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読書感想文 『なぜ世界は存在しないのか』
キッカケ
著者マルクス・ガブリエルに興味を持ったのは、Youtubeにあがっていたテレビ局の取材・ドキュメンタリー動画から。
その動画で共感できたのが倫理資本主義である。
詳細は動画に譲るが、良いことをする、ということと商売をする、ということが同時に達成される・できるという思想が僕は好きです。
相反するものではなく。
ちなみに、ドイツ人の著者は哲学界のロックスターと言われているらしい。
本書は増版されていて、評価も多いので、とりあえず読んでみた、という感じである。
気づき
”なぜ世界は存在しないのか” という問いの答えだが、3割くらいしか理解できず、簡潔に言語化するの困難。
ものすごく噛み砕くと、”世界” を定義できる人いる?みたいな話かと解釈できる。
例えば、本書を参考にすると ”宇宙” は物理学の領域で語れる最も大きな対象というのは理解できると思う。
ただ、物理学で ”世界” すべてを語るのは難しいだろうと。
なぜなら、世界、という表現には国家や宗教の話も含まれるが、物理学で国家のことを語り切るのは到底できない。
同様に経済学で宇宙を語るのも難しいし、心理学でもそれは困難。
”世界” はいろんな切り口によって語れるので、一つとして定義ができない。
定義できないということは、存在しない、みたいな感じかと。
ただ、著者が本書で言いたかったことの本質はこれではないと思う。
執拗に、自然科学や物理学では世界を語りきれない、という部分を推していたので、唯物論者を牽制したかったのではないか、と思う。
それはつまり、計算や予測だけではこの世の中は成り立たない、という倫理資本主義にも繋がるのでは、と感じた。
やること
環境問題や倫理的な生産・消費に関心が高まっている中で、注目されるべくして登場した哲学者だと感じる。
若干やすい帰結だが、何かを語るときはいろんな面から見ることと、相手とその話の領域を合わせることが大事なんじゃないかと。
(晩ご飯をどうするかの話で、物理を持ち出したら嫌われるだろう。僕は嫌いじゃないけど。)