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ストレス社会を生き抜くための知識


ストレス社会といわれる現代。「ストレスなんてありません」という人は、ゼロではないにしろ結構少ないんじゃないでしょうか?個人的には、通勤のストレス、座り続けるストレス、仕事のストレス、悩むストレス、迷うストレス…無数に出てきます。そして一般的にはネガティブに考えられるストレス。皆さんはストレスをどう解釈しているでしょうか?

こんな研究があります。「習ったことが分からなくて、混乱した状態を脱した学生は、最初から理解した学生よりもその後のテストで高い点数を獲る」「100歳以上の高齢者は、日常的に老化の恐怖と向き合う人が多い」「午前は不機嫌だったのに、午後に機嫌が回復した社員は、一日中上機嫌な人より仕事への集中力が高まる」「強いストレスと、強い喜びを交互に体験した人のアイデアは、ずっと幸せな人より9%創造性が高くなる」「試練にともなうストレスは、モチベーションを高める効果がある」

20パーセントのネガティブ優位性」とは

約80パーセントの時間はポジティビティを感じ、残り20パーセントのネガティビティを有益に使える人

の特性を指します。感情とは一時的なもの。ポジティブもネガティブも含めた広範囲の心理状態を受け入れる能力を身につければ、人生の出来事に効果的に対応することができます。私たちは快適さを求めすぎ、快適中毒だと言われています。快適さが簡単に手に入るので、不快感を避ける傾向が強まってきました。

玉ねぎ、ブロッコリー、ニンニクなどには、害虫を寄せつけないための「毒素」があります。渋味、辛味、酸味、甘味といった野菜や果物の「毒素」は、人間にとっては適度なストレス。運動は、身体にストレスを与えて筋線維を破壊、タンパク質によって補修されて筋肥大が起きます。細胞は適度なストレスを課されると、将来の危機に備えて抵抗力を増し、フリーラジカルを減らすことが分かっています。ワインなどに含まれるポリフェノールは、体内で少量の毒素として働き、体内に軽度の炎症を引き起こします。炎症に反応して人体の抑制システムが起動し、肉体のダメージを修復。ダメージの修復プロセスでさらに肉体が若返ります。

ケンブリッジ大学では、学生を対象に「苦痛と成長」の関係を調べた研究があります。ネガティブ体験には認知のコントロールスキルを発達させる働きがあって、苦境をくぐりぬけた人の多くは回復力を手にいれますが、これを「心的外傷後成長」といいます。ルワンダ虐殺の悲劇は肯定できるものでは決してありませんが、全体の39%の人が、事件後に「前向きな気持ちになった」とポジティブな変化を報告しました。人間の精神の柔軟さを示す貴重な事例です。

オートファジーとは、古くなった細胞を内側から新しく生まれ変わらせる仕組み。食べ物によって得られた栄養が充分にある状態では、オートファジーはあまり働きません。オートファジーは、身体や細胞が強いストレスを受けた際にも生き残れるよう、体内に組み込まれたシステムであり、細胞が飢餓状態になったときや低酸素状態になったときにこそ、働きが活発化します。

空腹の時間が長くなればなるほど、体内の余計な脂肪が分解され、減っていきます。16時間断食を毎日続けている私も、かなりの脂肪がなくなって身体が引き締まっていくのが分かります。血液中の脂質が減って、圧迫されていた血管が解放されると、血液中の糖質も20%程度低下するともいわれています。空腹のストレスはもはややめられません。

ストレスは、できれば避けたいものですが、上述のとおりさまざまな利点もあります。だからといってストレスをすべて肯定するとか、受け入れるべきとは決して言うべきではありませんが、多少のストレスは成長に欠かせないことも一面の事実。現代社会においては知っていて損はない知識だと思います。

久保大輔




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