#1513 学力と主体性の関係
学力にはモデルが存在する。
以下に2つのモデルを紹介する。
1つ目のモデルは、「氷山モデル」である。
海上には「見える学力」が存在する。
これは「知識・理解」「技能」である。
海面下には「見えない学力」が存在する。
これは「思考力・判断力・表現力」「関心・意欲・態度」である。
このモデルに依拠すると、海面下の「関心・意欲・態度」などの情意面はいくらでも大きくすることができるが、海上にある「見える学力」は小さいままでもよいことになってしまう。
これだと、観点別評価が「CCA」でもよいことを意味する。
しかし、「主体性」がAで、「知識・技能」「思考・判断・表現」がCCということは、本来あり得ないのではないだろうか?
そこで必要なのがもう1つのモデルである。
これが「並行説モデル」である。
「学力と主体性は関係し合っている」というのがこの立場である。
学力は「①知っている・できる」「②わかる」「③使える」という3つの段階がある。
それに並行する形で、主体性が「①やればできる」「②この教科はおもしろい」「③主体的に学ぼう」という3つの段階で構成される。
※ちなみに①が入口における情意であり、③が出口における情意である。「主体的に学習に取り組む態度」は③のような出口における情意を高く評価する必要がある。
主体性が①であれば、学力も①である可能性が高い。
②や③でも同じことが言える。
なので、観点別評価が「CCA」、つまり「主体性」がAで「知識・技能」「思考・判断・表現」がCCということはあり得ないことを意味するのだ。
私はこの「並行説モデル」に賛成である。
現行の学習指導要領においても、評価で「CCA」などのバランスが悪いものは基本的にはあり得ないこととしている。
学力と主体性には密接な関係性があるのだ。
学力を伸ばすことで主体性を伸ばすこともできるし、主体性を伸ばすことで学力を伸ばすこともできる。
どちらも重要視して、子どもたちの学習をデザインしていきたい。
では。
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