「荒ぶる季節の乙女どもよ」×「アンコンシャスバイアス」の組み合わせが面白いっ!
現在放映中の「荒ぶる季節の乙女どもよ」がめちゃくちゃ面白い!ずっとウォッチリストに入れたままだったけど、1話だけでも見てみるかな、と思い再生し始めたら、、、、
オープニング音楽からガツンときた!
京アニを思わせるような繊細な女の子たちの表現、背景、動きには、一気に引き込まれること間違いなしのアニメだ。
あらすじ
モモやハリー・ポッターなどを愛読する小野寺和紗は、高校で文芸部に入部する。題材として扱われるのは、日本の純文学ばかりで戸惑いながらも、男女交際潔癖症の部長・曾根崎り香、謎オーラを持つ小説家志望の本郷ひと葉、奥手の和紗の友人・須藤百々子、舞台子役をしていた美少女・菅原新菜といった風変わりで個性的な部員たちに囲まれながら、楽しい高校生活を謳歌する。
ある日、文芸部の題材図書に性的な描写があったことをきっかけに、和紗や部員たちは性について意識し始める。via:荒ぶる季節の乙女どもよ。 - Wikipedia
見どころ
「金髪ガングロ女子って遊びまくっているよねー」「A型の子ってさー、細かいよね」「爽やかなA君は絶対えっちな事考えてないよー」「男どもはみんな野蛮」誰かに対して、こうした勝手な思い込みを持ったことはないだろうか。こういった無意識な思い込み、偏ったものの見方」のことをアンコンシャス・バイアスという。
言葉の語源はGoogleからは発信された。きっかけは「アンコンシャス・バイアス」と名付けた社員教育活動を機に、このキーワードが注目を集めるようになった。
「荒ぶる季節の乙女どもよ」は純粋な文芸部員たちが部活動で純文学の読書会を続け、「恋愛とは美しいもの」「恋とは、、性とは、、まぐわいとは、、、」というように思春期のあらゆる要素にアンコンシャス・バイアスをかけていく。
しかし思春期の少女たちにとって、それをバイアスのままにしておくには胸がモヤモヤしすぎて耐えられない。そんな時、部員のふとしたきっかけの一言で一気にバイアスを破壊しにいく行動へ進んでいく。
「死ぬ前にしたいこと、、」
この一言から一気に「性」へのバイアスが切り崩されていく。
少女たちは5人。どのキャラクターも個性豊かで、純粋に自分が置かれている状況を理解しながらも、どんどんバイアスの範囲を超えた事象が立て続けに発生してとにかく振り回す、振り回される。
そんな少女たちの押し問答がとにかく純粋で、純潔で、面白い。
これを見ると、僕自身も思春期の頃、「女性とは◯◯というものだ!」という淡い妄想と期待を抱いていたことを思い出した。それを女性視点から一歩、二歩、三歩以上も深く切り込んでくれる良作だ。
そろそろ、わが娘に「子供ってどうやってできるの?」と純粋に聞かれる年齢も過ぎてきた頃だ。真面目に「性」について僕は説明することができないかもしれないが、ある時期に来たらこのアニメを娘に進めてもいいかと思った。多様性の時代、常に男性目線が主役で描かれていたアニメや漫画が多かったが、ここまで女性スタンスをとってくれる作品はある意味斬新で新鮮だ。
ビジネス書「アンコンシャス・バイアス」との読み合わせ
ビジネスマンの時点で「荒ぶる季節の乙女どもよ」と「アンコンシャス・バイアス」を見たとき、とても相性が良くつながった。
どちらも本質はアンコンシャス・バイアスの話だ。
このキーワードの背景は、組織が発展していくには多様性が重要だという認識が浸透してきたことである。独りよがりのマネジメント、一般的なマネジメントでは一人一人がイキイキ働くには窮屈すぎる。さまざまなものの見方や価値観を受け入れることで、新しい発想が生まれていく。そのための第一歩がアンコンシャス・バイアスに気づき、一歩踏み出すことにあるという。
「荒ぶる季節の乙女どもよ」でも同じ。「男とは、女とは、」という少ないバイアスに寄った世界では、恋も性もつまらない。そうではなく純粋に多様性と向き合い、その色々な人の価値観を受け入れることで自分自身の成長にもつながる。
アンコンシャス・バイアスの要点3つ
「荒ぶる季節の乙女どもよ」に当てはめて考える
1. アンコンシャス・バイアスの正体は自己防衛心。部長がそれに気づき、対処することで、部内のコミュニケーションが大きく変わる。
2. アンコンシャス・バイアスに対処するには、「相手の非言語メッセージ」に目を向け、自己認知力を高めることが大切である。
3. 無意識の思い込みや偏見に振り回わされないチームを築くには、部長や部員で日常的にアンコンシャス・バイアスをテーマに気軽に語り合うことが大切である。
1、については日々の部活動と日々の行動。アニメでは部長が自らの体験をもとにどんどん変化していく。その変化を対峙し、受け入れることがアンコンシャス・バイアスと向き合うことに大きくつながっている。そういった部長の変化が部内に大きな影響を及ぼしていっている。
2、については主人公の和紗と幼馴染のやり取りがとてもわかりやすい。相手は自分のことをどう思っているのか、何をどうしたいと考えているのか。これらはお互いが相手を想うバイアスであって真実ではないことが多い。それらを言葉だけではなく、非言語の動きから感じとり、理解していく。そのやり取りこそアンコンシャス・バイアスと向き合う一歩となっている。
3、については文芸部の部活動そのものだ。日々少女たちは悶々としながらも自らの考え、バイアスを赤裸々に部員とぶつけ合う。はじめは部長の影響力が強く、部長というバイアスに引っ張られ気味だったが、お互いが行動し続けることで、共に成長し、部員内のコミュニケーションも、より深く進化していっている。これこそこのバイアスをテーマにして気軽に話し合える環境があるという賜物だろう。
さいごに
「荒ぶる季節の乙女どもよ」だけを純粋に見るのも良し、原作を読むのも良し。どちらもとても楽しめます。
そこに1つのスパイスであるアンコンシャス・バイアスを組む合わせることで、もう一歩深いアニメとビジネス書の世界へ突入できるのではないでしょうか?
「荒ぶる季節の乙女どもよ」はAmazonプライム・ビデオでも絶賛放映中です。ハマる人は1話見始めたら止まりませんので寝不足覚悟でお楽しみください。
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