苦労してきた人であり、私はそのような人の優しい心をお金に変えていたのでした。
・お客様を好きになってしまう
『アスパーガール: アスペルガーの女性に力を』https://amzn.asia/d/0WBH6pYという本にも書かれていますが、ASDと恋愛は相性が悪いです。
狭くて強い興味という基本的な特性は、モノに向かえば専門性を得ることに繋がり役に立ちますが、特定の人間に向かうと非常にまずいです。
特定の人間に夢中になり、興味が止まらないという状態は大体相手の迷惑になるからです。
性風俗業の業務内容の特性上、色恋を掛けること(お客様に好意があるかのように振る舞うこと)は欠かせません。
完全にプロに徹するか、サイコパスか、どちらかでない限り、人に色恋を掛ければ多少は情が移ると思います(私の場合は)。
また、無料で行為ができる関係に持ち込むために、あの手この手で精神的に危うそうな風俗キャストを口説くお客様もいます。
・辞めた理由
風俗嬢を辞めた理由は、単純に体力の限界が来たからです。
フルタイムの契約社員として働きながら、週1〜2日とはいえハードな箱ヘルの仕事を続けるのは、体力のないASDには難しかったです。
近所の箱ヘルなら大丈夫かと思い、再度面接を受けましたが、ずっと個人的な相談に乗ってくださっていた本指名のお客様に泣く勢いで止められ、ブッチしました。
学んだ事
短い経験から学んだ、やっておいた方がいい事を以下に記述します。
・避妊薬を服用する
生挿入がないと謳う業種であっても、お金をケチって無理やり入れてくるお客様は存在します。どの業種であってもピルを服用した方がいいと思います。
・子宮頸がんワクチンを打つ(絶対)
上記の通りリスクがありますので、子宮頸がんワクチンを打っていない人は打ってほしいです(懇願)。
・家に複数の抗生物質を常備する
かなり頻繁に病気を貰います。クリニックで検査結果を待つ時間がない(痛くて耐えられない)時のために、医薬品の個人輸入のサイトで一通りの薬を買っておいた方がいいと思います。
梅毒の検査キットも売っています。
個人輸入は法的にグレーなので自己責任で利用しましょう。
・傾聴しニーズを理解、価格分の価値を提供する
ASDが接客をしなければならない場合、人の話を聞く技術をシステマチックに学んだ方が良いと私は思います。
楽しく遊んでスッキリしたいお客様にも、優しく寄り添って欲しいお客様にも、両方使えます。
以下にお勧めの傾聴の技術を学べる本を記載します。
『共感的傾聴術:精神分析的に“聴く"力を高める』
また、以下の本が健常者の心を学ぶのに役立ちました。
『スキーマ療法―パーソナリティの問題に対する統合的認知行動療法アプローチ』https://amzn.asia/d/fInLhJq
『パーソナリティ障害の診断と治療』
おわりに
お店の女の子に迷惑になる行為をしたり、お客様の優しい心を搾取したり、私の風俗業への従事は明らかな失敗でした。後悔しています。
ただ、どのような職業、属性、国籍であっても、いいお客様と悪いお客様は半々います。会えて本当に良かったと思うお客様には今も贈り物をします(ASDあるある:やたらモノで表現する)。
そうは言っても人に多大な迷惑を掛けているので、絶対にお勧めできません。どうかASDの長所である調査能力を活かし、軽率な行動は避けて頂きますようお願いいたします。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?