#007 温泉と読書で私をととのえる
偶然カフェで居合わせた人が、こんな話をしていた。
「高松に来たときには、必ず仏生山温泉に行くんですよー。のんびりできて、すごく好きなんです」
県外にお住まいの方が足繁く通ってくださっていると聞いて、香川県民として嬉しくなってしまった。
仏生山=「ぶっしょうざん」と読む。かつては門前町として栄え、現在は高松市のベッドタウンとしての性格を持つ場所だ。いまでも、昔ながらの街並みが残っていて、大衆演劇を楽しめる劇場があったり、レトロな雰囲気を感じられる風情がある。
街を散策していると、突如モダンでシックな建物が現れる。それが仏生山温泉。香川出身の建築家・岡昇平さんによる設計で、2007年のグッドデザイン賞を受賞している。
「地域のみんなが楽しめるように」と作られた日帰り温泉施設。憩いの場として、また日々の疲れをそっと癒してくれるスポットとして、人気を集めている。
仏生山温泉で私が最も気に入っている点は、浴場内に本の持ち込みができることと、読書に適した長時間の入浴が可能な低温のお風呂があるところ。
館内には古本コーナーもあり、好きな本を購入してから入るのもOK。のんびりゆっくり過ごしてほしいという思いが、伝わってくる。
決して広さはないが、開放感のある造りの温泉。見上げると一面に空が広がる露天風呂は、本当にゆったりとした気分にさせてくれる。
泉質は、ナトリウム炭酸水素塩・塩化物泉(療養泉)。旧温泉名での泉質は美人の湯といわれている重曹泉で、つるつるとした感触が特徴。
すべての浴槽が源泉かけ流しの贅沢なお湯に、私もまた入りたくなってきた。時間を見つけて、近々訪れることにしよう。
▼香川歴4年の「私」が見た、さまざまな風景をお届けしています。毎週末更新予定。
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