コーヒーと映画 Vol.05
リコリス・ピザ
皆さん、こんにちは。
今日は昨日の記事でも触れた映画「リコリス・ピザ」を取り上げます。
はじめにこの映画を観た自分の率直な感想を。
B級映画としては最高。でもA級映画として観る人にとってはそんなに素晴らしい映画か?となるでしょう。そんな映画です。
何がB級で何がA級かと言われると個人的な完全に主観の世界です。
隣に座っていた映画好きそうなおばちゃんが「なんかストーリーがごちゃごちゃしてたな」「無駄なシーンが多かったな」とぼやいていました。ぼくも心の中で「見事に的を得ているよ、おばちゃん」と頷いていました。
でもそこがポイントで、このリコリス・ピザは青春映画。
無駄のない青春なんてあり得ないわけで、青春なんて無駄だらけ。
だからポール・トーマス・アンダーソン(PTA)監督は意図的にそんな青春を演出したと言えます。
この映画は、古き良き、音楽もファッションも車もカッコ良くて、タバコがさまになる時代を思い馳せる分には最高です。(スマホなんてない!)
おそらくPTAはそのカッコよさを全面に出したと感じました。
それが故に、ファッション業界や音楽好きの人からは称賛される一方で、感動的、人道的なストーリーを映画に求める人にとっては評価できない映画となるでしょう。
もちろんぼくはファッションも音楽も好きなので、その観点で観る分には十分楽しめました。
特に音楽。Clarence Carter の Slip Away がかかった瞬間、「PTAやるな〜」とにやけてしまいました。大好きな曲です。
この曲が映画で使われるのを聴いたのは、Almost Famous(邦題:あの頃ペニーレインと)以来でしょうか。
そして、この間紹介したチコ・ハミルトンのBlue Sandsという曲も抜群の使われ方をしていました。
今日はせっかくなのでリコリス・ピザで使われていた曲の中でぼくが特に好きな曲を以下にまとめます。映画館でこれらの曲を良い音質で大音量で聴けるだけで幸せでした。
↓敬愛するNina Simone。涙が出そうになる。この曲をこの7月に聴ける縁を感じます。
↓Chico Hamilton Quintetのムーディーさにはオリジナリティがあります。
↓やっぱり素敵な曲。David BowieのLife on Mars?。やっぱり泣きたくなる曲。
↓大名曲。この曲を聴くとこの曲にしかない感情が湧き出てきます。
↓レディオヘッドのジョニー・グリーンウッドがつくったLicorice Pizzaというこの映画のための曲。物思いに耽るにはもってこい。
↓Blood, Sweat, and Tearsのレコード、どこかに眠ってるな。久しぶりに聴きたくなりました。いい。
↓これまた敬愛するTaj Mahalの曲。潮風を感じます。
これ以外にも、例えばちびっ子たちがバンドで演奏している何気無い曲とかもよかったな。
こうやってサントラから曲を引っ張ってくるだけで泣きたくなります。
多分、今、青春を送っている日本の高校生には届かない映画かもしれない。
けれど、かつて青春に音楽やファッションが付随していた(今だに心のどこかにそんな青春を隠し持っている)人たちには刺さって仕方がない映画。
ちなみに映画タイトル「リコリス・ピザ」は、映画のどこにも登場しません(笑)。それがまた良い。リコリス・ピザは70年代にカリフォルニアで人気だったレコード・チェーン店とのことです。PTAも通っていたのかな。
↓調べてみると今でもLicorice Pizza Recordsは存在します。
いつかまたこの映画、ビールとピザで楽しみながら観たいです。
それにしても、ゲイリーのように高校生でマティーニはさすがに飲めなかった。
月曜日。暑いけれど、もう空気に秋を感じるようになりました。
皆さん、良い夕べを。
<今日の誕生日> 7月25日 サーストン・ムーア (1958 - )この日生まれたアメリカのミュージシャン。Sonic Youthのメンバー。
<カレンダー日本の天気> 7月25日 日本の最高気温の記録
※この本が出版された1982年の記述です。
<一日一文> 7月25日 エリック・ホッファー
<今日の英語> 7月25日
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?