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#42 教育書の読み方
ずばり結論から。
教師経験が浅いうちは、ポイントが1ページずつに載っているような、「読みやすい」教育書を読む。
ある程度経験を積んだら、文字が多めの「やや読みにくい」教育書を読む。
初任の頃は、早く学校の業務になれ、授業や学級経営でも成果を出したい気持ちで溢れている。初めのことが多いので、とにかく「正解」を求めがちになる。
そんなときは、いわゆる「ハウツー本」を読むべきである。イラストや図が多めで、見開きに1項目の話題が載っている「読みやすい」教育書である。これを読めば、手っ取り早く「正解」を手に入れることができる。
しかし「正解」とは言っても、それは筆者の成功体験にすぎない。それが必ずしも違う教師、違う教室でも有効に働くかは保証されていない。現に私はハウツー本から学んだことを試したが、うまくいかなかったことが多い。
だが、読まないよりはマシである。いくつかのヒントは得られるので、困っているときは「ハウツー本」に助けてもらうことがいいだろう。
経験を重ねていったら、「ハウツー本」は卒業し、ある程度難解な、よく読み込まないといけない教育書から学ぶ必要がある。この手の教育書には、いくつかの図はあるものの、イラストなどはほとんどない。そして見開きに1つの話題なんてこともなく、つらつらと文字が多めに書かれており、「比較的読みにくい」ものとなっている。
経験を重ねると、失敗をすることもなくなり、悩みもなくなってくるはずである。手っ取り早くヒントを得られる「ハウツー本」ではなく、ゆっくり時間をかけて読める教育書を選びたい。そしてその筆者の考え、エッセンスを吸収するつもりで読む。研鑽のために読む。
このような難解な教育書は、読みやすい工夫はされておらず、筆者の考えが長々と書かれている。しかしこのような教育書にこそ、「教育の本質」というものが書かれているのだ。なぜなら「教育の本質」という大切なことは、短く簡潔には表現できないだらだ。それを表現するには、ある程度の紙幅が必要なのである。
私は「ハウツー本」よりも、文字が多い難解な教育書を読む方向にシフトを変えた。これからも読み続けていきたい。
教師経験が浅いうちは、ポイントが1ページずつに載っているような、「読みやすい」教育書を読もう。
ある程度経験を積んだら、文字が多めの「やや読みにくい」教育書を読んでみよう。では。