【こころ #71】個性を大切に人生に伴走する教育サービス
⭐ ファン登録のお願い ⭐
Inclusive Hubの取り組みにご共感いただけましたら、ぜひファン登録をいただけますと幸いです。
このような障害のある方やご家族、その課題解決に既に取り組んでいる研究開発者にインタビューし記事を配信する「メディア」から始まり、実際に当事者やご家族とその課題解決に取り組む研究開発者が知り合う「👀ミートアップ👀」の実施や、継続して共に考える「🤝コミュニティ🤝」の内容報告などの情報提供をさせていただきます。
🔽 ファン登録はこちら 🔽
和泉 早苗さん
かつて、知的障害のある子は『養護学校(現在の特別支援学校)』に通い、地域生活を送る上で必要な食事やお金や体調管理といった自立訓練を受けることが主だった。でも、子どもは「学びたい気持ち」に、親御さんは子どもに「学ばせたい気持ち」に溢れていた。
そんなニーズに応え、地元の公民館を借りるなど、地域の教育ボランティア活動として始まったのが『さくらんぼ教室』だ。1990年のことである。
それから34年間、『さくらんぼ教室』は、勉強が苦手な子、コミュニケーションが苦手な子、『発達障害』のある子など、そうした概念が一般的でない頃から、いろいろな個性をもつ子どもの力を伸ばすことに向き合い続けてきた。
その結果、現在『さくらんぼ教室』は、首都圏に14教室を構え、生徒数は3200人にも及ぶ。それらの教室を取りまとめているのが、『さくらんぼ教室』を運営する株式会社Grow-Sの和泉さんだ。
和泉さんは特別支援学校の教員免許もお持ちで、もともとは学校教育現場を目指していた。しかし、通常クラスへの実習機会にある経験をしたことで、方針を変える。
「通常クラスの中にも、かみ砕いて教えてあげれば、もう少し丁寧に声をかければ、変わるお子さんがいる一方で、先生側も一人ひとりに手をかけたいけれど物理的に難しいという葛藤も見えた」
それなら民間の企業だからこそフットワーク軽く支援することもできるんじゃないかと、『さくらんぼ教室』に新卒で飛び込んだ。
当時はまだ株式会社化する前。教材も、子ども一人ひとりに、学びのスタート地点からステップまで「手書きのオーダーメイドでプリントを作成していた」。
そんな姿勢に、親御さんから「子どもに合った学び方で教えてくれる」といった評価が高まり、学校教育相談や医療や福祉に出向くハードルが高くても「塾なら行かせられる」といったご家庭にも多く広まっていった。
『さくらんぼ教室』の生徒は小中学生が中心であるものの、幼児から社会人まで在籍し、「10年20年通い続けている生徒もいる」。そこには、「受験に合格して終わる教育ではなく、人生に伴走する教育」がある。
例えば、子どもにとっては、担任が変わる環境の変化に影響を受けることもある。親御さんにとっては、子どもの能力を信じて諦められない中でも、特別支援に踏み切ったり、社会に出たり、迎える「人生のターニングポイント」がある。
和泉さんは、ご自身の仕事のやりがいを、「親御さんと一緒に見守り考え乗り越えていく(第三者ならぬ)2.5者の距離感で、お子さんの成長に立ち会えた瞬間」と表現する。
そんな『さくらんぼ教室』には、全国から問い合わせが届く。本来であれば「各地域のすぐ近くに同じような場所をつくっていきたい」が、そう簡単にはいかない。
例えば、子どもたちに向き合う人材だ。日々浴びるように個性を感じ、それをエネルギーに変えていける人材が育つには時間がかかる。
オンラインにチャレンジしたこともある。しかし、やはり「直接会って、その日の調子を見て、手元の動きにも目を配ることが大事」という信念を全て発揮することは難しい。
教育や福祉の制度の枠外で、非営利ではない民間企業として、お金をもらい自信をもってサービスを還元していくためには、どうしても「年に1、2教室出せるかどうかという成長スピード」になってしまう。常に全国からの期待に応えられないジレンマがある。
それでも、和泉さんは、『さくらんぼ教室』に通う子どもに笑顔を生むことを通じて、「個性が持つ面白さや素晴らしさ、そして成功事例を社会に伝えていきたい」
「例えば、ASD(自閉スペクトラム症)の診断をもらったからといって何かが解決するわけじゃないですよね。それ以外の色々なものが混じって個人はできている。障害じゃなくて、ニューロダイバーシティ(注:特性の違いを多様性と捉えて社会の中で活かしていく考え方)。そんな考え方がもっと社会に広がってほしい」
『さくらんぼ教室』を運営する株式会社Grow-Sの「S」は、Special/Study/Smileを表す。輝く個性とそれに応じた学び、そこから生まれる一人ひとりの笑顔から見据える先は社会全体だった。何より、そんな話をしてくれた和泉さんもずっと笑顔だった。
やっぱり、難しくても、『さくらんぼ教室』のような民間の教育サービスが全国に広まってほしい。そのためには何が必要か。終わってもそう思い返してしまう、素敵なインタビューのお時間を頂いた。
ここまで読んでくださった皆さまに‥
⭐ ファン登録のお願い ⭐
Inclusive Hubの取り組みにご共感いただけましたら、ぜひファン登録をいただけますと幸いです。
このような障害のある方やご家族、その課題解決に既に取り組んでいる研究開発者にインタビューし記事を配信する「メディア」から始まり、実際に当事者やご家族とその課題解決に取り組む研究開発者が知り合う「👀ミートアップ👀」の実施や、継続して共に考える「🤝コミュニティ🤝」の内容報告などの情報提供をさせていただきます。
🔽 ファン登録はこちら 🔽