【横断 #20】福祉事業所の可能性を広げ続ける起業家
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野中 翔太さん
「ADHD(注意欠如多動症)傾向があって、接客がダメなんですよ。セルフのガソリンスタンドもクビになったぐらいですから(笑)思考がまとまらず、話ながらパニック状態になっちゃう」
「製薬企業の営業として、全国トップセールスでした。薬を売るより、その地域のために何ができるかを考えて営業していました」
二つとも同じ野中さんの話である。しかし、二つの間には「人より喋れないから、人の5倍努力した」成果がある。毎日毎日、二棟三棟と、ビルの全てのドアを訪問して名刺交換を試みてメンタルを鍛え続けた。
疾患名が付いても、「できないことをできるようにしたい」という考え方。得意か苦手かではなく、「できる限り努力してやり切ること」で結果がついてきた。
そうした努力の上に、誤解を恐れずに言えば、ADHDの特性と言われる多動性や衝動性が良い形で発揮されたのかもしれない。「いつも何が必要かを考え、それにそのまますぐに応える」ようにキャリアを歩んだ。
製薬会社の営業として地域の在宅医療から介護の現場も目にするようになり、「介護の方が制度が新しく、課題が大きい」と感じ、介護Saasのメガベンチャーに転じた(注:Saasとは、必要な機能を必要な分だけサービスとして利用できるソフトウェアの提供形態)。
そのメガベンチャーは介護人材の紹介事業も手掛けていたが、介護現場を一層知るにつけて、第三者の”紹介”に頼らずに事業所が自ら”育成”する必要性を感じ、次は人材育成を手掛けるe-learningの会社に転じた。
e-learningの会社では福祉領域でのセールスやマーケティングの人材も育成したが、育成しても、必ずしも福祉以外の領域にまで情報が届いているとは思えなかった。
そうした経緯や想いを経て、「福祉のことが分かって、セールス&マーケティングができる」野中さんが起業したのが、uniple株式会社だ。”情報発信の仕立て屋”として、福祉事業所の仕事への想いを外部に伝えるサポートに取り組んでいる。
起業をしたと言えど、事業の目標は、拡大ではなく、あくまで「会社としてご飯が食べれる範囲で、どれだけの事業所の担当者を育てていけるか」に置いている。ずっとサポートして儲け続ける気もなく、逆に事業所には「1年間しかサポートしません」と担当者の成長を促している。
サポート内容も地に足がついている。発信は、おしゃれなSNSからではなく、「なぜ?誰に?どこに住んでいる人?何歳ぐらい?その人はいつスマホを見るの?など、当たり前のことを当たり前に深堀する」という簡単なようで難しいことができるように人を育てる。
事業所の立場からすれば、情報発信に加算がつくわけでもない。だから、取り組む余裕がなくなってしまう。でも、それで人材紹介など外部業者に任せて、採用してもすぐに離職してしまう状況は考え直していかないといけない。
野中さんはそんな状況を粘り強く変えていっている。
野中さんには、「福祉のことが分かって、セールス&マーケティングができる」プロとして、さらなる夢がある。
福祉事業所では、障害のある当事者の方が様々なものを創作している。最近では「障害者アート」という言葉も一般的になった。野中さんは、”障害者による創作”ではなく、障害の有無にかかわらず誰もがそうするように、「ちゃんとその人のセンスや素材を磨いて、もっと売れるものにしたい」。そして、一緒に「海外に展開していきたい」
そして、野中さんは、もっと先の世界も見ていた。
「これからは、AIによって、自分との比較や時間効率を考えて神経がすり減る時代が来る。AIが加速すればするほど、逆に、人が人らしくあることに重きが置かれる。その点で、福祉は人が人らしくある、最たる仕事。福祉の強みは”待てる”ことで、間違えても受容してくれ、その人のペースで一緒に歩いてくれるんです」
AIこそ、最も遠いと思われがちな福祉の価値を大きく引き上げてくれる。そんな未来は面白すぎる。
ここまで読んでくださった皆さまに‥
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