田中緑紅が発行した『人魚の家』創刊号
先日、田中緑紅が発行していた雑誌『人魚の家』創刊号を購入することができた。この雑誌は以前から知っていたが、なかなか入手する機会がなかったので結構うれしい買い物であった。以下に、この雑誌の写真と書誌情報を掲載しておきたい。
「玩具の楽み(一)」は玩具蒐集家の蒐集分野が紹介されており、名簿としても活用できそうである。「編集を了へて」によると、『人魚の家』は6号発行する予定であったようだ。私が調べた限りでは、『人魚の家』は国会図書館に3号まで所蔵されているが、3号以降は発行されなかったのであろうか。
ところで、掲載した写真のように、私の購入した『人魚の家』の表紙の右下には蔵書印が押されている。蔵書印の拡大写真を以下に載せておく。国文学研究資料館の「蔵書印データベース」で確認すると、この蔵書印の主は大坂美術倶楽部書記長をつとめた黒崎貞枝のものであるようだ。蔵書印データベースには、黒崎は「慶応 3(1867) 7月和歌山に生まれる」とある。この『人魚の家』は黒崎旧蔵であった。
最後に余談になってしまうが、『人魚の家』の裏表紙には田中緑紅の発行していた『鳩笛』の広告が載っている。『鳩笛』は架蔵のものがあるので、機会があればこちらも紹介していきたい。
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