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郷土玩具蒐集家・梅林新市が編集していた雑誌『雉子馬』

 以前、郷土玩具蒐集家・梅林新市が作成した郷土玩具関連の目録を以下の記事で紹介したが、その中に梅林自身が編集していた『雉子馬』という雑誌が載っている。この雑誌を1ヶ月ほど前にぬりえ屋様より何冊か購入したが、中々紹介できていなかった。今回紹介したいのは第二期一号で以下に表紙と奥付の写真を掲載したい。

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一番左の人物が梅林である。

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 『書物展望』7巻11号(書物展望社, 1937年)の「昭和時代玩具誌盛衰記」梅林新市によると、『雉子馬』は友人3人と共同で昭和九年(1934年)十月からはじめて12号まで発行したが、ほとんど梅林の個人誌であったという。発行部数は200部であった。雑誌の構成は四六倍判六号組の4項で、口絵を数枚加えたものであったようだが、私が購入した購入した雑誌は残念ながら口絵はなくなっている。この号によると、表紙絵は川崎巨泉、口絵は久留米市荘島町の小野保男という人物の自画自刻自彫の「台湾の木彫人形」だったようだ。また、詳細は不明だが、この雑誌の発行に板祐生(注1)も協力していたらしい。奥付によると、『雉子馬』の同人は梅林、高山重城、須田元一郎、木村節夫の4名である。

 この号に掲載されている文章は以下の通りである。実質梅林の個人誌であったということが分かるだろう。梅林の文章によると、1935年4月23日に達磨を蒐集していた木戸忠太郎が福岡を訪れたようである。

山口県郷土玩具補遺 梅林新市

宇佐郡の郷玩(其ノ一) 須田元一郎

第二回雉子馬座談会 雀(梅林新市)

木戸忠太郎氏を迎へて 梅林生(梅林新市)

熊本博と郷土玩具 高山重城

玩具文献紹介 梅林新市

鹿児島郷便り(一) 川邊正巳

鹿児島の玩具 梅林新市

 少し調べてみると、『雉子鳥』は合本が福岡県立図書館に所属されているが、ここ以外には所蔵されていないようである。この雑誌は貴重なものであると思われるので、今後も紹介していきたい。ちなみに、余談になってしまうが、雑誌名にもなっている雉子馬は郷土玩具であり、以下のWebページに紹介されている。

(注1)板祐生に関しては、以下のWebページを参照。昭和前期の多くの趣味人たちと交流のあった人物である。



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