パリのちいさなオーケストラ【キャリアコンサルタントは観た!】#10
「パリの名門音楽院へ編入が認められた少女が、世界で6%しかいない女性指揮者への夢に挑む。巨匠チェリビダッケに師事し、自らのオーケストラを立ち上げた実話を描く、驚きの感動作」(HPより)
最近クラシック音楽(作家、活動)などをテーマにした映像作品が増えたような気がしますが、この作品は大当たりでした。
実話をベースにした物語なのですが、舞台となる「ディベルティメント・オーケストラ」の存在を、初めて知りました。普段は買わないパンフレットによると、「パリ五輪2024」でも演奏していたんですね。
人種、性別(男性社会)、貧富(移民)、タテ社会(権威主義)などなど、主人公・ザイアには様々な壁が立ちはだかりますが、時には押しつぶされそうになりながらも、自分の夢(指揮者)の実現に果敢に挑む姿には胸を打たれました。また、私も趣味で楽団活動をしていたので、楽団を創っていく難しさなど共感するところも多かったです。(自宅に卵のケースを使って即席の防音室を創るところなんて、まんま自分たちの練習場でも、やっていました。)
彼女には妹のフェットゥマ(チェロ奏者)を中心に家族(お父さんもいいキャラ)、そして音楽仲間たちなど支えてくれる人たちも多いのですが、何よりも彼女を厳しく指導し、強い影響を与えたのが指揮者のチェリビダッケ。
チェリビダッケは実際に録音嫌いで、どちらかと言えば「頑固者」のイメージでしたが、本作では、自身の生い立ち、音楽にかける想いなのが語るシーンなどもあり、創作ではあるとしても興味深いものでした。
※以下の本には、ベルリンフィルを巡るフルトベングラー、カラヤン、そしてチェリビダッケ3人の関係がよく描かれています。
何よりもどのシーンにも「音楽」が溢れており、とても上質な音楽映画になっていると思います。おススメです。
ボレロ/ラヴェル
夢のあとに/フォーレ
七重奏曲 変ホ長調 作品20/ベートーヴェン
アルルの女第2組曲 第4曲:ファランドール/ビゼー
交響曲第7番 イ長調 作品92/ベートーヴェン
無伴奏チェロ組曲第1番 ト長調 BWV1007/バッハ
『ロメオとジュリエット』作品64「騎士たちの踊り」/プロコフィエフ
交響曲第5番 変ロ長調 /シューベルト
ピアノ・ソナタ第14番「月光」嬰ハ短調 作品27/ベートーヴェン
ディベルティメント 変ロ長調 /ハイドン
チェロ協奏曲第1番 イ短調 作品33/サン=サーンス
『アルルの女』第1組曲第4曲「鐘(カリヨン)」/ビゼー
交響詩「死の舞踏」作品40/サン=サーンス
交響曲第1番 ハ長調 作品21 /ベートーヴェン
『サムソンとデリラ』 作品47「バッカナール」/サン=サーンス
『魔笛』「これはなんと素晴らしい響き」/モーツァルト
交響曲第102番 変ロ長調/ハイドン