SaaSベンダーで ARR 0→50億 を経験した、BtoBマーケターの11年と8ヶ月の軌跡
この度11年と8ヶ月在籍したHENNGE株式会社を卒業することとなりました。
タイトルにもある通り0からARR50億に至るまでを経験することができました。(意外にできそうでなかなかできない経験ですよね)
ということで、1人のBtoBマーケターがそんな貴重な機会をどのように過ごしてきたか?
1人でも多くのBtoBマーケターの方々の今後のキャリアの参考になればと思い、約2年半ぶりに投稿してみましたw
◎信念と覚悟
私の行動の根源はここにあります。何も複雑なこと考えてないし、何も特殊なことをやってるわけではありません。
「全ての自分の活動はRevenueのために」が信念。至ってシンプルです。
これは11年と8ヶ月一度たりともぶれたことがない自信があります!
裏方であるマーケターとは言え、Revenue目標達成できなかったら評価されるべきではないし、逆に達成できれば評価されるべきだと思ってます。
「結果出さなければいつ首切られてもおかしくない」が覚悟です。
これも入社当時から常に自分を追い込んでました。(HENNGEは首を切るような会社ではないとはいえ)
皆さんご自身の中で問うてみてください、
頭でわかっていても行動はそれに伴ってますか?
「Salesがさぁ受注してくれないんだよなぁ」他責にしてませんか?
◎Webマーケティングの影響力の低さを思い知る
Webマーケティングのプロとしてインバウンドリード量産する意気込みで入社したわけです。
ただ受注プロセスの長いBtoBでは、きっかけにしか過ぎないことに早くから気づいた。
たかがきっかけ作っただけで「評価してください!」はちょっと違うかなと。
ただ当時からWebサイトには訪問者ログデータがあることを知っていたので、インバウンドのみならずそのデータをもっとSales活動に活用できないかと考えるようになり、生まれたのが来訪企業ログのリスト化だった。
今では各種MA・FORCAS・uSonarなど効率化できるツールはあるが、当時はまだそんなものはなく、Cookie行動データとどこどこJPの企業IPを組み合わせてエクセルで加工して工数かけて作成してました。価値のあるデータだと確信があったので、面倒だけど頑張れましたね。
得た教訓
多くのBtoBサービスにおいてWebマーケティングのインバウンドのみのスキルではバリューが少ないと。
◎Webマーケターから、デジタルマーケターに
Webマーケティング・デジタルマーケティング、人によってその定義は様々だと思うが、私の中ではWebマーケティングはデジタルマーケティングの1つのピースであるということ。
wwwの世界にあるデータだけではなく、その他の外部データとそれを貯めるためのツールを使いこなせてはじめてデジタルマーケターと呼べるであろう。
BtoBにおいて最大にして最高難易度のデータがSFA/CRMに貯まるSalesデータである。一言で言うと「Salesが顧客からヒアリングした情報」。これは間違いなく企業にとっての資産となる。
このデータがあれば市場分析・フォーキャスト・機会損失リスクを精度高く分析でき、間違いなく生産性を上げることができる。
それをなんとなくわかっていたので、自ら進んでSalesforceのAdminを名乗り出て、Salesが使いやすく・有意義に利活用できるよう定着化を行った。
UI・入力項目・レポート/ダッシュボードの使い方・データのクレンジングとリッチ化、など2-3年かけて徹底的にやりました。
私のような非エンジニアな人間でも、ノンコーディングで色々実現できるSalesforceは心底凄いツールだと思います。
得た教訓
気の進まないことでも価値あるものであれば積極的に取り組むべし。
◎データ利活用の効率化
商談を進めて受注することに全力で向き合うことが本業のSalesに、精度高いデータ貯めてそれを利活用しろ!というのには限界あるし、Revenueに影響出てしまうリスクもある。
そこを補うためのリソースと仕組みが必要だと模索する中、インサイドセールスの話をセールスフォース社に聞き、Marketo社(現:Adobe社)にMAについて聞き、衝撃走ったのを今でも昨日のように覚えてます。
そこからは自分がオーナーシップとり、インサイドセールスの立上げとマネジメントを担い、MarketoとSF連携させた仕組化も推進。マーケティング範疇のみではなくSalesと連携した仕組化を実現できた。
得た教訓
データのオムニチャネル化がビジネスを猛進させる。
◎マーケティング~CSまでRevenue全体に影響するテクノロジー推進
いわゆるTHE MODELでいうRevenue全体最適をテクノロジーで行えるよう業務プラットフォーム・データの導入/整備を行うためBizOps(又は GYOMU HACK)に従事。
業務的にはIT部門(システム部門)に近しい領域だが、Revenueに影響ある領域のみ。
Salesforce
Mktg/Sales/CS TECH
業務オペレーション(PJ/Task管理、ナレッジ共有 etc)
ERP
得た教訓
業務の細部にまで宿るDXこそがRevenueを動かす。
◎マルチチャネルマーケティングの強化
コロナ以降Sales活動の環境が激変し、Revenueの入口であるマーケティングの再編が問われるようになり、共に広告宣伝費が今までの約4倍に増え(by HENNGE 2021年9月期決算説明)、マーケティング施策も新たなステージに入った。
となるとデジタルマーケティングのみではなく、TVCM・イベント(オン/オフ)・セミナー(オン/オフ)・OOH・雑誌・ノベルティ・郵送/FAX DM etc、マルチチャネルでの統合マーケティング運用とデマンドジェネレーションの管理が必要となり、確実にマーケターとしての経験値は数段上がった。
得た教訓
リードジェンは予算投じれば結果出るが、オムニチャネルマーケティングはより脳みそに汗掻ける挑戦者でないと成功はなし。
◎最後に、
HENNGEには本当に長い間お世話になりました。
"変化" "挑戦" を良しとする文化が1人のマーケターをここまで成長させてくれました。(とはいえまだまだ未熟ですが・・・)
イコールHENNGEのような文化が根付いた組織でないとこの激動の時代生き残れないと確信しております。
このDNAを持って、新天地でも引続きSales & Marketingの領域で精進したく思っておりますので、またお仕事ご一緒させていただく方は引続きよろしくお願いいたします。
以上、1人のBtoBマーケター 第1章のお話でした m(__)m
P.S
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