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前の前の段階
飲食をやっていないお店が、その場所で飲食を始めようとして。
ただ、許可を取らずに進めていた為、直前になって出来なくなり。
その顛末を少し悲哀を感じる文章にして発信していたのですが、何を当たり前の事をと思ったのです。
でも、この当たり前は僕が飲食をやってるからな気もして。
最近はポップアップの出店が増えているから、簡単に誰でも出来ると勘違いしてしまうのも分かるなと。
昔、Airbnbが流行り出した頃に、同じような事が起きたのを思い出しました。
時間をかけて、お金をかけて、ルールに則った設備投資をした人が、「素人が無許可でやれるなんておかしい」と嘆いていたのです。
その業界を知らない人には簡単に見える事も、知っている人からすると違う事があり。
例えば飲食で言うと、二層型のシンクを付けてないとお酒を提供出来ないとかね。
(今は変わったのかな?)
分かりづらい役所の資料を見て、カタログと睨めっこして設備を決め、夢と現実、予算と貯金を考えながら決断し。
やっとこさ許可を貰える事が、何も知らないからといって、全てをすっ飛ばして始められると、内心穏やかではないのです。
ずるいなのか、ちゃんとしろなのか、舐めるなよなのか。
頭が固いと思う所もあるけれど、それなりの理由があってルールが決まっているので、新しい業態に挑戦するなら調べるのが当然だと思うんです。
他がやってるからとか、その日だけだからとか。
自分への言い訳は置いといて、グレーのままやるのも気持ち悪いと思いますしね。
怒られたらやめればいい。指摘されたら直せばいい。
人の口に入る物を提供するなら、そのスタンスのままいくといずれ事故が起きるかもしれません。
その中には後悔しても遅いような、償っても許されないような事もあるんです。
気軽に始められる商売ですし、見た目は軽いといいますか、僕なんて真面目さがちっとも滲み出ないのですが、それでも心の中にはあるんです。
頭で分かるのと、心で理解するのとでは、全く違います。
この差は、現場に立ってないと身につかないかもしれません。
だから、知らなかった、分からなかった。は、前の前の段階ですね。
飲食を始める事の。
ルールとマナーはどんな業界だろうと守らなければいけないのです。
だから、「止めてもらえて良かった」と、感じていたらいいなと思うのでした。