積読未満
わたしの仮想書棚には数百冊の積読未満がある。
気になっている本、読みたい本はあるだろうか。
それはあなたを待ってくれている本だ。
あなたに読んでもらいたい、その順番を待っている本たち。
あなたの前に並んでくれている行列なんだ。待ってくれている本がいて「おまたせ、今から読むよ」って、そういうつながりが読書じゃないだろうか。
仕事でつかれて帰ってきて、あったかい食事とやさしい声が聞けたらいやされる。
待ってくれている人がいるのは幸せなことだと思う。
読書も同じで、待ってくれている本があるのはすばらしいこと。それだけで十分だと思う。それを積み重ねるのが積読未満だ。
そう、積読未満は、あなたを待っている本の行列だ。
積読は減ったほうが良いと思う。けれど積読未満は増やしたい。むしろどんどん行列を長くしたい。
本には賞味期限も消費期限もないからだ。
絶版で手に入らなくなる本がある。病気になって本が読めなくなる。
でも、それは期限じゃない。そうなったときに考えればいい。
そうなったらいくつか方法がある。絶版本は図書館やインターネットで探せるだろう。読めなくなったらオーディオブックで聞くのはどうか。
いつだって解決策は見つかるもんだ。
たしかにこども向けの本はこどものときに読んだほうが良い。
学生向けの本は学生時代にであえるとすばらしい。
ただ、おとなになってから絵本を読むことだってあるし、学生がならう数学をやりなおしたいと思って教科書を読みなおす人だっている。
そう、本は待ってくれている。読むのを忘れても、数年書棚においていても、そこでじっと手に取られるのを待っている。
期限なんてない。いつだって今から本は読める。どんな本でも読める。
・・・・・・ただ積読は、はやめに読んだらいいと思う。
たとえるなら連絡先を交換したのに次の行動に移せていない知り合いのようなものだ。遊びに行くなりデートに行くなりしたいと思っているが、向こうは受け身なタイプ。だからこっちから話しかけて誘わないとダメだ。
そりゃあ待ってくれるだろうけど「はやく読んでほしいな」と思われているにちがいない。
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