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#28 単元づくり【社会科】
今日は社会科の単元づくりについて考えていきたい。
持論なのだが、社会科は子どもの好きな教科ワーストランキング1位ではないかと思っている。「今日は社会があるよ」と言って、喜ばれた経験は一度もない。それだけつまらない授業をしているということになるが、読者の方々はどう思うだろうか?
社会科は単発で授業を行っていくよりも、単元を視点に進めていくとよいと考える。
まずは大導入の段階で、その単元で重要になる社会的事象に出会わせる。ただ単に出会わせるのではなく、ちょっとした工夫をしたい。例えば、視覚資料に工夫を入れるなど。工夫の仕方には「アップ」「比較」「隠す」などがある。そして資料をもとに、発問を工夫し、その単元で解決していきたい「単元を貫く学習問題」を作ることになる。
次はその「学習問題」に対する個々の考え・予想・疑問を発散させるようにする。それも、なるべくたくさん。すると子どもの考えが多様なので、中に「本時レベルの考え」が出てくる。それらを整理する。そして一時間一時間を使い、それらの予想が本当なのか、解決していくことを確認する。
あとは整理したことをもとに、本時として、課題解決をしていく。スタンダードな「課題→予想→調べ学習→交流→まとめ」という流れである。これを決められた時間分行っていく。
単元の終末では、これまでの授業でまとめてきたことをもとに、大導入で考えた「単元を貫く学習課題」に対する自分なりの答えを書かせることになる。そして表現活動ということで、新聞にまとめたり、レポートにまとめたりするという流れである。
どの単元でも毎回このようにはいかないだろうが、おおよそこの流れでいくと、子どもの学びに沿った学習は展開できる。教師にやらされているのではなく、自分たちの考えた問いや予想をもとに、自分たちで問題を解決していく授業を展開していくことができる。
ポイントは「単元を貫く学習問題」に対する子どもの考え・予想・疑問から、「本時レベルの課題」につなげることがいかにできるかである。子どもの考えが学習内容と離れすぎてもいけないし、教師が与えすぎてもいけない。そこをうまく調整するのが、教師の腕の見せ所ではないだろうか。
社会の授業づくりを極め、社会科好きの子どもを一緒に増やしていこう。そして、社会科を好きな教科ランキングに入れられるようにしたい。では。