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iPhoneの読み上げ機能とは?100冊以上の本を聞いた僕が、その素晴らしさを徹底的に語る
iOSデバイスに「スピーチ」という機能があるのをご存じだろうか?
iOSデバイスとはiPhoneやiPad、iPod touchのことで、iOSはそれらのデバイスの頭脳。この頭脳の中にある1つの機能、それが「スピーチ」だ。今回はiPhoneをベースとしてご紹介する。
どんな機能なのか?
画面の文字をAI(Siriなどの声)が読み上げてくれる
方法は?
一般→アクセシビリティ→スピーチ→画面の読み上げをオンにすれば完了
あとは、Kindleやニュースサイトでも良いので読み上げたい画面を表示させたまま「画面の上部から下へ2本指でスワイプする」だけで読み上げがはじまる。
もっと詳しいやり方を知りたい場合は下記サイトを参考にしていただきたい。
もう速読は必要なし、iPhoneでKindle(キンドル)の本を読み上げてもらう方法でライフスタイルは激変する!
読み上げるAI音声の質を上げる方法
スピーチ→声→日本語→
好きな声をダウンロードしてみよう。
多くの声を試したが、Siri(女性@拡張)が一番聞きやすかった。
何を聞く?
オススメはKindleアプリで聞く小説
Kindleのすごいところは、0円で読める本が山ほどある。夏目漱石や太宰治など読書好きにはたまらない。まずは「どんな風に読まれるのか?」を体験しもらうためにもKindleアプリで画面を読み上げてもらうことを推奨したい。
画面上部から下へスワイプしてみよう。Siriの声でスラスラと読み上げが開始される。表示されている亀やウサギのマークは声の速度調整だ。あまり遅いと聞きにくいので通常の話す速度より、やや早い方がオススメだ。
画面は自動で切り替わるので聞くことに没頭できる。ただページ全面が図であったり、タイトルだけのページの場合読み上げが止まってしまう。そんな時は指で次のページにスワイプしてから再度スピーチ操作をしよう。
なぜ読むより読み上げるのか?
動機1、「読書欲求」
数年前転勤し満員電車に乗るようになった。駅に止まるたび「もう無理だろう?」と思いつつも人がすし詰めの隙間を狙って入り込んでくる。当然そんな状況ではスマホでKindleを読むことも、片手で本を読むこともできなかった。
そんな時、必死に文字を読み上げてくれるアプリを探しまくり、行き着いた先がiPhoneに標準搭載されていた「スピーチ」という機能だった。この機能に出会い生活は激変した。
本の消費が爆発的に増えた
今までは小説など1週間くらいかけてのんびり読んでいた。しかし通勤往復徒歩込みで3時間くらいある。その時間すべて余すことなく本を聞くことに没頭できるようになった。
結果的に1週間で多い時は3、4冊聞くことができ1年間で聞いた本は100冊を超えた。まだ世の中に「オーディオブック」というワードが認知されていなかった時代である。
動機2、「読み上げへの興味」
この本はどのように読み上げてくれるんだろうか?とワクワクしながら聞き漁った。何点か読み上げとの相性を紹介する。
三枝さんの名著、ビジネス小説なので目を閉じながら聞くとその情景が思い浮かぶ。満員電車に揺られながら聞くと臨場感は格別だ
図や挿絵がない小説、そしてセリフが多いと感情移入しやすい。童門冬二さんの歴史小説や大村あつしさんの最新技術トレンドを盛り込んだ小説も聞きやすい。
ビジネス書も悪くない。しかし早口すぎると時々理解できない時があるので、後で文字で読みなおしたりもする。しかし一度聞いているのでインプット速度はとても早い
カネ系、図式多い系は厳しい。そもそも読み上げ対象ではないと思った。とにかくよく止まるし、理解が追いつかない。
これらの本の特性を踏まえて読み上げてもらうと良いだろう。ただ、僕はKindleで買った本の9割は読み上げてもらっている。
動機3、「読み上げの可能性追求」
僕は常に家には5、6冊以上積ん読状態の本が維持されていた。読み上げにハマってからその冊数は増えていった。紙の本を読むのが面倒になってしまっていたのだ。
そして、1つ思いついた。
「今所有している本をすべてPDF化してOCR機能を付加すれば読み上げてくれるのでは?」と。
ネットを探し、その業者を見つけた。
結果として100冊以上本を送り、断裁してもらい、スキャンしてすべての文字にOCR機能を付加してもらった。
データで納品された本をiPhoneアプリのiBooksに取り込み、画面上部から下へ2本指でスワイプしたら見事に読み上げてくれたのだ。画面送りも自動的にされ、Kindleと変わりなくサクサク読み上げてくれる。
この今まで「紙」で「読むこと」という選択肢しかなかった本に「読み上げる」という新たなステージを付加することによって全く新しい本が生まれたような気がした。鳥肌ものだった。
今では200冊以上の本をPDF化した。また、どんなPDFでも読み上げ可能なので本である必要はない。PDFを突っ込めば読み上げ開始だ。
詳細は下記サイトを参照していただきたい。
紙の本を電子書籍化するために「スキャンピー」へ100冊送ってOCR加工依頼だ!
紙の本の電子書籍化サービス「スキャンピー」から100冊越えの請求金額が来たので参考報告
動機4、「すべての活動を本で上書きする」
読み上げがあるだけですべての「活動」が楽しくなった。
例えば、満員電車、皿洗い、風呂掃除、掃除機、アイロンがけ、マラソン、筋トレ、営業回りなど、どんな「活動」も「読み上げながら」できる。
普通なら風呂掃除など家事全般は大変な仕事だが、僕の場合ゆっくり家事をしながら本を聞くことができるのでとても楽しい。今まで家事という「消耗するだけの時間」だったのが一気に「有益な時間」に変換された。今では奥さんから家事を奪うほどだ。
ポケットにiPhoneを忍ばせ、片耳ハンズフリーのイヤホンを付ければ両手両足がフリーになるのでどんな「活動」も可能だ。
つまり、僕にとってどんな大変な作業も「楽しい本の読み上げ」に上書きすることができた。この素晴らしい上書き体験はぜひ体感していただきたいと思う。今まで体験していた世界がガラッと変わります。
さらなる読み上げ体験の追求
最近研究しているのが、小説と同じような環境を「体験」しながら読み上げてもらうこと
これは数十冊読み上げてもらってから気づきはじめた。
私はある日、極寒の中新潟県に出張に行き、長岡駅で雪景色を見ながら「峠」を聞いていた。
冒頭の文章を引用する。
雪が来る 。もうそこまできている 。あと十日もすれば北海から冬の雲がおし渡ってきて 、この越後長岡の野も山も雪でうずめてしまうにちがいない 。 (毎年のことだ )まったく 、毎年のことである 。あきもせず季節はそれをくりかえしているし 、人間も 、雪の下で生きるための習慣をくりかえしている 。
この後、長岡の厳しい雪景色模様を描写していくのだが、僕は実際に長岡の地に立ち、しんしんと降り積もる雪の中にたたずみ、足の指先にキリキリとした冷たい痛みを感じながら聞いていた。
すると、耳から聞こえてくる情景と、あの時代の情景が霞むようにリンクして、物語の中により深くトリップしている感覚におちいることができた。今まで体験したこともない心に刺さる体験だった。
通常、読書はその書かれている文字に没頭して妄想の中の世界に入り込む。読書家にとって雑音は無ければ無いほどいい。
しかし、まっすぐ前を向き、雪景色を見ながら物語とリンクする本を読み上げてもらうことは「視覚」「嗅覚」「聴覚」「触覚」を使うことができ、非常にぜいたくな本体験へと進化させたのだと思う。
この、物語とリンクした場所、似たような場所で「聞く」ことは作品の質を数ランク引き上げる効果があると感じた。また、あえて文字として読んだ後にその場所へ行き読み上げてもらうというダブル体験も可能なのでは?と考えている
せっかくなので、noteに掲載されている大村あつしさんの小説でも体験できたのでご紹介したい。
引用
しかし、誠二は、見慣れない路地裏に足を踏み入れた自分の行動に、不思議と違和感を覚えてはいなかった。
とりあえず、急な雨を避けるために薄茶色くひなびたビルに駆け込むと、誠二は溜息をついた。
「ついてないな。なんだ、この雨。天気予報でも今夜は雨なんて言ってなかったぞ」
僕はこの小説を会社帰りに聞いた。
シチュエーションは夜22時過ぎ、閑静な住宅街、静まり返る暗い夜道の中、バチバチとアスファルトから跳ね返る激しい雨が降っていた。
足首は濡れ、雨の音が聞こえ、アスファルトと雨が反応した少し生臭い臭いが漂う中、耳に集中して物語を聞き入った。
小説の中も雨の中、主人公と女子高生の不思議なやりとり、そのミステリアスな展開が現実の外の環境とリンクして背筋がゾクゾクしながら聞き入ってしまった。
「早くこのまま続きが聞きたい」と
こんな風にnoteの小説も気軽に「聞く」ことができてしまう。ぜひ同じようなシチュエーションに遭遇したら身体の感覚を総動員して聞いてもらいたい。
1点だけ注意点はアプリのnoteはうまく読み上げてくれないことがある。その時はブラウザからnoteを開いて読み上げてもらおう。
読み上げは人生を豊かにする
少し大げさだが、僕は今とても文字との向き合い方が豊かになっている。至福だ。
紙の本に新しい「いのち」を吹き込む、読みたいときに「聞ける」、消耗する作業の時間を「本の時間」に上書きできる。1冊の本を何度も違う視点で「楽しむ」
たかが「文字」だが、今は「いのち」を感じる。
僕は今、日本一読み上げ機能を愛しているような気がする。だから読み上げ伝道師として、皆さんの人生を豊かにするため「読み上げ機能」を心より深くお勧めします。
※この記事はiPhoneの読み上げ機能を使って文章チェックしました。
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