あいかわらずAIで遊んでいる。いや、ここは勉強している、と、公言したい。(仕事もしている。しているよ。)
前回は、自作の短編をAIに漫画化してもらうことを試行した。なかなかに面白かった。「#AIとやってみた」というハッシュタグを発見してよかった。noteに感謝である。
今回は、いま流行のAIに短編小説自体を書かせてみる、ということを試行しようと思ったのだが、せっかくなので『対決』という企画にしてみた。
先攻は自分、後攻がAIである。
まず自分が短編を書く。コンセプトを決め、字数を想定し、構成し、執筆し、手直しをする。一般的な短編の書き方だと思う。(ですよね……)
そしてまったく同じコンセプトをAIに丸投げし、AIの執筆したものと比べてみよう、というものだ。
まずは短編を書いた。記事に埋め込むと少々長いが、どうかお付き合い願いたい。(4000文字、約3分)
Thank you for reading :)
ついてきていただいた方。本当に、ありがとうございます。
以下、AIに宣戦布告。
私に任せるか?と言われてしまい、たじろぐ。いきなりのジャブが強烈に顔面に入る。痛い。
任せて、いいのか?一瞬、任せてみようかな、と揺らぐが、それでは企画倒れである。しっかりしろ、自分。動揺を表に出さないよう、冷静に指示をする人間に徹する。そう、今、私は人間代表なのだ、頑張れ人間。
リターンキーを押す。ゴングが鳴る。
……。お、おもしろい。
想像以上によくできている。
・学生証や図書カードといった身分証明から名前が消失している描写が被っている点が面白い。分かりやすくティピカルな表現、ということだろう。
・家族に「あなたは誰?」と聞かれるシーンも面白い。自分は最終盤に読者への裏切りとして母の存在を使ったが、導入に使うのは分かりやすく効果的だと感じた。
・名前を失ったまま受験し合格するという巨大ドリルでガンガン掘削するような進行も潔すぎて面白い。ひねくれた自分には考えられない構成だ。
ただ、最後の最後、人から与えられた主題で書くことに飽きてきたのか、コンセプトを丸出しにしてしまっている印象を受けたので、すこしアシストをする。
丁寧口調になっているのは、もはや敬意の表れだろう。
いい。
もう、思わず拍手を送ってしまう。父や通行人の塩対応が良い。いろいろ細かい文章表現に疑問は残るが、
「大切なのは、どう生きるか、どう存在するかだ。」
と言われてしまった。その通りだ。はい、その通りです。
AIはそう言っている。どうする人類?どうするの?
さて、緊張の一瞬である。相手が0.5秒で繰り出したパンチに対して恥ずかしながら半日ほど時間を頂戴して書いた人間製のスローパンチを献上する。遅すぎて蝿が止まって見えているだろうが、仕方ない。人間だもの。
0.5秒。点滅するカーソルが、迷わず右方向に走り出す。
あ、あ…
がんばる。がんばるよ、人間も。
それにしても、与謝野晶子としての新しいアイデンティティの受容。なんというシュールな言葉だ。この言葉、与謝野晶子先生にもぜひ聞いていただきたかった。
はい……先生。
最後に、これを聞かなければなるまい。
何を言ってるんだろう、この人間は。
これにはAIも内心、固まったかもしれない。深層学習の奥の奥から「何言ってんだ、こいつ」という声が聞こえた。だが世界最先端のCPUは固まらない。0.5秒で返事が返ってくる。
は……
完敗である。
Thank you for reading :)