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大阪の趣味人・村松百兎庵と加賀紫水の『土の香』

 拙noteで度々紹介している加賀紫水の編集している雑誌『土の香』は様々な人物が投稿していたが、大阪の趣味人たちも投稿している。たとえば、川崎巨泉(たとえば、第4巻第3号に投稿)、梅谷紫翠(たとえば、第2巻第2号に投稿)、以下の記事で紹介した鷲見東一が投稿している。

他にも『土の香』に投稿はしていないが、読者であったと思われる大阪の趣味人に村松百兎庵がいる。村松については、『和みのおもちゃ絵・川崎巨泉』森田俊雄(社会評論社、2010年)や大阪の趣味人の経歴が多く載っている以下のKokeshi Wikiに紹介されている。

私が確認できた範囲では、村松は『土の香』には投稿していないが、第1巻第5号(1928年8月発行)の編集後記に村松から絵葉書数組が送られたことに対する御礼が述べられている。村松は『土の香』の初期のころからの読者であったことが分かる。

 村松は『土の香』には投稿していないかもしれないが、戦後に加賀が出版した『百人一趣』上巻(土俗趣味社、1946年)(注1)に百兎という筆名で村松は「愚感」という文章を投稿している。私の持っている本には以下の写真のような蔵書票のようなものが貼り付けられている。村松は戦後も引き続き『土の香』の読者であったように思われる。

(注1)『百人一趣』については、以下のように拙noteでも紹介したことがある。上巻の目次は神保町のオタさんの記事で紹介されている。


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