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がんをめぐる冒険

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アラフィフ、独身、職業:記者。 ある日、足の付け根に転移がんが見つかり、卵管がんがみつかる。 その後、2回の手術と1回の抗がん治療を経験。 抗がん治療で髪が一部残った経験から、少…
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#がん

がんをめぐる冒険(71)がんの遺伝子検査

 腫瘍内科を受診してから、遺伝子検査もしました。 遺伝子外来の先生の話は、中学の生物の授業を思い出す内容で、遺伝子の概念の説明があり、遺伝子検査をするか否かを問われました。  私にとって検査を受けるメリットを聞くと、遺伝性のものだったことがわかった場合、飲む抗がん剤の選択肢が広がるとのことでした。    薬は飲んでみないと合うか合わないかわかりませんし、選択肢が広がるに越したことはありません。検査代は保険対象で約10万円。もう手術した時点で高額医療対象なので、これ以上支払いが

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がんをめぐる冒険(61)共通項はジブリの女の子みたいなヒト

 私より先にがんが見つかったアネゴは、一昨年、右耳の下にがんが見つかり、がん治療中です。 彼女はひとりっ子で両親を看取り、すべて自分1人でがんと対峙している強者です。 もともと編集者ということもあるけど、 「私が死んだら、私の財産は国庫に帰属するのよ」 と抗がん治療で入院するまでに遺言まで残すという段取りの女王。病気に凹んで泣きわめくでもなく、あまりにも人に頼らなすぎる〝自立のかたまり〟みたいな人です。

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がんをめぐる冒険(50)がんとお金=保険の話①支払免除つき保険に救われた

 がんのきっかけになった〝しこり〟ができてからというもの、クリニックから総合病院に紹介してもらい、CT検査、手術、生検と毎回2~3万円。がんの疑いが出てからさらに全身のPET検査、MRI、脳のCT検査で目が飛び出る額がバッサバッサと飛んでゆきました。  手術入院2回、3割負担でも合わせて30万円越え。差額ベッド等オプションナシの最低ラインです。高額医療の限度額認定証はもらっていますが、それを出してもかかりました。  たまたま、その年の夏に叔父の家の売却までの手伝いをして、親戚

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がんをめぐる冒険(28)オオカミのおなか、めちゃ痛い!

 手術3日目、尿管がとれて、自分でトイレに行けるように。頸椎の麻酔と腕の点滴を連れてでも自分でトイレに行くほうがいい。  しかーし、ベッドから降りるのも一苦労、おなかが痛くて前かがみでしかいられない。廊下の手すりがないと歩けないのです。前回は手すりをバーにして足を上げてバレエストレッチしてたのに、そんな余裕は全くない(涙)。 咳、くしゃみは鬼門。 死ぬほど痛くてできない、とかそういうれ出るを超越した痛み。咳き込みそうになったら、とにかく水を飲み、必死で押さえるしかない。とにか

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がんをめぐる冒険(24)がんは詐病とウソを流される

 がんの検査手術が決まって、上長と役員と一部関係している人にメールで伝えたら、まさかの役員が「アイツ仕事したくないから、がんだと言っている、詐病だ」と言って回っていたことがわかりました。 真面目に仕事していたんだけどなぁ…、だいいち、がんとか詐病で言ったらすぐバレるし。だったらメンタル壊れましたとか判別しにくい病名にするけど(笑)。    実はその役員とは因縁があって……。  よくよく考えたら、春先から目をつけられていたんです。管轄外の仕事をなぜか私にやらせようとしてきました

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がんをめぐる冒険(23)手術前日、早朝取材からの入院

 手術の段取りは今回も同じで、前日の午前中に入院。もう1回入院しているので持っていく服や小物は淘汰され、スッキリしました。  入院日はちょうど早朝からタレント事務所の振袖撮影会があり、朝8時に現地入りし、9時から取材。その足で入院しました。華やかなタレントさんを眺め、取材すると元気をもらえます。 仕事があって良かった。 入院するとラウンジでパソコンを開き、原稿を打つ……。 病気のことだけ考えていたらもっとどんよりしていたと思います。 (実はどんよりするパワハラ時間があったので

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がんをめぐる冒険(21) 入院中はラウンジでお友達作り

 入院中、看護師さんと一緒に付属の看護大の学生が実習に来ました。 病気になってダンスに行けず、若い子に会えない日が続いていたので懐かしく思いました。 ラウンジにいたので、看護師さんが学生とお話してくるように言われたそう。 聞けば大学1年生で、実習は初めて。子供の頃に入院経験があり、看護師を目指したそう。 今の子はみんな優しく、オトナにも気をつかってくれる。 そうそう、ダンス行くといつもこうしてかまってくれるのよね…… あー、19歳だと〇〇と同じくらいかな。会えないことに寂しさ

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がんをめぐる冒険(19)卵管がん確定=抗がん剤確定

 手術が終わり、2日後、 Y教授と教授のアシスタントをしている若手のO先生が回診に来て、 「左の卵管と卵巣にがんがありました。右足の付け根も同じ顔をしているので、婦人科で診ます。 がんわかったので、空きがあったら今週中にでも手術しましょう」 とお話されました。  個人的には、がんはどうでも、足の付け根のしこりについて別の病院を探して治療しないで済んだことにほっとしました。  がんについて同時並行して2箇所の病院に行くのは面倒だし、仕事しながら、そんな体力も時間もないな、と思

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がんをめぐる冒険(10)手術へ向け、パラレル診療と冒険

 CTの結果で、脳などの転移は見当たらず、教授の先生は一言、 「うーん、悩ましい。卵管と卵巣を取ってみないとわからないので、検査手術をしましょう」  と、手術(検査手術)の方針に決まりました。  方針は決まりつつ、今度は胃カメラと腸のカメラ。実際にカメラで見て、CTの結果に確証を得て、手術です。さらに、腫瘍科の受診も決まりました。  検査手術の方針決定→胃大腸カメラ→(仮)手術日           →腫瘍科受診→遺伝子検査の予約                       

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がんをめぐる冒険(9)病院は「あさイチ」予約が手術への近道

 初診から1週間後、再診では朝9時を予約。 朝8時には受付を済ませ、パソコンを開いてその日の原稿の準備をしながら待ちます。 診察すると、MRIをとりに行くように言われました。 MRIの予約は院内だと3週間先、外部に行けば早めに検査できるとのことで、私は「外部でお願いします!」と即答。 データが揃わない限り、先生も戦略をたてられませんから、そこはディズニーランドのファストパスだと割り切り、課金してでも早く結果を揃えることを優先しました。  アシスタントの先生に予約をとってもら

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がんをめぐる冒険(8)大学病院の初診で「スピード感をもって」と言われる深刻度

 かかりつけの病院から渡されたCD―ROMを取り込むのに時間がかかるのでできたら前日に渡しておいたほうがいいと後輩(もとK大病院勤務の外科医、ウチの大門未知子)に聞いたものの、間に合わなかったので、当日、朝8時前にK病院に行き、受付を済ませ、10時の予約に向けてスタンバイ。 後輩が電車で遅れていたら、順番が来てしまい、呼ばれてしまいました。 人当たりの良さはさすが、婦人科の先生。教授に状況を説明すると、後輩が来てから出直すことになりました。  彼女を待っていたら、「カルテ開

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医療用ウィッグは不要、1,2万円台で充分!

抗がん剤治療(化学療法)でウィッグの相談も多いです。 病院内の「医療用ウィッグ」は人毛で50万円が相場。 「メンテナンス用にスペアが必要で100万円」とおすすめされます。 こんな高額ウィッグ買わなくてもぜんぜん過ごせます! 医療用ウィッグでなくて、普通のウィッグでいいし、毛付き帽子で充分。 毛付き帽子のほうが頭を締め付けなくて快適です! そもそも「医療用」とは、「毛がない状態でかぶる」のを言うようで、 非常に線引きがあいまい。デリケートな頭皮に触れる部分がナチュラルな

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入院中便利だったもの

 大部屋入院は基本ドミトリー宿と同じ。コンパクトかつ使えるものを厳選して持っていく、余計なストレスをなるべくそぎ落とすことが必要です。 ・カッター  ペットボトルのふたの中央に十字に切り込みを入れ、ちょっとずつ削ってストロー差しを作ります。これ、AV製作会社の友達が女優さんにドリンクを渡すときに使っているのを教わりました。ドリンクを飲む際にこぼす心配がなくなるのでとっても便利。ジュース、お茶、水、それぞれストローを差して準備しておけば、手術から帰ってきて動けなくても自分で飲

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がんをめぐる冒険(4)初めての手術

 手術をすれば医療保険の保険金がおりるので、ちょっとワクワクしながら、朝8時半に形成外科に向かうと、いつもの診察室のとなりの「処置室」。 手術感ゼロ。保健室で手当てしてもらうような感覚でした。 しこりの周辺に麻酔を打ち、メスで切ろうと皮を引っ張られるだけで痛い。「イー!!!」って顔になりながら悶えていたら、看護師さんが 「痛かったら痛いって言っていいんですよ」 と手を差し伸べてくれ、 「痛いっす……」 先生に必死で伝えました。 麻酔注射を足したのですが、しこりでなく、炎症を

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