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「食べない心」と「親の心」を読んで(読書感想文#1)

初の読書感想文。ヘビーな題材。

読書感想文の最初の1冊目から、摂食障害というヘビーな本を選択してしまいました…。たまたま現在、読んでいたためにしても、ですね。私は対人支援職の初学者のため、心理関係について勉強を始めたところなのです。

本書では、摂食障害の方の心理・回復の様子が描かれています。

摂食障害の原因

その原因をものすごくざっくり纏めると、以下のような内容です。

脳は3歳までは海馬が未発達で長期記憶ができない。
7歳からは自力で生き延びる気力・体力ができる。
4~6歳は長期記憶ができ、かつ保護されなければ生き延びれない年齢。
この年齢期に親から見捨てられる危機感があると、「親離れ」中枢にプログラムミスが起き、視床下部が暴走する。親離れ時期に、摂食中枢や満腹中枢が正常に働かず、摂食障害になる。

「食べない心」と「親の心」:小野瀬 健人 著 (要約)

医学的根拠が分からなかったので、実際にこの仕組みなのか正直不明ですが(私の勉強不足もあります)、著者によると「子どもの頃の親との関係」がどの事例でも大きく影響しているようです。

子ども本人にとって恐怖かどうかが関係する

びっくりしたのが、親同士の喧嘩や、親の家の外と中での態度の違いなどが、子どもの恐怖心に繋がり、発症原因になる事例もあるということでした。

読み進めるほど、「普通の家庭って何なんだろう、健全な親って何なんだろう、そんな完璧な家庭などあるのだろうか・・・」と思ってしまいました。

自我が欠落し、自分の好きなものがよく分からない、周囲の気遣いばかりして怒っている人がいると自分のせいじゃないかなと思う。こういった部分は、自分の小さい頃にも覚えがありますが、4~6歳の頃に何か原因があるのでしょうか?思い当たりません。

摂食障害から回復すると、生きていることが幸せ?

また、回復した後の展望や、著書ならではの愛情等に関する定義が興味深かったです。

愛情が不足した状態とは、理解が不足した状態です。

回復したら、生きることを心から楽しめるようになる。

自分の助けを必要としている人のために頑張るという目標があれば、諦める訳にはいかなくなる。

社会的自立とは、無償で助けたり助けられたりする関係を、どんどん広げていくこと。

「食べない心」と「親の心」:小野瀬 健人 著 より

そうなんだ!と思うと同時に、そうなのかな?と感じます。

障害から脱すれば、そのまま生きることが楽しくなるのかな?他者貢献が、生きる軸になるのか?障害になった経験のない方も、そこまでまっすぐに生きる意味は見いだせないような気もします。障害だけ取り除いたら、根本は残ったまま、どうなるんだろう。それとも、障害から回復するからこそ、このような人生観が見いだされるのでしょうか。

気持ちへ理解が深まり、そして分からないことが広がった

知らないことが多く、読んでみて衝撃的でした。それぞれの方のお気持ちについて、なるほどと思う点が多かった。それと同時に、各事例のドキュメンタリーと認識した方がよいのか、一般化して考えてよいのか、分からなくなる部分も多かったです。

脳の仕組みや、障害に関する自分の知識不足も感じたので、今後は愛着障害の本なども少しずつ読んでみたいと思います。
ここまで読んでいただきまして、どうもありがとうございました。

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