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欠点に直面しているときこそ、自分に優しく

今日は日曜日。休日だった方も多いのではないでしょうか?ところで休日を過ごされた方に質問です。今日は何時に起きましたか?事前に休日の計画を立てていたでしょうか?そして計画はどの程度達成できましたか?実は私、最近生活が乱れてきて、夜をダラダラ過ごして朝がしんどい、という日が続いていました。一年前の今ごろはどうだったかと、手帳を開いて見てみると、規則正しい生活、運動と読書といった第二領域を課した上でタイムマネジメントをして大量の仕事をこなしていました。「これはまずい」と、今日は休日ですが朝からあれこれ計画していたことを一つずつこなす1日を過ごしたわけです。

とはいえ、ダラダラ過ごすことは悪いことではありません。「今日はダラダラする」と決めていれば、思いっきりダラダラすべきだと個人的には思っています。できれば避けたいのは、ダラダラしようと思っていなかったのに、ダラダラしてしまったというケース。こうなると自尊心が傷ついて自分を責めてしまいます。自分を認めること。これは「自分は修正されなければならない存在ではなく、優しさを受けるに値する価値ある人間である」と脳に認識させる上で重要なことです。

人類は、恐怖や不安に直面すると「逃げる」か「戦う」かを瞬時に判断、行動することで自然の淘汰をかいくぐり今にいたるまで生存を続けてきました。扁桃体や脳下垂体は、血圧やアドレナリン、コルチゾールを高めるように信号を出して、脅威と向き合うか、脅威を回避するためにエネルギーを動員します。目の前にライオンが現れたら、斧を持って戦うか、一目散に逃げるか。ところが長い時間をかけて高まったコルチゾールの水準は、一方で喜びを感じる多様な神経伝達物質を除去して、うつ状態を引き起こすようにもなりました。必要以上に、不安や恐怖を感じ続けると、精神的にまいってしまうということですね。

まじめで誠実な人ほど、失敗やミス、できない自分に厳しく接してしまいがち。完璧主義とまではいかなくても、レイク・ウォビゴン効果によって防衛的に自分自身を批判したり非難したり。自分が他者より優れていると思うものを探し出そうとする一般的な傾向によって、他者を否定的な観点から見て自分が相対的に優位に感じる傾向を「下方への社会的比較」といいますが、他者の悪い点ばかり意識を注いだ場合、私たちのものの見方は否定的になってしまう。「他者が批判する前に、防衛的に自分を批判する」のはこのためです。だから多くの人は、自分自身のミスや失敗に厳しくなってしまうんですね。

なぜ、いつも自分を批判的に評価してしまうのか、そのメカニズムを知れば逆に「自分を認めてあげる」ことが効果的に思えてくるし、実際に心理的に有効な作用をもたらす可能性があります。優しい言葉によってオキシトシンが放出して、安心感をうみ、痛ましい感情を慰めて、心臓血管に負担をかけるストレスを鎮静化させる効果があることは多くの実験で明らかになっています。欠点と直面しているときにこそ、自分に優しくすることで苦しみを低減することができるわけです。

明日は祝日。やらなければいけないことが頭の中にたくさんあるかもしれませんが、今までがんばってきた自分を認めてあげて、許してあげて、思いっきり羽を伸ばして贅沢に時間を使ってもいいのではないでしょうか。セルフコンパッションといわれる、このような行為によってストレスや抑うつに抗してみてはいかがでしょうか。と、自戒を込めてまとめておきます。

久保大輔




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