
金沢ステイ・山代温泉#1|旅館編「べにや無何有」
「誕生日にみんなでカラオケに行ってみたい!」
娘のリクエストで、初カラオケをすることに。
9歳になった娘の記念すべき一曲目は、
「アリエッティーの主題歌 Arrietty's Song」
フランス人のシンガーが透き通った声で歌うあれです。
うんうん、かわいいぞ。一生懸命歌ってる。
ニコニコしながら動画を撮る、私と主人。
そんな朗らかな雰囲気の中、10歳の息子が歌い出したのが…、なんと、
「ルビーの指環 / 寺尾聰」
人生初のカラオケで寺尾聰。
し、渋すぎる…。笑
その後は安全地帯や薬師丸ひろ子を歌い、山内惠介の「恋する街角」を振りつきで歌った時は吹き出す5秒前でしたわ。
笑いを堪えるの必死、動画を撮る手が震える震える。
一応海外育ちですよね?ジャスティン・ビーバーとか。ブルーノ・マーズとか。普通、その辺を歌ったり?
お宝動画がひとつ増えました。
***
さて、本題を…。
去年の12月、石川県の山代温泉に主人と行ってきました。
「蟹じゃーーー。温泉じゃーーー。」
この日が来るのを指折り数え、どれだけ楽しみにしていたことか。
出発当日、自由人の弟が子守りをするため、わざわざ横浜から来てくれた。
話しを聞きつけた別の弟も、子連れでやってきてくれた。
私たちが居ない間、弟二人が留守を預かってくれることに。こりゃ、安心。
軽井沢から北陸新幹線に乗り、終点の金沢駅まで約2時間。
そこから特急しらさぎに乗り換え、加賀温泉駅で下車する。

「新幹線よわが町に止まれ!」と町が一丸となったP R活動により、
晴れてこの3月から、北陸新幹線が停車することに。祝!


Lady Kaga!!

山代温泉、山中温泉、片山津温泉の三つの温泉街と、
九谷焼・山中漆器の伝統工芸品が観光資源。
さてさて、駅からお迎えのマイクロバスに乗って、旅館へ。
到着した興奮もあり、ものすごい元気な私たち。
▪︎加賀山代温泉
べにや無何有 むかゆう
〒922-0242 石川県加賀市山代温泉55-1-3

一昨年の冬、北陸の蟹が食べたくて探した「べにや無何有」
ルレ・エ・シャトー(Relais & Châteaux)の加盟ホテル。
これはお食事に期待できるんじゃないかと家族四人で訪問したところ、満場一致でフォール・イン・ラブ!!
なのに、今回は子供たちはお留守番!
許せ、君たちには贅沢すぎる。
ということで今回は「こちらに泊まるコトが目的」で石川県までやって来た。






露天風呂付き 和室







苔はかわいい。

パンフレットにこう書いてあります。
----------------からっぽのなかの豊かさ
荘子に「虚室生白」という言葉があります。
部屋はからっぽなほど光が満ちる。何もないところにこそ自由な、とらわれない心がある。
「無何有」はそんな荘子のとくに好んだ言葉で、何もないこと、無為であること。「無何有の郷」という風に使います。
そこでは普段の価値観がひっくり返される。何の役にも立たないと思われるものほど、豊かな存在なのだというわけです。
たとえば路傍に巨木がある。曲がりくねって材木としては役に立たない。ところがその故にこそ大きく育ち、道行く旅人に日陰を与えてくれる。
まるでぽっかりあいたスケジュール表の余白のような時間。からっぽだからこそ自由に満たされた時間。一見役立たずな巨木の木陰のやすらぎ。
そんな想いが「無何有」という名にこめられています。
からっぽのなかの豊かさ!!余白のような時間!
このあとは、丁寧な〇〇と続きそう。
贅の極みのような素敵なコンセプトにハートマーク全開。
なのに貧乏性の私は早く館内を回りたい、ショップもチェックしなきゃ、内風呂も大浴場も早く入りたいと、心はそわそわしっぱなし。
チェックインして、温泉で汗を流し、身支度整えたらすぐに夕食の時間がきてと、一泊はなかなかどうして忙しい。
「連泊されるお客様もけっこう多いですよ。最長1週間した方もいましたね。」
そうだろう。本当の意味で「虚室生白」を体験したかったら、一泊では足りない。
熱湯コマーシャルの早着替えばりに、そっこう浴衣に着替えて部屋を出る。

大粒のあられが降ってきたので断念。




ここにある本は、借りられるだよー。
あ、そうか。
もうこんな時間だ、温泉行かなきゃね。
「じゃあ、後ほどー!部屋で集合。」
去年の年末リニューアルされたばかりの温泉大浴場が、「どうした?」ってくらい素晴らしかった。
誰もいないお湯に浸かりながら、そっと目を閉じる。瞑想。天国。


日本でのブームに乗り遅れ、サウナはいまだ未知の世界。
「整いました」
いつか言ってみたいセリフ。
けっこう長く入ったなと思いながらいそいそと大浴場を出て、階段をひょいひょい上がっていったら、前にゆっくり歩くおじさんが。
と思ったら、茹で蛸になった主人でした。
「いやーー、最高でしたねぇ。」
ご飯編へと続きます…。