#1684 「揃わない」を前提にする
今回は、授業づくりネットワーク『揃わない前提の授業とクラス』からの学びをまとめていく。
【揃わない学校になっている前提】
・社会と学校のギャップと不自然さ
→社会では「多様性」が重視されているのに、学校では「同調性」が重視されている。そのため「不自然さ」が現れ、一定数の子供が適応できなくなっている。
・子どもは学校に付き合っている
→学校や教師が子供を枠におさめる構図から、学校や教師に子供が「付き合っている」構図になっている。
【揃わない学校における授業】
・愛着や発達の問題が一番現れるのが一斉授業
→一斉授業ではなく、個別最適な学びを重視すれば、愛着や発達の問題は目立たなくなる。
・メソッドではなく、コンセプトをもつ
→授業手法を盲目的に取り入れるのではなく、「何のために」取り入れるのかを考える。
→「子供はどう見ているのか」「子供はどう考えているのか」等を察知できる「感受性」をもつ。
・基本を押さえた自由度のある課題、子供の表現に対してOKが出せる課題
→アウトプットの自由度が高いと、子供は安心して学ぶことができる。
・答えは教科書で、答えのないものは教師や友達と対話して
→教師が知識を教える時代は終わった。教師は、納得解を導いていくための対話役やファシリテーター役となる。
・成果物を自由にする
→成果物の表現方法を限定せず、子供に選択・決定してもらう。
・学ぶ目的・方法・タイミングを委ねる
→授業に自由度があると、子供と教師の「関係の質」が向上する。それが「結果の質」を高める。
→授業の在り方について、子供たちに質問し、対話しながら模索していく。
→「教師から講義」という学び方の選択肢も「あり」にする。
・授業の冒頭も最後もシームレスに
→お決まりの「授業冒頭のインストラクション」を疑う。「途中のカンファレンス」を重視する。「説明なし」で授業が始まり、「まとめなし」で授業が終わるようにする。
【揃わない学校における学級経営】
・にごされたときの切り返しの技術
→子供に注意したとき、にごされることがある。そのときに、厳しく指導せず、ユーモアをもって切り返しができるとよい。
・「個として見たときの個」「集団の中の個」
→どちら視点の方がアプローチしやすいか見極める。
・自分の意見を言えるし、他者の話も聴ける
→一方的に自分の意見を貫こうとしない。かつ、他人任せにしない。
・「共感」と「行動の提案」
→認知の歪みをもつ子供には、まず行動に共感してあげる。その後に、望ましい行動を提案してあげる。
・4つの指導方針
①興奮させない
②対人関係の広さを良しとしない
③環境的な刺激を減らす
④全体指導は毅然と、個別には温かく接する
・社会モデルで対応する
→「気になる子がマジョリティだったら?」と考える。気になる行動は「優劣」ではなく、「たまたま」である。
・多様性をわざと引き出す
→多様性の許容範囲を広げて、教師自身の価値観を変容させる。
・「目標」「公平」「共感」「失敗」を揃える
→4つの前提を揃え、教室内の「安心」を揃える。
・「揃えたいこと」「揃えなくてよいこと」を共有する
→子供に両方を伝えることで、納得してもらう。
・子どもたちに助けてもらう、力を借りる
→担任だけで問題を解決しようとしない。
・子どもは「賞」ではなく、先生からの「賞賛」が欲しい
→画一的な図工指導をしない。
・子どもを信頼しているならば、注意・叱責ではなく、「どうしたの?」と聞く
→怒るということは、教師としての資質がないことを意味する。
・訓話で価値を伝える
→直接的な説教をせず、間接的に指導する。
以上が、書籍からの学びである。
これからは、「多様性」が前提となる時代である。
以上の学びをこれからの実践に生かしていきたい。