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日本人の皮をかぶったカナダ人は一体何人なんだろう
この記事は10日間ライティングチャレンジ3日目の記事です。Day1~Day10で国際カップルのあれこれを書いています。
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遠く離れた日本とカナダで生まれた私と彼。見た目は日本人、生まれはカナダという彼と付き合いだしたことをきっかけに「多様性」について考えたという話。
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晴れて「彼氏」「彼女」になった私たち。
付き合い始めると、以前は見えなかったことが見えてくる。
たとえば彼の流暢な日本語が完ぺきではないことがわかった。
何度も書いているが、彼の日本語は本当に上手でネイティブと遜色ない。
その彼の口から時たま出てくる不思議な日本語は「惜しいっ!!」と言いたくなるものばかり。
かわいい日本語
ある日の昼下がり。
カフェでランチ後のコーヒーを楽しみつつ、このあとの予定を聞いてみた。
私「このあとどうする~?どこか行く~?」
彼「うーん…家帰ってデレデレしたいな」
惜しい!!ダラダラなっ!
1人で勝手にデレデレしててくれ。
日本とカナダのクラブ事情を話していたとき。
日本で夜遊びをしたことがあるという彼にクラブをどう思うか聞いてみた。
私「日本のクラブも行ったことあるんだ?どうだった?」
彼「俺行ったクラブは、広くてすごかったよ!でも日本のクラブってケロケロ変わるじゃん?だからもう無くなってると思うな」
んー!惜しい!!コロコロなっ!
ケロケロはカエルだから。
すでに充分日本語が上手な彼だけど、難しい単語を使えるようになりたいらしく、ちょいちょい四文字熟語をいれたがる。
彼「にゃくにゃくなんにょ好きなんだって。」
いや、もはやなんのことかわからん!!
老若男女とか使おうとしなくていいよ!
知らないカルチャー
彼と私は1986年生まれの同い年。
同じ年代を生きたとは思えないほど、流行の共有ができない。
私が子どものときに好きだったドラマ「ロンバケ(ロングバケーション)」の主題歌を口ずさんでも、彼はノってこない。
逆に彼が小学生のとき大流行して、大好きだったというドラマ「ザ・フレッシュ・スミス」の主題歌を聞いても私には新曲のように聞こえる。
食文化にも驚かされる。
彼の朝ごはんはトーストなのだが、ピーナッツバターにイチゴジャムをたっぷり塗り付ける様子に二度見してしまった。
しまいには「ピーナッツバタージェリーターイム~♪」とCM曲を歌いだす。
まったくわからん!
○○人ってなに?
「日本人」の私からすると彼の所作も「日本人っぽくないなー」と思うことがある。
基本的にレディーファーストの考えがあるため、ドアを押さえて女性に先をゆずる行為は彼のデフォルト。
パーティーに行ったらガンガン知らない人に話しかける姿も、なんだか海外ドラマっぽいと思える。
そんな彼と付き合って初めてアイデンティティについて考えるようになった。「○○人」ってなんなんだろう。「○○人っぽい」ってどんな人なんだろう。
同じ見た目で同じ言語を話す彼は私と同じ日本人なのか?
当たり前のことを言ってしまうようだが、おそらく彼は日本人であり、カナダ人なんだと思う。
日本で生まれ育った両親から生まれた彼は日本にルーツを持つ。でもカナダの文化の中で育ち、趣味嗜好いろんなところでカナダの影響を受けている。
国際交流が進む現代において、「○○人」と一括りにはできない。私たちは「○○人」「○○系」「○○型」とカテゴライズしたくなる節がある。そうすることで仲間意識を持って生きてきたのかもしれない。
異なるバックグラウンドを持つ、異なる人たちを一括りで見たくないなー。
彼の横でそんなことを思った。