雑誌『土の香』翻刻版への補足への補足―『方言読本』橘正一に登場する経歴不明者たち
先日、以下の記事で雑誌『土の香』の翻刻版の執筆者紹介で経歴不明とされている人物に関して補足を行った。この記事の中で、なお詳細不明とした人物に関して、少しだけだが紹介されている本があることを礫川全次さんのブログで知った。
以下の記事で紹介されている方言研究者・橘正一の『方言読本』(厚生閣, 1937年)という本に収録されている「昭和方言学者評伝」に『土の香』に執筆していた詳細不明な人物の何名かが登場する。『方言読本』は国会図書館デジコレで図書館限定配信ながら閲覧することができるが、ありがたいことに礫川さんのブログでは「昭和方言学者評伝」の全文が紹介されている。この文章の該当箇所から確認していきたい。
池ノ内好次郎 『埼玉県入間郡宗岡村言語集』を出版して、雑誌『むさしの』の主幹をつとめる。
山本靖民 長崎県出身で神奈川県の方言を蒐集
鈴木規夫 愛知県在住
岡田稔 愛知県在住。『尾三方言研究』という雑誌の発行を検討していた。
吉町義雄 福岡県在住で九州の方言を蒐集。熊本放送局の九州方言講座で講義したことがきっかけで方言の研究をはじめた。『九州の方言』を出版。
詳細が不明だった人物が少しずつであるが、分かってきた。『方言読本』は当時の地域史、民俗学などを研究していた在野研究者を知ることができる貴重な本だと思われる。別の関心を持っている方が読めば他にもいろいろなことが分かりそうである。
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