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[読書記録] ネットワーク・エフェクト 事業とプロダクトに欠かせない強力で重要なフレームワーク

ネットワークエフェクトって実際どういうものなの?
どう活用すれば事業を大きくできるの?

B2BでSaaSアプリの事業企画に携わっているのでネットワーク効果という言葉は耳にするが、GAFAなど成功したテック企業のみでしか機能しない効果なのではとも思ってしまうほど、実際に効果を出している様子を身の回りでは見たことがない。

一度ちゃんと理解して見ようと、ウーバーやエアビーなどの事例が色々と書かれている本書を手に取ってみた。

色々な切り口からネットワーク効果が説明されていたが、個人的に重要だと思った気づきを3つほど。

  1. ネットワーク効果を生み出すにあたって最初のハードルとなるのは「コールドスタート問題」。車のエンジンが寒いとかかりづらいのと同じで、ユーザーが少なく情報の流通も少ないゴーストタウンのようなアプリケーションにはネットワーク効果は生まれない、ということ。製品の存続は、コールドスタート問題をいち早く解決するかにかかっている。そのために、まず小さくても良いから1つネットワークを立ち上げて成功させること。

  2. コールドスタート問題を解決するには、ユーザーが期待するコンテンツがそこに存在していること。そうすることでユーザー獲得効果(低コストでユーザー獲得)→エンゲージメント効果(ユーザー間の交流促進)→経済効果(ネットワークが広まることでコンバージョン率も上がり収益率が高まる)が生まれていく。

  3. ポイントは、ユーザーが自律的に活発に交流する「アトミックネットワーク」。最小限のアトミックネットワークをコストをかけてでも立ち上げることが後の成功を左右する。(例えばウーバーは最初期は、午後5時に通勤時のカルトトレインの5番ストリートとキングストリートの駅前でタクシーに乗りたい人、のレベルまでターゲットを絞り込んでいたそうだ。)

ウーバーやエアビーはB2Cだが、法人向けにも通ずる示唆が書かれていたと思う。
ちなみに法人のネットワーク立ち上げ期の顧客方法は3つしかない、と本書では示されていた。

  1. 個人の人脈

  2. 顧客への営業

  3. メディア掲載

本書では、個人の人脈が一番強力なツールだと述べていた。メディア掲載でうまく立ち上げられた事例はあまりないのだそう。アメリカと日本では少し状況が違うかもしれないが、優秀な営業マンがその企業のトップに営業をかけてツールの採用が鶴の一声で決まるなんてことは日本でもあるわけだし、その通りだなと納得。

例えば、企業のCRMや調達システムのようなSRMは、たくさんのユーザーがいてコミュニケーションツールとしての基盤となるわけだから、ネットワーク効果を生み出すには恰好の基盤であるようにも思う。
B2Bのネットワーク効果をうまく生み出すことができるのか。引き続き考えていきたいと思う。

では。

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