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#321 中堅管理職としての伝え方
さて、今日のテーマは「中堅管理職としての伝え方」です。
先日、若手の管理職と話をしていたときの話です。
「組織の都合をチームメンバーにも共有する時はどうしたら良いか」という議論になりました。
全員に伝えるのか?
個別に伝えるのか?
それは、その伝える内容によっても大きく変わって来ます。
今日は中堅管理職の立ち振る舞いについて考えていきたいと思います。
自己紹介とお知らせ
僕は、某リハビリテーション病院で作業療法士の中堅管理職として働いています。対象者の課題と向き合うことはもちろんですが、スタッフのストレスやチームの運営にも日々向き合っています。
このnoteでは、仕事の考え方や医療者としての働き方、コミュニケーションや人間関係、ストレスマネジメント、作業療法に関するさまざまなテーマを取り上げ、日々の感じたことを自らの解釈として記録しています。
読んだ方の何かお役に立てれば幸いです。
以下お知らせ。
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それでは本題に入っていきましょう。
中堅管理職の立場
中堅管理職の立場について改めて考えていきたいと思います。
中堅管理職とは、管理職ではないスタッフ(一般スタッフ)と、管理職との間を繋ぐ仕事をします。
人数が多い組織になると、管理職にあたる人がすべてを一般スタッフすべての状況を把握することが難しく、どうしても中堅管理職が状況を把握して、お互いの言い分を伝達する役割を担う必要があります。
ここに中堅管理職の辛いところがあります。
いわゆる「板挟み状態」です。
管理職の関心ごとは「組織をどう動かすか」です。そのため、組織全体の方向性などを考慮しながら、マクロの視点で物事を見ています。
一般スタッフの関心ごとは「現場で起こる課題を乗り越えること」です。そのため、自分の手の届く周囲の状況や自分の業務についての改善に全力を注ぎます。
どちらも、組織や目の前の課題について取り組んでおり、広くみれば、それは組織やチームのために動いているということになります。
ただ、この2つの視点がすれ違うことはよくある話です。
ここに中堅管理職の力量が問われているわけです。
中堅管理職は、管理職のマクロな視点と、一般スタッフのミクロな視点の両方に目を向けることができる立場にいます。
そのため、どちらにとっても都合の良い存在になりやすく、何に焦点を当てながら行動するべきかが基本的な悩みになります。
特に管理職の意見を一般スタッフに伝える際に、とても手こずることがあります。
その目的や意図を相手の納得行くように伝えきれないと、チームとしてうまく行動できない可能性もあります。
状況に応じた伝え方
では、どのようにして管理職の意見を一般スタッフに伝えていけば良いでしょうか。
大きく分けて2つの方法があります。
① 全員に同時に伝える
② 個別で伝える
そんなこと?と思うかもしれませんが、それぞれ内容によってうまく使い分けることが必要です。
全員に同時に伝える
これは”平等性”を担保したいときに使った方が良いと思います。
例えば、
・業務上の変更事項
・勤務の調整
・給与に関わること など
組織全体としてのことは特に同時に口頭で伝えることが必要になります。
伝える際に注意しないといけないのは、命令調にならないようにすること。
相手の気持ちを察しながら、なぜそのようなことが起こっているかの背景も含めて説明するようにしましょう。
また、そこで出た一般スタッフからの意見についてはも真摯に受け止め、管理職には全体の意見として伝えるようにしましょう。
業務的に難しくても、大事なことであれば、短時間だけでも集まって話をするようにしましょう。
個別で伝える
これは”個別性”を担保したいときに使うようにしましょう。
個別性を担保したいときというのは、スタッフ個人に対しての伝達事項になります。
例えば、
・部署配置について
・個人の相談
・業務上の注意点 など
そのスタッフ個人に関わる内容についてはそれぞれで話すことが必要です。
個別的なことで重要なのは、「相手の意見を否定しないこと」です。
この時には、相手の気持ちを尊重することを第一に考えながら、その上で、組織としての考え方を伝えるようにしましょう。
なんにせよ、言い難いことについてはどうしても伝えにくく、全体で話したことがいいことも、個別で話すことを選択したりすることがあります。
最近では1on1についても推奨されていますが、それは個人の行動に関わることについて力を発揮するのであって、なんでもかんでも、個別で話す必要はないわけです。
むしろ、全体で共有した方が、”平等性” が伝わりやすく、理解が深まるときもあるのでそこは見極めるようにしましょう。
「そもそもスタッフが話を聞いてくれません」
という人は、また別の問題だと思うので、内省して考えてみてください。
今日は以上になります。
頑張るあなたを応援しています。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
読んでいただいた方のヒントになれば幸いです。
ではまた。
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