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今日の1冊 Vol⑧「親は選べないが人生は選べる」高橋 和巳 著
あなたは「心の自由」を手に入れたいですか?
普遍的な「しあわせ」を感じてみたいですか?
もしかしたら今日ご紹介する本に
これらを得るための『ヒント』を
感じられる、見つけられる方も
いらっしゃるかもしれません
もしよろしければ前回ご紹介した
こちらの本について書いている記事も
ぜひご確認ください ⇓
本はこちらになります。 ⇓
先にお伝えした2つの『ヒント』となる
「愛着」
今回もこの「愛着」についての
本のご紹介となります。
ここからの部分は
前回の繰り返しになりますので
必要のない方は飛ばしてください。
愛着について見解を示されている
学者や医師、臨床家は多くおられますが
わたしが信頼している愛着の学派は
全部で3派です。
こちらの記事にも書いていますが
1つ目は「岡田 尊司 先生」の学派
2つ目は「米澤 好史 先生」の学派
3つ目は「高橋 和巳 先生」の学派
この3派になります。
今回ご紹介する本は
高橋和巳先生のご著書
「親は選べないが人生は選べる」
こちらです ⇑
先に挙げた記事にも書きましたが
15年ほど前、わたしは
岡田 尊司先生の本を
むさぼるように読みました。
自分のことだ!!
と衝撃を受けたからです。
それからしばらく、愛着と言えば
岡田先生だと考えてきましたが
自分の受け持っていた
クラスのお子さんでどうにも
支援が上手くいかないケースがあり
たどり着いたのが
学校や幼稚園保育園での
愛着支援の臨床を多くおもちの
米澤先生でした。
それらのことは、こちらの記事に ⇑
まとめさせていただいています。
もしよろしければポチっとしてみてください。
わたしは最近までこちらの記事でも
触れさせていただいている
高間しのぶ 先生のカウンセリングを
受けさせていただいていました。
高間先生のnoteはこちら ⇓
わたしの愛着に対する理解は
「岡田先生・米澤先生・高橋先生」
それぞれがおっしゃられていることを
自身の体験と照らし合わせて
それぞれの中で自分が「これだ!」と
腑に落ちる部分をミックスした
ものになります。
(違和感を感じる方はスルーしてください。)
そして今回皆さまにご紹介したい
高橋先生のご著書
こちらには
「愛着」は
人が生きていく上での
心の『土台』だと
わたしは
受け止めています。
ここからが今回の本の
ご紹介となります。 ⇓
はじめに
心は自由に動けるのか、必然に従うのか
ーー生まれ育った家族の影響は人生を大きく左右する
どんな家、どんな親のもとに生まれるかは自分では決められません。それを運命として受け入れるしかありません。
しかし、この運命がどれほどの影響を自分の人生に及ぼし、生き方を決めているかはあまり意識に上りません。(中略)
けれど、運命について常に思いを巡らさざるを得ない人たちもいます。例えば、いつもいがみ合っているような冷たい家庭に生まれ育った人。「ああ、こんな家に生まれてこなかったら……」と思い、自分で選べなかった幸せを数えて、人生は自分の力ではどうにもできないのだと観念し、運命を悔やみ続けます。
高橋 和巳 著 ちくま新書 より
「育った家庭が安心・安全の場ではなかった」
これを書いているわたし自身が
そう感じていました。
愛着理論で有名なボウルビイ(Jhon Bowlby,1907-90)は第二次世界大戦の時に施設で暮らした孤児たちの心理発達を研究して、内的作業モデル(IWM:internal working model)という理論を作りました。これは、その人が乳幼児期にどんな母親(もしくは主な養育者)に育てられたか、その親子関係の善し悪しがこどものその後の人生を大きく決定づけるという理論です。
これを読むと多くのお母様方の胸に
痛く刺さるのではないかと懸念します。
紛れもない3児の母である
わたし自身がそのように感じるからです。
この理論は今では心理学の分野で広く認められて研究されているのですが、では、どこまで人生を「決められてしまうのか」という具体的な問題になると、研究者の意見はさまざまです。
高橋 和巳 著 ちくま新書 より
「研究者であっても意見がさまざまである。」
ということは
我々が問題にぶち当たった時に
迷ったり悩んだり
一人では解決できなかったりするのは
ある意味で当然のことだと言えます。
興味深いのは次の記述です。
実は、この問題を考えるその人自身の幼少期体験によって、運命と自由の重点の置き方が変わってくるのです。
高橋 和巳 著 ちくま新書 より
皆さまの幼少期の体験はいかがでしたか?
わたしは未だに幼少期のことを
鮮明に覚えているのですが
その記憶の多くが不安や恐怖
緊張の中にありました。
問題のあまりない母親(養育者)と出会ってまあまあ「普通の」幸せな人生を送ってきた人は、運命の範囲をなるべく小さく見積もって、自分が自由に選べる範囲を広く考える傾向が見られます。一方、問題のある母親(養育者)に育てられて、極端な場合は虐待を受けて辛い人生を起こっている人は、人生はどんな親の元に生まれたかによって決められてしまう、運命がほとんどで自由は残されていないと考えます。
高橋 和巳 著 ちくま新書 より
わたしもさすがに
虐待を受けてきたわけではありません。
ではどうしてわたしが生き辛かったのか…。
続きます。
あなたの人生がどんなものになるのか、それを作っていくのはあなたの心です。
(中略)心が自由になんでも選ぶことができるとすれば、運命が働く余地は小さくなります。あなたの人生は自由です。逆に、心が何かの必然性、すなわち決められた法則で動いているのであれば、運命の働く部分は大きくなり、自由の範囲は小さくなります。人生を織り成していく力は、この自由と必然の絡み合いです。
高橋 和巳 著 ちくま新書 より
運命にどのくらい左右されるのか
それは高橋先生のおっしゃる
ある「法則」に関係しているようです。
「小さい頃にあまり問題のない普通の母(養育者)に育てられた人は、人から褒められたら→嬉しく思う」また、「小さい頃に問題のある母(養育者)に育てられた人は、人から褒められたら→警戒する」として、ボウルビィの内的作業モデルを加味してみると、100%の人に当てはまるようになり、「心の法則」ができあがります。
高橋 和巳 著 ちくま新書 より
高橋先生は物理学のように
絶対的な「法則」ではないにしても
ニュートンの力学の法則のように
『心の「法則」』も心の
動きはじめがどんな状態なのか分かれば
それ以後の未来の心の動きは
全部予測できることになる
とおっしゃられています。
例えば、心は学童期という発達段階から思春期という段階に進みますが、この順番は決められていて変更できません。また一方、学童期の中だけ、あるは思春期の中だけを見ると、本人が自由に選べる心の範囲がありそうです。こう考えれば、流れは必然で決められていて、その中の小さな動きは自分で選べるようにも見えます。
高橋 和巳 著 ちくま新書 より
「必然」の部分はあるけれども
その流れに全く逆らえないわけではない
自分で選べる部分もあるということですね。
心の専門家として人を見ると、はっきりした「心の法則」によって人が動いている部分がわかります。それは、変えられないものであるが故に、未来を予測できます。それらを紹介して検証しながら、心の自由と必然の範囲を考えます。
高橋 和巳 著 ちくま新書 より
この本にはたくさんの事例が
とても分かりやすく紹介されています。
興味をもたれた方はぜひ
一つひとつの事例をご自身に当てはめてみて
思い返されたその時どきの
ご自身の心の状態を観察して
みられると良いと思います。
人生はどこまでが必然で、どこからが自由なのでしょうか。自分の力ではどうしようもない運命を変えることはできるのでしょうか。
高橋 和巳 著 ちくま新書 より
「運命は変えられないのか」
だれもが一度はぶち当たったことのある
疑問なのではないかと思います。
わたしもそうでした。
運命を変える、自由になるということは、それまでに作られてしまった生き方、つまり人生観という思考を変えることです。
高橋 和巳 著 ちくま新書 より
マインド・リセット
ですね👀!!!
思考は、自分の思考の由来を思考することによってその必然性を超えることができる、そんな不思議な現象にもたくさん出会ってきました。
高橋 和巳 著 ちくま新書 より
わたしが高間先生とのカウンセリングで
実際に行ってきたことです。
体験してみると改めて
「本当なのだ」と実感できます。
生まれ育った環境、親からの影響を自覚できれば、私たちはその必然性から抜け出すことができるでしょうか。
高橋 和巳 著 ちくま新書 より
必然性を抜け出すヒントが
この本の中に具体的に書かれています。
ごく普通の家に生まれ育った多くの人たちと、虐待を受けるようなひどい家に生まれた人たちの二つの運命を両端に置きながら、人生の自由と必然、その中で人が追い求める幸せを考えます。
高橋 和巳 著 ちくま新書 より
わたしは酷い虐待は受けていません。
(親の無意識な態度や言動による
心理的虐待にあたる事象は
あったかもしれません。)
この本を読み、自分自身の思考の中に
「心の法則」から多大な影響を受けている
部分を見つけ出すことができました。
みなさんもぜひ、この本を手に取られて
「自分の心の法則」を探り、見つけ出し
これからの未来をご自身の力で
切り拓いていってほしい
つかみ取っていってほしいと感じます。
この本の中でひとつ
興味深い事例を挙げてみます。
「ちょっと」という呼びかけの事例です。
皆さんは後ろから「ちょっと」
と声をかけられて
どのような感覚をもちますか?
声のトーンは
何も感情的なものは伴わず
平坦なものだとします。
ある人は、
「すみません、
ちょっと聞いてくれませんか?」と
親しみある内容を感じて
振り返るかもしれません。
ある人は、
「おい、お前!
ちょっと、何やってんだ!」と
文句を言われそうに感じて
ビクッとして
振り返るかもしれません。
あなたはどちらの
感覚に近いですか?
ちなみにわたしは「後者」です。
声の方に振り返ろうとしたその
直後に感じたものはあなたの
「内的作業モデル」を反映しています。
この「ちょっと」という
言葉だけでは判断がつかない
呼びかけに対しての受け取り方に
小さい頃の原体験が
影響しているのだそうです。
ボウルビィの「内的作業モデル」は
「心の必然性」
(気付かなければそれに支配されるが
気付けば修正できる必然性)に入ります。
もうお分かりの方も多いかと思いますが
後者はDV関係を作り上げてしまうような
幼児期体験=「内的作業モデル」
これに気付かなければ
すなわち、辛い人間関係を
生み出してしまうような必然です。
これに対して「ちょっと」という
声かけに親しみを感じるような
幼児期体験=「内的作業モデル」
これをもっている人は幸せで
人から好かれる性格だと言えます。
それは必然であってもOKだと
高橋先生は著書の中で述べられています。
大切なポイントは
その「必然性」に
気付けるかどうかです。
参考になったでしょうか?
また、高橋先生がおっしゃる
心の「階層構造」を順にお伝えすると
①乳幼児期
「人に甘える・頼る」
最初の土台
②学童期
「仲間と対等」
③成人期
「下の者を保護する」
これら3つになります。
図式化すると分かりやすいのですが
文章のみで申し訳ありません。
これらは①が未完成だと②には移行できず
①②が完成して初めて③に進めるのだそうです。
ということは
実は身の回りには
大人であっても
精神的に成人期に
達していない人も
一定数いる
ということです。
わたしには①の「心の土台」が
得られていない時期が長くありました。
ですので、ひょっとすると
本当の意味で心が成人を迎えたのは
まだここ数年と言っても
過言ではないかもしれません。
むしろ、心の土台である愛着が
幼少期からしっかりと完成していた
わたしの息子のほうが
精神的に成熟していると感じされられる
ことも、実は未だにあります。
それくらい、幼少期の原体験は
必然になり人生をむしばむのです。
詳しくはぜひこの本を手に取って
ご自身に照らし合わせて
読まれてみてください。
最後に高橋先生がおっしゃる
心の法則をお伝えして
この本の紹介を終えたいと思います。
心の法則① 人は「愛着」を求めて生まれ、生涯、人とのつながりを求め続ける
心の法則② 心の傷とは「愛着の否認」をしていまうことで、これが人を苦しめる
心の法則③ 心はより安定を求めて五つの心理発達段階を、順を追って広がっていく
心の法則④ 人は三つの心でつながる、「甘える」、「対等」、「保護する」
心の法則⑤ あらゆる悩みは、規範を守れない葛藤から生じる
心の法則⑥ 心は常に自分と世界の一貫性を求めて動き続ける
高橋 和巳 著 ちくま新書 より
参考に③の5つの
心理発達段階をご紹介すると
5段階 発達課題 心の広がり
①乳幼児期 愛着形成 家
②学童期 親の価値を継承 学校
③成人Ⅰ期 自己責任の確立 社会
④成人Ⅱ期 父母性の確立 人類
⑤成人Ⅲ期 死の受容 宇宙
高橋 和巳 著 ちくま新書 より
このようになります。
さらに、この本の中には
思春期や反抗期にの問題行動の
参考になる記述もあります。
詳しくは本をお読みになりご確認ください。
いかがだったでしょうか?
あなたの「心の自由」や
普遍的な「しあわせ」の
ヒントは見つかりましたか?
わたしは依存症にも実は愛着の問題が
関係しているのではないかと感じています。
また、摂食障害やうつ病も
愛着、つまり心の土台がしっかりと
作られていれば、ひょっとして
生じないのではないかとも感じます。
愛着については
自身の経験も踏まえてこれからも
自分の知識を整理したり再構築したりしながら
皆さまにお伝えしていけたらと考えています。
ここまでお読みいただき
ありがとうございました✨
現在、個別相談も若干ですが
受けさせていただいています。
まだまだ手探りではありますが
皆さまのお役に立てるなら
これ以上の幸せはありません。
毎回、自分の問題とも重ね合わせて
「自分ごと」と感じてお話しを
聴かせていただいています。
もしまさに今お子様のことや
目の前の子どもたちの支援に
お悩みの方がいらっしゃいましたら
LINE公式アカウントまたはインスタのDM
いずれも使いやすい方から
気軽にお声掛けください。
いまのわたしの
精一杯でにはなりますが
一緒に考えたいと思います。
★パパ・ママ用★ ⇓
★支援者の方や先生方用★ ⇓
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ここまでお読みいただき
本当にありがとうございました💗
未来を生きる子どもたちの笑顔をパワーに
今後もわたしなりの歩みを進めていきます🍀
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