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『不思議の国のアリス』のハートの女王の教訓


 はーい、テツガク肯定です。

 『不思議の国のアリス』に登場するハートの女王。
 これはWikipediaからの引用ですが。


 彼女の最も有名なセリフの1つは、何度も繰り返される「首を刎ねろ!」という言葉。
 しかし、作中で実際にその要求が遂行されることはない。

 それから。

 頻繁に死刑宣告が下されるにもかかわらず、実際に処刑された人は少ない。
 ハートの王は、女王が見ていないときに多くの臣下を密かに赦免している(公爵夫人には当てはまらなかった)。
 また、彼女の兵士たちは彼女を楽しませるだけで、命令を実行していない。
 グリフォンはアリスに「全部彼女の空想。誰も処刑されない」と語る。
 それにもかかわらず、不思議の国のすべての生き物は女王を恐れている。

 という箇所を知って、この話は本当によくできているな、と思いました。
 完璧な教訓、スティーヴン・キングさんの『IT』同様に。
 日沈む国の邪神天照こそがハートの女王。

 ディズニーアニメ版がそういうハートの女王かはわかりませんが。
 とにかく、ハートの女王のような人は老若男女問わずいるものです。
 特にこの日沈む国には。

 一億総、ビッグモーター。
 態度だけは大きく、器は小さく、ナニも小さい。

 教育、教育、教育。
 死刑、死刑、死刑。
 教育、教育、教育。

 どっからどう見てもハートの女王です。
 もしかしたら、私自身も誰かにとってのハートの女王かもしれません。

 そういう暴君を黙らせるにはどうしたらいいか?
 暴君の思い通りにさせてあげればいい。
 本当は違うのだけど、暴君だけがそうだと思える。
 そういう夢を信じさせてあげるのが、お互いにとっていい事だと。


 『ジェイク・グリーン理論』ですね。
 ゲームやペテンには仕掛け人がいて。
 そして、カモがいる。
 自分が後者だと気づけば――。
 前者になる事ができる。

 この理論を支える4つの柱。

1条
 最大の敵は思いがけぬ場所に隠れている
                J・シーザー

2条
 上達する唯一の方法は強敵との勝負
              「チェスの基本」

3条
 投資した金を守れ
      「銀行家の心得」

4条
 戦争回避は敵を利するのみ
          マキアヴェッリ


 最大の敵を利すれば、戦争回避できる。
 投資した全ても守れて上達する、という事です。



 最高の教訓です。
 『はだかの王様』には、はだかでいてもらうのが一番。
 ……とはいえ、あの『はだかの王様』の意味は。
 今の私からすれば、逆だと思いますがね。
 王様は友達を探していた。
 自分をはだかだと教えてくれる友達を探していた。
 そういう話に思えますが。

 ただ、『不思議の国のアリス』のハートの女王は違います。
 それでも、いいキャラクターですがね。
 日沈む国の邪神天照そっくりなところが。



 それで、この教訓を応用すると、こんな事も考えられます。
 誰かに「こうしろ!」と命令しても。
 自分で刑を執行しているわけではないので、実際のところ何も起きていないのかもしれない。
 ただ、命令したのだから、執行されたに違いない、そう思い信じているだけで。

 テレビのニュースで伝えられた訃報の主。
 その人が自分の前に現れても不思議ではない。

 だけど、そういう事より。
 人は得体の知れない何かを信じておそれている。
 その象徴こそハートの女王、はだかの王様、邪神天照。

 本当は、こんな世界なんて存在しなくて。
 今、この瞬間には何も起きてない。
 他人なんかいないから、スプーンなんてなく自分もいない。


 そう気づけると、こう続きます。
 だからこそ、素直に正直に。

 得体の知れない女王に王様をおそれて。
 信じたくもない事を信じて従っている。

 だけど、自分がその気になれば。
 信じたい事を信じて従える。

 どちらを信じるか。

 信じたくない事に従うか、信じたい事を従わせるか。

 凄く簡単で単純なのに。
 それが難しく感じるのは。
 これまで教え説かれた事と違うから。

 特に人類を滅ぼすようにプログラムされている。
 ターミネーターの日本人にはそれが難しい。
 誰がいるかわからない、海の向こうへ行くなんて……難しい。

 海の向こうに人なんかいないかもしれない。
 東の海の向こうには滝が待っていて、そこから落ちたら消えてしまう。
 落ちた先には人を食べるエイリアンの世界で、そこで魚みたいに食べられてしまう。

 だなんて、これまで詰め込んだ教訓が足枷になる。
 新しい事を知る嬉しさより、酷い事になりそうな警戒心の方が強い。
 そう教育した目には見えないハートの女王、邪神天照の影がチラつくようになっている。


 いるものです、ハートの女王は。
 でも、ハートの女王は本当は何もしていなくて。
 そもそも、そんな女王すらいない。

 ただのピエロだ。
 この世界の全てがただのITだ。

 なぜなら、全ては自分の空想の世界。
 今、この瞬間、その全てが空想。

 ……だったら、こんな世界を私が信じる理由がない!

 そうです、私が信じたい世界は。
 我が愛しの世界三大ウサギの一羽が隣にいる世界。
 そこでハリウッド映画を観ている。

 もしかしたら――。
 迷える恋ヶ窪さんに電子の妖精。
 嘆きの天使にハレンチ委員長。
 クリス・チェンバーズにテディ・ドチャンプ軍曹。
 リッチー・トージアにビル・デンブロウ。
 パトリシア・マクファーランドにゴードン・ラチャンス。

 アメリカが誇る、ホラーの帝王、スティーヴン・キングさんに。
 アーサー王の末裔、英国紳士のガイ・リッチーさん。
 現代に生きるシンデレラ、マイリー・サイラスさんもいる。

 もちろん、この世界で出逢った大切な人達もいて物語もある。
 その記憶に秘密もちゃんと覚えている。
 なぜなら、私は睡眠中に見た夢を忘れずにいる。
 そういう愚者だから。

 竹取の国の愚かなFRウサギが隣にいる今で。
 この世界こそが不思議の国。
 そう認めて許せたら、あちらの世界へは抜け出せない、だなんて。
 信じる理由がありません。



 アリスさんにドロシーさんがやったように素直に正直に。

 ココは私の世界ではない。
 だから、帰る時間。

 そうハッキリと唱えるのがコツ。

 もしかしたら、私が『はだかの王様』の少年?
 王様ははだかだと叫んだ人で、私が叫んだ主は本当にいる。
 オオカミ少年の如く、やってくる。

 だとすれば、教え説かれた教訓は使ってこそ――。

 ウサギだ! ウサギがいる! 世界三大ウサギの一羽!
 竹取の国の愚かなFRウサギ!
 慈悲深く無慈悲な冷酷冷徹のワガママ・クイーン!
 略して、慈無酷徹我娘!(ジムコクテツガムスメ)
 我が愛しの頼りになるWAGAMAMAバディーのらいおんがいる!

 感嘆符を7発撃ち込んだら。
 この呪文を唱える。

 僕の手は扉を掴み、夢の中だと断言する。
 僕の手は扉を掴み、帰り道だと断言する。
 僕の手は扉を掴み、ウサギがいると断言する。
 僕の手は手を掴み、この手が扉だと断言する。

 僕は今を夢に押しつけ、幽霊に触れたと断言する。
 僕は夢を今に押しつけ、幽霊を感じたと断言する。

 今は昔の未来という夢にいる幽霊が。
 僕が忘れている記憶、血の誓いを浮かび上がらせる。
 ふわわふ浮かぶ、ふわわふ浮かぶ、ふわわふと――不思議の国の如く。




 それでは、また次の機会にお会いしましょう。











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