無知が生み出すハラスメント
記事でわかること:
ハラスメントを起こしうる人を可能な限りフィルタリングする必要がある
権力を持つ人には適切な教育を受けさせる必要がある
組織で人を個別に扱う場合、気にかけるのはその人ではなく、その人の関心事に注意を向ける
某ドラマの中で、パワハラやマタハラが扱われ、無知が故に表現が不十分なものが見られたように感じました。エンタメとは言え、これは看過できないと考えます。傷ついている人また再発防止に取り組んでいる会社に対して、正しい情報を発信するため、記事を書きたいと思います。
まず、パワハラをした上司や先輩を擁護するような『上司も人の子、そんなつもりはなかった、一面を切り取り、その人の何がわかる』、という表現がありました。これを許せば、やられた方は泣き寝入りするしかなくなる、決して、パワハラを擁護するような発言や対応はあってはならないと思います。厳しい対応が必要で、ドラマでも先輩は謹慎扱いとなります。ここまではいいのですが、上記のような弁護はパワハラを黙認してしまう恐れがあるため、注意が必要です。
パワハラを訴えた方はいわゆる新型うつ、未熟型うつと言われるものに近いように思われます。『クラッシャー上司 平気で部下を追い詰める人たち』に記載されています。この辺りに対するケアがドラマでは表現されておらず、理不尽なパワハラの訴えという印象がSNSを見ると多くありました。本当にパワハラを訴える人の立場を危うくするもので、民放など公共に情報を出す立場であれば、あらゆる面を考慮する必要があります。そんなこと考えてたらコンテンツ作れないと言うのであれば、電波を返すべきではないでしょうか?
そういった部下に対しては、カウンセリングや正しい対処法(特性や課題を話し合い、研修受講など)を行い、その人にあったものを探す余裕が個人や会社双方に必要と思われます。
『クラッシャー上司 平気で部下を追い詰める人たち』
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では、一体どうすればよかったのでしょうか?
パワハラについて数々の研究から知見を説明する『パワハラ上司を科学する』から学べることは多いはずです。
『パワハラ上司を科学する』
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上司候補を可能な限り、フィルタリングすることが対策につながります。業績評価だけでなく、候補者の上司や部下などに人物像を聞くなど、人物面を適切に調べることが重要です。パワハラを起こしうる上司は性質面で似た特徴があり、事前にフィルタリングすることは可能です。これができなければ、その組織はパワハラを助長する組織となり、長期的に離職率増加、休職者増加、業績悪化を放置することになりかねません。
そして、上司となり、権力を持つ人には知識と実践方法を教育し、ハラスメントを起こさない、起こさせないようにしなければなりません。放任主義がハラスメントを助長することは数々の研究で明らかになっています。
その実践方法としては、部下や同僚に対して、特別な措置が必要な場合、その人を○○だからと考え、△△として接するのはハラスメントにつながりやすくなります。そうではなく、その人が何に関心があるのか、どうしたいのか把握して、一緒に働き方を考えることが必要です。
最後に、部下や同僚を指導や注意などをする場合に心がけてほしいのは『話が通じない相手と話をする方法』にあるように「黄金の橋をかけること」です。彼や彼女にはあなたが知らない情報を持っていたり、事情があるかもしれません。決めてかかると、抵抗したり、訴えたり、できうる限りの反撃をする可能性があります。決して決めつけず、私とあなたではなく、私たちとして、一緒に問題を解決する仲間であることを伝え、相手に共感を示し、相手の逃げる機会(考えを改める、考え直す時間)を与えることがあなたにとっても命綱になるはずです。
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私もまだ学んでいる段階で、認識違いがあるかもしれません。その場合には教えてください。勉強したいと思います。少しでも気づきがあれば、幸いです。
知ることで解決できるもの、防ぐことができるものがあります。
無知の知に気づき、不完全な自分や社会を認識することが重要と思います。世の中にはわからないことが溢れています。
一緒に学んでいけたらと思います。