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神経性過食症 ブラザーコンプレックス 愛着障害(最終版)
もうかれこれ30年前につき合っていた彼女(Sさん)がいました。女友達からあの子はやめた方がいいと警告を受けていたにも関わらず付き合った私は、Sさんに結構ひどい振られ方をして、その意味も分からず、それがトラウマとなってその後、数年間女性恐怖症になってしまいました。
ですが、つい最近、AC(アダルトチルドレン)や生きづらさ関連の本を読んでいて30年ぶりにこの謎が解けました。
ブラザーコンプレックス
Sさんには私より2歳年下、兄は私と同じ歳でした。Sさんには他に二人の姉がいましたが少し年が離れていることもあり、遊び相手は兄だったと言っていました。そのため私はこの出来のいい兄(医者の卵)と事あるごとに比較されていました。彼女はブラザーコンプレックスで兄に強い愛着・執着を持っていました。「感情転移」が起ったのだと思います。大好きな兄の面影を私に求めたのでしょう。兄の完璧な姿を。
そしてSさんの最大の敵は兄の彼女であり、彼女を快く思っていませんでした。これがストレスの要因の一つであったと思われます。
過食嘔吐
私は彼女から食べ過ぎて吐いてしまうという話を聞いていました。当時はちょっとは心配でしたが、その当時はそれほど深く考えていませんでした。その原因についても深く尋ねなかったように思います。
喫煙
ある日、彼女は申し訳なさそうに、実はたばこを吸っていることを隠していたと告白しました。私はその時
「もうやめた方がいいよ。」
と言っただけで、たばこを吸っている理由すら聞きませんでした。私は吸わないこともありますが、普段の姿からは想像もできなかったので、正直とてもいやな気持になりました。
この過食嘔吐とたばこはストレスによるもので、その原因は兄の彼女だったようです。今考えるとこの告白はSさんからのメッセージだったのではないかと思います。この時、Sさんは助けを求めていたのではないでしょうか。私はそれにうまく対処できませんでした。彼女の身になって考えることができなかったんです。
試し行動
私とSさんが親密になるにしたがって、わかってくれないという不安や信用できないといった感情も次第に大きくなっていったのでしょう。Sさんは私を試す行動を何度もしました。
最初は、Sさんは自動車事故を起こしたことがあり、けがはなかったのですが、私に連絡してきました。事故処理も済んだということで、現場に行こうかと迷いながら、食事を終えて現場へ行ってみました。そこにはSさんの姿はなく、自宅に向かいました。すると家の前でSさんが待っていました。車に乗るとすぐになんで早く来ないのかと責められました。Sさんは私が何分で駆けつけるのか試していたんです。
あるときは、テニス練習場で待ち合わせをして、練習が終え合っているにもかかわらず1時間以上待たされたこともあります。
結末
このようなわけのわからない試し行動が次第に多くなっていきました。さすがについていけないと感じた私は、自分から振るよりも振られた方がいいのかなと思い、彼女が言い出すのを待っていました。
そしてSさんは最後にこう言ったのです。
「私たちほんとはつき合ってなかったんじゃない。」
全てなかったことにされてしまいました。
何だったのでしょうねあの1年は。一時は結婚も考えていただけに、
これを聞いた時はかなりショックでしたね。返す言葉も見当たりませんでした。
彼女はつき合っている間も保険の彼氏を用意し、常につき合える状態を作り、自分をそのストレスから守っていました。
(これは後でSさんの知り合いに聞いた話です。)
常に私の愛情を測っていたのは愛着の問題がかげに潜んでいたのかもしれません。
おそらく彼女はストレスから自分を守るのに必死だったのだと思います。そう思うと、あの時、告白の話から気付いてあげられなかったのは少しかわいそうに思います。
これまで私はずっと被害者だと思ってきましたが、彼女もまた苦しんでいたんですね。この種の問題は本人がはっきりということがないのでわからないことも多いようです。そして知らない間に二人とも不幸になってしまいます。
こうして、30年以上私の中でくすぶり続けてきた謎はようやく解けました。今はとてもすっきりした思いです。これも今一緒に勉強している友達のおかげです。Nさんにはとても感謝しています。
今、普通に生活している人の中にもこういう問題を抱えている方は意外と多いのではないでしょうか。誰にも言えず、ずっとその生きづらさの中でくらしているひとが。それに気づけただけでもよかったと思います。