見出し画像

忘れられた哲学者・平澤哲雄の編集した本を出版していた紅玉堂

 忘れられた哲学者・平澤哲雄の『直現藝術論』を出版した出版社である下出書店に関しては以前以下の記事で紹介したが、平澤の編集した『生とその影(仏蘭西箴言集)』平野威馬雄(紅玉堂, 1923年)を出版した紅玉堂も紹介したい。

国会図書館デジタルコレクションで閲覧できる『日本出版大観』(出版タイムス社, 1930年)に紅玉堂が紹介されているので、以下に引用してみたい。

合資会社紅玉堂
代表社員 前田隆一氏
明治二九年四月生
本号区森川町一
大正十年三月、東雲堂を退いて独立創業以来、主として歌学書を出版し、歌人の間に抜くべからざる勢力を扶植している。
 旧主東雲堂は嘗つて歌書の専門書肆として知られていた然るに同店が小学全科詳解に力を傾注し、営業方針が一変せられてから、旧主西村君の諒解と後援の下に其の遺鉢を継いで此方面に販路を開拓した。一般歌道精進者に取つては暗夜に燈を失ふの憾みを免れたと謂つて可い。
 昭和二年、事業上に一転機を画し、個人経営を合資組織に改めた。
 前田君は名古屋の産、震災直後『震災実記』四巻を名古屋に於て印刷発行し、奇利を博すると共に其の敏腕を称へられたことがある。

紅玉堂は前田隆一という人物が東雲堂から独立して創業し、歌人の本を中心に出版していた出版社であったことが分かる。平澤はこの出版社と何らかの関係があったのだろうか。と、ここまで調べていて以下の記事に気が付いた。もう少しウェブで調べてみた方が良かったかもしれない。。。



よろしければサポートをよろしくお願いいたします。サポートは、研究や調査を進める際に必要な資料、書籍、論文の購入費用にさせていただきます。