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エマ・ワトソンのケリング役員就任と、サステナブルとフェミニズムの融合について
エマ・ワトソンのケリング(グッチ、ボッテガヴェネタ、バレンシアガ、イブサンローラン等)役員就任のニュースを読んで、サステナブルとフェミニズムの融合が進むといいなと思った。
エシカル・サステナブルの取り組みには必ずジェンダー平等・フェミニズムの視点が入らなければいけないと思っているのだけど、両者をバランスよく備えている人はなかなかいない。
結果、エシカル界隈のイベントで登壇者が家父長制(=植民地主義、マウント思考)ゴリゴリな発言をにこやかにしている様子に吐き気がすることも、けっこうある。女子力とか、嫁・家内とか、主人とか、楽しげに言っちゃうからね。
だから、エマ・ワトソンがケリングの役員にというニュースはとても喜ばしい。
サステナビリティに知見あり、アパレルのサステナブル/エシカル度合いを測る「Good On You」などについての発信もしている人だけど、それよりもフェミニストとしての活動の方が知られていて、インパクトも大きいと思う。
UN WOMENの親善大使として活動し、国連でしたスピーチは有名だし(あれ2014年なんですね!)、ジェンダー平等への取り組みに男性(女性だけでない多様な性)を巻き込む「HeForShe」のけん引役として果たした役割は大きいと思う。フェミニズムを大切に思う男性の一人としてとてもありがたく、喝采だった。
そんなアクティビストが取締役となり、さらに取締役会の持続可能性委員会の委員長(なんかすごいポジションだ!)も兼ねるということは、歴史あるラグジュアリーブランド群にジェンダー平等の価値観が前提に置かれた上で、環境配慮などの施策が打ち出されていくのだろうと期待せざるを得ない。
サステナブルといっても気候・環境一辺倒でない、広い視野で根本的な社会構造を見据えた思考や施策ができるはず。
さらに、エマ・ワトソンはフェミニストであってもセクシーな服を着たり、美しさを体現したりする存在であることも大きい。
フェミニストがセクシーであっても構わないのは、エシカルがセクシーであっても全然OKであることと、リンクしていると思う。
”who said ETHICAL is not SEXY?”。エシカルもフェミニズムも、禁欲的で地味でおとなしい必要なんてない。女性だって男性だって他のセクシュアリティだって。
ふんわりナチュラル生成りなイメージのエシカルファッション像はもういらない。
女性(男女で性別をわけるなら)に向けた商品が中心で、メッセージも多くが女性に届けられ、買う人も働く人も女性が大半と思われる、そしてビジネス的に大きなパワーを持ちファッション業界をリードするケリングが、エマ・ワトソンというアクティビストを充分に活用して良い変化を生み出してくれると、いろいろと面白いはず。
サステナブルとフェミニズムが融合した、どんな新しい美しさを見せてくれるのか、とても楽しみに思う。
最後に、、このニュースを「若い女性セレブが役員に!」みたいにとらえる人がいたら、すごく時代遅れだ。同時に取締役になったお二人も、アジア系の女性とアフリカ(コートジボワール)出身の黒人だけど、もう女性とかの性別とか肌の色とか若いとかはどうでもいい。それぞれ実績のある専門家が加わったということがニュースなだけ。
もう一つ、たしかにエマ・ワトソンはすごいと思うけど、白人で若い時からチャンスが与えられ、自分の能力によるとはいえ経済的にも豊かで、という恵まれた特権的な環境にいるから今の活動や発信ができているのであって、そうでない苦しい環境下で生命の危機にさらされ続けているような女性たちの声を聞けているのか、その声の代弁者にはなりえないのではないのか、という指摘もあることを記しておかなければ、バランスに欠くと思う。
サステナブルについてもそう。雨が降れば住居が流れ、食糧はバッタに喰いつくされて気候難民になるしかないような人たちが沢山いる。
その人たちの声を、エマ・ワトソンだけでなく僕たちが(例えばナイキが宇宙ゴミから作ったスニーカーを喜んで買えるような僕たちが)、代弁できるわけがない、、かもしれない。いや、そうだろう。
せめて想像力を働かせること、そんな声があることを忘れず、小さな声を聞こうという気持を持ち続けることを、いつもいつもお互いに確認しあわないといけない。
・・実はハリーポッターは1話も観たことないんですよね、、、。