戦後にも発行された趣味人・伊藤喜久男の趣味誌『蒐集時代』
以前に以下の記事で趣味人・伊藤喜久男の発行した雑誌『蒐集時代』だが、この雑誌は戦前に発行されたものである。しかしながら、最近同名の雑誌が戦後にも発行されていたことを知った。何冊か入手することができたので今回は第2号を紹介していきたい。
大きさ:約12.8cm×約8.4cm、謄写版印刷、和装本
印刷発行:昭和23年7月1日
発行印刷:大庭宗太郎
編集発行人:伊藤喜久男
発行所:東京都大田区馬込町東二ノ一〇九九番地 電話大森(06)四七三番振替東京一一八九四番大森郵便局私書函第十二号 蒐集時代社
頁数:40頁
コレクト・メニア 本山桂川
蒐集回顧(二) 木村喜久弥
新憲法壱周年記念切手批評二題 小山彰 林勇三
廃絶した猫面 川口栄三
終戦後の記念スタンプ(1) 特殊通信日附印 柘植宗澄
本誌創刊号をみて 重本光 田沼升 仁木竜雄 元満亥之助 和田博 木村喜久弥 塩田敏郎 大田龍夫
遠刈田の人々(二) 川口貫一郎
こけし界に新人待望 橘文策
編集後記
戦前の『蒐集時代』と比べると、大きさは小さくなっており、豆本サイズである。戦後すぐに発行されたにもかかわらず、装丁や紙質はよいものが使用されているような印象を受ける。「創刊号の読者の感想」によると、評判はかなりよいようだ。投稿者は戦前から活動している蒐集家たちであり、郷土玩具関係者が多い。
私にとって興味深いのは、本山桂川の「コレクト・メニア」の初出がこの雑誌であることだ。この文章は本山の『土の鈴』復刻版(村田書店、1979年)の別冊に収録されているが、初出の雑誌が言及されているもののよく分からなかった。この雑誌の現物が確認できたのは収穫であろう。
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