〈スペシャルティコーヒー入門 11〉コーヒー店としての自家焙煎の意味
今回のnoteでは"コーヒー店"という立場から見た、自家焙煎の意味ついて考察します。
■スペシャルティコーヒーの定義としての自家焙煎
スペシャルティコーヒーの定義において、豆の焙煎は非常に重要な意味を持っています。
コーヒー店は、これを "自家焙煎で行なうかどうか"という選択をするわけですが、必ずしも自家焙煎という選択肢を選ぶ必要はありません。
なぜならば、スペシャルティコーヒーの定義は『From seed to Cup』であり、カップに注がれたコーヒーが、ある一定品質のもと提供されたものであれば"スペシャルティコーヒー"と呼べるからです。
つまり、焙煎がどこで行なわれようとも、その腕が確かならばスペシャルティコーヒーとなり得るのです。
◼︎自家焙煎をする最大のメリットはお店の個性表現
『自家焙煎』というと、美味しいコーヒーが提供されるというイメージですが、実は”自家焙煎しているかどうか”と、”そのコーヒーが美味しいかどうか”とは、直接の関係がありません。
コーヒー豆を美味しく焙煎するには知識と経験が必要になりますが、逆に言えばそれらに加えて焙煎機などの環境が揃えば、どこで誰が焼いてもある程度のクオリティで焙煎をすることができます。
ですから、焙煎される場所が自店なのか他社なのかというのは、美味しさとは直接の関係はないのです。
(※無論、どこのだれが焼いたかわからない豆は、スペシャルティコーヒーという枠から外れます)
では、コーヒー店として自家焙煎を選択するメリットは何でしょう?
それは、お店の"個性表現の幅"にあります。
『当たり前に美味しいコーヒーを提供する』ということを大前提とした上で、お店の個性をいかに表現できるか。
それこそが自家焙煎を選ぶ最大の理由となります。
自家焙煎のコーヒー店における"個性表現の幅"とは、生豆のセレクトから始まり、その豆のポテンシャルをカッピングによって把握、そして豆ごとに持っている長所をいかに最大化するかを考えて焙煎を行うことです。
優れたスペシャルティコーヒーのロースターには、生豆の品質を見極めることができ、それを活かすための知識と技術を持っていることが大切だと考えます。
■自家焙煎だから品質が良いというわけではない
重ねて触れますが、自家焙煎とコーヒーの味の品質は関係がありません。
しかしながら、それは言い換えると自家焙煎でも品質が悪くなってしまうこともあるということも意味します。
どんなに良い生豆でも、その後の焙煎できちんと味を引き出し、しっかり抽出・提供されなければ、"スペシャルティコーヒー"とは呼べません。
つまるところ、自店に腕が立つロースターがいなければ、どんなに良い生豆を仕入れても美味しいコーヒーは提供出来ず、その先にある個性表現にたどり着くことはできないのです。
■自家焙煎のスペシャルティコーヒー専門店として
THE COFFEESHOPでは、焙煎士がカッピングとサンプル焙煎を繰り返し、品質とユーモアを兼ね備えたコーヒー豆だけを買い付けています。
焙煎では、対象の豆の特徴・ポテンシャル・焙煎日の気温・湿度・気候など、様々な要素に細心の注意を払いながらコーヒーを焙煎しています。
我々がもっとも重視していることは、「また飲みたい、ずっと飲みたい」と思えるコーヒーに仕上げること。
常に飲み手を想像し、日々コーヒーと向き合っています。
THE COFFEESHOPについてはぜひ以下の記事も合わせて読んで頂けると嬉しいです。
THE COFFEESHOPではお客様とコーヒーの出会いが最上のものとなるよう、お客様にとって最適な抽出スタイルをご提案しています。
ぜひ当ショップで、”お気に入りのコーヒー"と"お気に入りの抽出スタイル"を見つけてください!
今回も最後までお読み頂き、ありがとうございます!
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?