『ノスタルジア』|アンドレイ・タルコフスキー
《1+1=1》
この映画を見るのは、もう何度目かなんて、もはや数える意味はない。
ただ、かつて何者かになりたくてもがいていた自分を、取り戻したくて、思い出したくて、再びこの作品に溺れた。
何者でもなかった自分にくれた「美」と「イメージ」と「芸術」、それこそが今の原点だ。すべてを言い当てるなら、それが自分そのものだ。
ふと、自分と繋がる瞬間があった。感じるものがあった。だが、未だに解けない謎も多い。だがそれでいい。すべてが感性を刺激する彩りでしかないのだから。
「一滴に一滴を加えると、大きな一滴になる」。
この映画は、一生、心に残る一本だ。
谷口賢志
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