同じ1点なのに、価値が違う「1点の格差」。
先日、娘が陸上の試合で優勝したお話を書き、
目に見えない差を生み出すものは何なのかということについて綴りました。
0.01秒に、この日はこんなに詰まってた。
0.01秒という極々わずかな差で優勝できた娘は
その後、陸上に対する意識がますます高くなり、
「自分でもやればできるんだ」と、さらに練習に力が入っています。
掲げる目標も高くなり、
市大会レベルとはいえ、
「優勝」がもたらした功績の大きさを感じています。
こうして思うと、
0.01秒という差は小さくても、
1位と2位の差は実に大きい・・・。
1位になった者にしか、
もしくは、1位を逃した者にしか、
0.01秒の重みは実感できない。
娘に起きた0.01秒の奇跡を実感し、
以前、エールの学習アドバイザーが
エール生に説いた言葉を思い出しました。
定期テストで80点以上をとってきて
喜んで報告するエール生に対して、
大学生の学習アドバイザーが
「なんで100点じゃなかったの?」と言ったんです。
横で聞いていた私は驚きました。
80点以上とったんだよ。
まずは褒めようよ。
いきなり100点って・・・汗汗!
そんな私の動揺をよそに、
学習アドバイザーは続けました。
「僕は中学生のとき、常に上位10番以内にいた。
学年13番になったこともあるけど、その時はめちゃくちゃ悔しかった。
ヤバい!って焦った」
「上位10番以内ってどんな感じかわかる?
だいたい同じ顔ぶれで、全員、問題が解けて当たり前なんだ。
だから、10番以内をキープしようと思ったら、1点でも落とせない。
僕は、定期テストの時は〝ミスできないぞ!〟って緊張で手が震えた」
「80点以上が取れたってことは、100点取れる可能性があったんだよ。
ミスでどれだけ点数を失っているか、解答用紙を見直してみて」
80点以上取ってきても褒めてもらえなかったエール生に
この言葉がどれだけ響いたかはわからないけれど、
学習アドバイザーの彼は、
1点を軽く見るな。と、熱意を込めて語っていました。
彼の話を聞いて以来、私も、
「100点を取っておいで」「学年1位を目指して」と言うようにしています。
満点がすごいと思わないし(すごいけど)
学年1位じゃなくても、
十分に素敵な子どもたちです。
しかし、それでもあえて言うのは、
「小さな差が大きな差になる」と痛烈に体感してほしいからです。
学年51番だった子が、
次のテストで学年52番になったとしても、
「前回と同じだった」と思い、
大した振り返りをすることもないかもしれません。
しかし、
学年1番だった子が、
学年2番になったら、
「どこでミスったんだ?」と大きな差を感じるはずです。
その差を生んだのが、たった1点だとしたら…。
その悔しさを痛感している人にしか、
1番の差、1点の重み はわからない。
選挙では「1票の格差」という言葉がありますが、
同じように、学年10番以内と学年50番台には、
「1点の格差」があるのです。
その価値の違いが
学習アドバイザーの言葉になっています。
「なんで100点じゃなかったの?」
その一言に、
1問1問、丁寧に解いたか?
武者振るいするほどの思いで臨んだか?
と、「真剣さ」を問いたかったのだと思います。
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