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悩み・不安・怒りを小さくするレッスン     「認知行動療法入門」

今回は考え方のクセについて考えてみます。

考え方のクセというのは推論に誤りがあるということです。心身ともに問題がないときには現れにくいものですが、疲れやストレスで余裕がなくなているときにはその人特有の考え方のクセが現れやすくなります。

一般化のしすぎ
これは些細な部分を全体に大きく広げてしまうことです。例えば、ある友達から否定的なことを言われたとき、この先もずっと言われるのだろうと推論し避けようと考えたりすることです。この場合、今後同じようなことが起こるかどうかはわかりません。

一般化のし過ぎは否定された部分にきちんと向き合おうとせず、否定された、傷つけられた、という抽象的な事実とだけ向き合っているために、かえって気分の落ち込みを大きくしています。否定された部分にはしっかりと向き合うことが必要です。また、こういう状態のときには周りが見えなくなっていて、冷静な判断ができなくなっています。思考の思考のフォーカスを変えて、全体の大きさを眺め、それから部分に焦点化していくことが大切です。

感情による決めつけ
悲観的な信念を持っているような人は、マイナス思考によって不安感や焦燥感、つらい気持ち、悲しい気持ちなどが起こりやすくなっています。そのような状態にあるときは、さらに根拠のない推論を行うので認知の歪みが大きくなっていきます。
例えば、つらい気持ちになっているときに、私のことを理解してくれる人など誰もいない、さらに私は孤独だなどと考えるような場合です。

根拠のない推論を修正する方法としては推論の材料となる証拠を集めることです。特に感情が昂っているときにはクールダウンするプロセスを大切にします。

白黒思考
これは好きか嫌いか、敵か味方か、善か悪かなどで物事を判断し、白黒をはっきりさせようとする考え方です。
例えば、100点でなければ0点と同じ。
彼の少し冷たい態度で私のことが嫌いだと判断して別れる。
一位になれなければチャレンジする必要はない。
などの高すぎる目標や理想を掲げ、それに達しない場合はその価値を認めようとしない考え方です。

修正法としては、白でも黒でもないグレーゾーンを意識するように心がけてみましょう。グレーゾーンの中のどのあたりか、といった考え方ができると極端な判断がなくなり、楽になります。

過大評価と過小評価
これは自分には厳しく、他人には甘く評価をするといった二つのものさしを持っている状態のことです。
例えば、あなたはミスが多いけれどよく頑張っていますね。と言われた場合にはミスが多いことにだけ注目して自分を過小評価することです。

修正法としては、もう一人の自分技法を使います。たとえ人から褒められても人より劣っているといった信念に合うような言葉に変換しようとしています。
自分と全く同じ悩みを抱えている友人が隣にいると考えます。あなたは、ミスが多いけどよくがんばっているからもっと喜んでいいんじゃないと声をかけます。この客観的な言葉こそあなたが求めている言葉です。


これは個人的な意見ですが、こういった感情の波があるタイプの人は、谷になった時に重要な決定をすることはとてもリスクのあることだと思います。不安感や焦燥感、つらい気持ち、悲しい気持ちなどによってその判断は客観性を欠くことになりかねません。また、白黒をはっきりつけようとする傾向があるためさらに危険です。決定は必ずマイナス思考になってしまいます。
このようなときは決定事項を先延ばしして即断を避けることが賢明と思われます。感情の谷を過ぎたころで気持ちを整理してみてはどうでしょうか。

[参考] 
悩み・不安・怒りを小さくするレッスン「認知行動療法入門」
中島美鈴


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