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雑誌『土の香』を編集していた加賀紫水の記録にない本

 以下の記事で雑誌『土の香』とともに加賀紫水の編集していた雑誌や本が他にもあったことも紹介した。しかしながら、この記事で紹介した雑誌や本以外にも加賀が編集していた本があったようである。

先日、加賀の編集した『全国官国弊社総覧』という本を日本の古本屋で見つけたので、購入した。以下に写真を掲載したい。この本には奥付がないため、正確な出版時期は分からない。緒言に「本秋御大典の盛儀を挙げさせられ」とあるので、昭和天皇の即位の大礼が行われた1928年に出版されたのだろうと思われる。本の内容は、題名の通りに全国の神社とその印譜をまとめたものである。

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 また、合本として『日本六十八國一ノ宮神社総覧』も含まれていた。こちらも写真を掲載しておきたい。『全国官国弊社総覧』には、前号の『日本六十八國一ノ宮神社総覧』に関する訂正に関する注意書きが挟まっていたので、前者よりも後者の方が先に出版されたことが分かる。また、前者の広告が後者の巻末になされていた。

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 私は、これらの本は加賀が編集した本である『国の礎』の中に含まれているものであると思っていたが、『日本六十八國一ノ宮神社総覧』の巻末に附言として「各神社の御由緒、交通、伝説、国宝、詩歌其他詳細に承知▢▢さ方は、小著、国の礎(五冊)にて御覧をお願します。」(▢は読み取り不可)とあるので、これらの本は『国の礎』には含まれていないことが分かった。上述した記事で引用、参考にした『尾西市史 通史編 下巻』(尾西市, 1998年)の「解説―雑誌「土の香」と加賀治雄」小林弘昌でも、これらの本に関しては触れられていなかった。これらの本から、加賀の『土の香』発行以前の関心が神社やそれに付随する事物、伝承などにあり、そこから様々に広がっていったことが分かりおもしろい。

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