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お店とは、譲れぬ思い、願う奇跡、不発の例え
昨日みたいな事を書くと、『いやいやお店なんだから勢』が湧いてきます。
いやいやお店なんだから親切に。
いやいやお店なんだから優しくしないと。
いやいやお店なんだからお客様第一。
お店が主語の人はこの考えでしょう。
飲食で働いた事のある人と無い人との差は、ここにあると思います。
『ハード』か『ソフト』か。
働いた事のない人は、お店をハードだと思っていて。
働いた事のある人は、お店をソフトだと思っている。
iPhoneと思うか、アプリだと思うか。
うーん、分かりづらいな。
ハード派を貶めたいのにiPhoneだと良い物に見えてしまうし、ソフトを人と変換できる人がどれぐらいいるか。
お店だからという主語は、お店をやってる側からすると厄介で。
僕らは折り合いをつけてるんですよ。
そういった勢力の方々とも。
ラーメンチャーハンセットを二人でシェアするような人や、テラスで他のお店のコーヒーを飲むような人に対しても。
「来てくれてるから」
このありがたさはあるし、他の人の迷惑になっていなければと思い込む努力はしてるんです。
ただ、だがしかしなのです。
接続詞が二個並ぶ程なんです。
余りにも我々は優しくしすぎたのかもしれません。
お客さんを喜ばす為ならどんな事でも。
これが当たり前のサービスだと勘違いしてる人を生んでしまったのです。
まるで、チュールを与えてしまった子猫のように。
うーん、この例えも届いてない気がするぞ。
「お店とは誰のものなのか」
お店によって答えが違うと思うのですが、「お客様のもの」と、お客様側が言うのは違うのではないかと。
お店側が「お客様の為」はいいと思うけど、逆からは無し。
ルールを決めるのは、お店の人。
異論は認めません。
なぜかと言うと、お客さんは自分の事を考えるでしょ?
利他より利己。
だから、「スコーンとドリンクは水で」みたいな注文をするし、「ベンティの抹茶フラペチーノ。ストローは二つ」みたいな事も平気でするんです。
「おかしくなくない?」
そう思ったとしたら、あなたは『いやいやお店なんだから勢』です。
知らず知らずのうちに『お店とはお客様のもの派閥』に加入してるんですよ。
そういった人と、僕ら『お店の人連合会』が、分かり合う事はないでしょう。
言うならば、ノエルとリアムのように。
15年かけたら手を取り合えるかもしれないけど。
いつか奇跡が起きる事を願います。
お店はお客さんがいないと成り立たないのは事実ですからね。