〈スペシャルティコーヒー入門8〉生豆はほぼ無味無臭? コーヒーの味と風味は焙煎によって作られる
焙煎する前のコーヒー豆は、味も香りもほとんどないということ、ご存知ですか?
コーヒー豆は、焙煎することではじめて抽出できるようになり、ドリンクとして味わう事ができるのです。
■改めて"焙煎"とは?
コーヒーは、"豆の産地"や"農園"によって味や風味が異なります。
しかし、その味の違いを感じるには、生豆の状態では困難です。
前述したとおり、コーヒーの生豆は青臭い香りがあるぐらいで、
口に入れて噛んでみても、石ころのように硬く味もほとんどありません。
そもそもコーヒー豆は、コーヒーノキの果実の種ですから、硬いのは当然のこと。
ではこの硬く味のない"生豆"、どうすれば"コーヒー"になるかというと、『焙煎』という工程が必要になります。
焙煎とは簡単にいうとコーヒー豆を乾煎りする事です。
もっと科学的に表現するならば以下のような説明になります。
この『焙煎』という工程で、コーヒーの味と香りの大枠が出来上がるのです。
■焙煎士の仕事は、"コーヒーの特徴を最大限引き出す"こと。
コーヒーの生豆は焙煎されることで、『酸味』『苦味』 『香り』など、コーヒーとしての味を引き出されます。
焙煎士は、生豆の産地や状態からその特徴が最大限引き出されるであろうポイントを見極め、焙煎を行っています。
それだけでなく、その上でお店としての個性を加えるため、焙煎という工程でもその技術や手法は千差万別。
もちろん、スペシャルティコーヒーの概念である『From seed to cup』の考え方においては、焙煎以前の生豆の状態でのポテンシャルは最も重要です。
生豆として素晴らしいものであることを大前提とした上で、この焙煎工程こそが、コーヒー豆の味を決める最も重要なファクターなのです。
■焙煎士になるには?
焙煎士は特に資格などはありません。
しかし、コーヒーの味を決める重要なポジションであるため、ある程度の経験が必要となります。
主にこの3つが経験を積むための選択肢になるでしょうか。
焙煎士は職人ですから、修業期間は決して短いものではありません。
自家焙煎のお店で働くと言っても、いきなり焙煎をさせてもらえることも滅多にないと思いますので、まずはセミナーなどを受講して経験を積むのがいいかもしれません。
焙煎士を目指す方は、自身のキャリア形成をよく考えた上で、どこでどう学ぶかを決めたいものですね。
今回も最後までお読み頂き、ありがとうございました。
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