そろそろ会社で幸福の話をしよう #014 「会社・社員の持続的成長を支えるために」
これまでの道のり
振り返ればあっという間だった。ここ(↓)から全てが始まった。
こんな感じ(↓)のやりとりからスタートした。
・ある社員に「幸せってなんだと思う?」と聞いてみた。「え、幸せですか?ってか急にどうしたんですか?(疑いの目…)」まあそうだよねと感じた。
・別の社員には、「幸せへの支援を起点に、会社・社員の持続的成長を支えたい。どう思う?」と聞いてみた。「茶番な感じがします。」ガーン!これはガーン…
最初は、いろんな意味で、皆と距離があった。
でも、幸せについて皆と話をしていくうちに、その距離は少しずつ確実に縮まっていった。たくさんの社員が、自分の幸せについて意識し、考え、語ってくれるようになった。その流れの中で、社員の笑顔が増えてきた。その笑顔がとりあえず僕には嬉しかった。
ジャンプボードの完成
距離が縮まっていく工程に、安心感を得た。増えていく笑顔が、とりあえず嬉しかった。
ただ、自己満足で終わるわけにはいかない。結果に繋げたい。「会社・社員の本質的かつ持続的成長」に繋げたい。それこそが求めている結果だ。あの日、強い気持ちで設定した目標だ。
そこで「ジャンプボード」のお出ましとなる。
1)ターゲット(幸せを感じる領域)を知る。
2)スタンス(幸せに対する姿勢) 〃
3)アンテナ(幸せに対する感性) 〃
4)1)〜3)を踏まえ、「現状」を分析する。
5)1)〜4)を踏まえ、「これから」を考える。そして行動する。
これが「ジャンプボード」だ。幸せのカタチを掴み、仕事・日常とリンクさせ、現在と今後をマネジメントしていくためのフレームワークだ。
このジャンプボード(フレームワーク)を使い、それぞれが、それぞれの幸せマネジメントを充実させることで、まずは個人レベルでの本質的かつ持続的成長の動き出しを実現したい。
どういう流れになるか、#010で登場してくれた26歳女性(専門職)Dさんを例に考えてみる。
1)ターゲット(幸せを感じる領域)を知る
自分は人生の中で何を大切にしているか?何に幸せを感じるか?その答えは人それぞれ。Dさんは、「仕事・趣味・人間関係」を大切にしている。加えて、それらを充実させるために、資金としての「お金」も大切にしている。
2)スタンス(幸せに対する姿勢) 〃
姿勢も人それぞれ。積極的に幸せを求める人もいれば、そうでない人もいる。中間くらいの人だっている。Dさんは、幸せを「かなり積極的に追い求める」タイプ。自分の手で掴み取りたいタイプ。
3)アンテナ(幸せに対する感性) 〃
感性だって人それぞれ。幸せが今より増大することが嬉しい人もいれば、変わらない幸せに幸せを感じる人もいる。ちなみにDさんは、「増える幸せ・大きくなる幸せ」に、喜び、満足、達成、幸せを感じるタイプだった。
4)1)〜3)を踏まえ、「現状」を分析する
まずは、「すでに手にしている」幸せについて考えてみる。Dさんの場合は、自分で積極的に追い求め、実際に幸せを増大させることができているトピックが、仕事・趣味・人間関係・お金という自身が大切にしている領域の中に、今あるかどうかを考える。
その上で、「すでに手にしている」幸せが見えてくる、またはそういう幸せを実感することができるようであれば、それらをより大切にしてほしい。より尊重してほしい。場合によっては、その状態(=幸せがある状態)を作り上げた自分を褒め、その状態に協力してくれた周囲により感謝してほしい。
そうすることで、自分の幸せをこれまで以上に捉えられるようになり、より精度高く向き合えるようになるのではないかと考えている。
次は、「今は手にできていない」幸せについて考えてみる。ただし、世の中の幸せや、他人の幸せに惑わされてはいけない。大事なのはあくまで自分の幸せをベースに考えること。
Dさんのケースであれば、まずは、仕事・趣味・人間関係・お金という自身が大切にしている領域において、より積極的に幸せを追求したいトピックを机上に置く。ここが大事だ。机上には、自分の幸せに関する素材をしっかり置いてほしい。
その上で、「今は手にできていない」幸せ(Dさんでいうと、これから追求したい幸せ、ここから増大させたい幸せ)について、これから何をどうしようか、自分軸で考える。「Dさんの幸せマネジメント」を意識しながら考える。そんな時間も大切にしてほしい。
5)1)〜4)を踏まえ、「これから」を考える。そして行動する。
「すでに手にしている」幸せに、スタンス(幸せに対する姿勢)とアンテナ(幸せに対する感性)を掛け合わせる。すると、「これから」が見えてくる。Dさんの場合は、「自分で積極的に追求し、さらに増大を目指す」というのがこれからの方向性になる。ただし、すでに手にしている幸せが対象なので、どの程度まで増大を目指すのかについては、比較的余裕ある捉え方で良いのではないかと思われる。
この辺りについては、個人の性格・気質・パーソナル特性・その時々の状況なども絡んでくる部分になってくると思うので、自身で定期的に、自分との対話の時間を設けながら進めていく必要があるのではないかと思っている。
続いて、「今は手にできていない」幸せにも、スタンス(幸せに対する姿勢)とアンテナ(幸せに対する感性)を掛け合わせる。Dさんの場合は、「自分で積極的に追求し、これからの増大を目指す」動きが、自分に合ったこれからの動きの一つということになる。今は手にできていない幸せ、これから追求したい自分の幸せに、自身の姿勢・感性を踏まえながらアプローチしていく。
これはまだ、ここからの研究・検証が必要になる話だが、スタンスとアンテナは人によって違う。つまりいくつかのパターンが存在することになる。もしかしたら、自分のパターン以外のパターンを活用することで、新たな可能性が広がり、従来の自分のパターンでは充実が叶わなかった幸せにも、別方向から対応できるようになるかもしれない。そうなると、打ち手は自分の打ち手、そしてオプションとしての複数の打ち手を装備できることになる。このあたりについても将来的な面白さ、可能性を感じている。
ちなみにDさんには、ジャンプボードの存在と上記の流れを伝えたところ、「なんか恥ずかしいですね(笑)でも完全納得ですし、『The・私の幸せのカタチ、私の幸せマネジメント』って感じです。仕事だけじゃなくて、日常含めて考えてくださってホントありがとうございます!自分の幸せマネジメント、早速やってみます。また時々相談乗ってください!」と嬉しいリアクションを頂けた。
どうだろう。ジャンプボードを取り入れることで、幸せマネジメントが充実するイメージ、少し掴んでいただけただろうか?
ちなみに、#012で登場してくれた45歳男性(総合職マネージャー)Fさんとも、この件で対話をしてみたので、補助的に紹介を。
1)ターゲット(幸せを感じる領域)を知る
休日の前の日・寝る・変わらない日常・仕事がつつがなく終わった日の晩酌
2)スタンス(幸せに対する姿勢) 〃
積極的に幸せを追い求めるタイプではない。
3)アンテナ(幸せに対する感性) 〃
「変わらない幸せ」に、安心、喜び、幸せを感じるタイプ。
4)1)〜3)を踏まえ、「現状」を分析する
現状、「すでに手にしている」幸せばかり。「あれ?そう考えると、私、結構幸せですね(笑)確かに良い状態かも。これをキープしたいから、要はそのためのマネジメントをすればいいってことですかね。」とFさん。
5)1)〜4)を踏まえ、「これから」を考える。そして行動する。
「例えば『休日の前の日』、ここは自分にとって大切な存在だと改めて実感したので、試しにスケジュール帳に印付けてみようかな(笑)ちょっとしたことですが、確実に有り難さを実感できるようになると思います。あとは、今思い付くのが『晩酌』、これは帰ったら妻に伝えてみようと思いました。それが自分の幸せの一つだから、良ければ尊重してほしいと(笑)でもよく考えたら、私も妻の時間あんまり尊重してないかもしれないですね(笑)」とFさん。
会社で幸福の話をすることの可能性
こんな感じでジャンプボードを使って、皆が自分の幸せのカタチを掴み、仕事・日常とリンクさせ、現在と今後を自分のやり方・自分のペースでマネジメントしていけるようになるといいなと思う。(→「自律型人材」が育つことによる可能性)
その上で、それぞれがそれぞれの幸せマネジメントを充実させることで、個人レベルでの本質的かつ持続的成長の動き出しが実現するといいなと思う。(→「内側から湧き上がるエネルギー」がもたらす可能性)
そして、その成長が土台となり、最終的に組織・会社レベルの本質的かつ持続的成長に繋がれば、それはきっと「これまでにない新しいカタチの成長戦略」と呼ばれることになるはずだ。企業の競争力の源泉は「人」、それはこの不確実な時代においても間違いないことだと思う。「人」のチカラの集まりは、無限の可能性を秘めていると信じている。(→「ダイバーシティ&インクルージョン」から生まれる可能性)
「会社で幸福の話をする」ことで、上記の流れを生み出すことができるかもしれない。色んな可能性と繋がりながら、主目的である「会社・社員の本質的かつ持続的な成長」にも繋げられるかもしれない。そんな新たな可能性の種(=「会社で幸福の話をする」)、僕は放って置くわけにはいかないと思っている。
最後に
大変な時代かもしれない。
でもいつだって人類は、それぞれの大変な時代を、それぞれの新たな可能性と共に乗り越えてきたはずだ。今回だって乗り越えられると思う。大事なのは、新しい可能性、それを信じて動き出すエネルギーだと思う。
大変な状況を乗り越え、先の未来をより充実させる、そのためにも新たな可能性は大切にすべきだと思う。少なくとも僕はまず、手元にあるこの可能性を信じて、引き続き会社で幸福の話をしていきたいと思う。
幸せへの支援を起点に、会社・社員の持続的成長を支えるために。
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