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吉原遊廓

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#本の感想

大正・吉原私記

大正・吉原私記

前回に続き近現代の吉原遊廓を書いた本を紹介します。『大正・吉原私記』です。著者は吉原で生まれ育った波木井皓三(はきい こうぞう)です。

波木井皓三は1907年、吉原遊廓に生まれ、実家は吉原で大規模を誇る妓楼・大文字楼で角海老楼に次ぐ格式のある大店でした。その長男として育った波木井は家業に嫌悪を抱き吉原を飛び出し様々な経験を得て、戦後は舞台制作に取り組み大学の講師を務め、1992年に亡くなります。

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吉原はこんな所でございました: 廓の女たちの昭和史

吉原はこんな所でございました: 廓の女たちの昭和史

数多くの文学・芸術に大きな影響を与えた吉原遊廓。 1617年、幕府公認の遊里として現在の日本橋人形町付近に開設され、 振袖大火で浅草近郊に移転し1958年の売春防止法施行まで京都の嶋原、 大阪の新町と並ぶ「日本三大遊廓」の一つ、しいては日本を代表する遊廓として名を轟かせました。

 吉原遊廓に関する資料、研究書は主に江戸時代を取り上げられていますが近現代の吉原の様子を記された書物の一つが『吉原はこ

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